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ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

11/27新聞記事 二つより

2024-12-04 | にぎわいの家・奈良関連
先月、11月は奈良町にぎわいの家は毎週末、イベントがあり、沢山の方でにぎわいました。
以下、そのイベントを取材していただいた、毎日新聞の記事ですが、見開きの左右(赤ペンで囲んだところ)ページに、たまたま、二つの事業が同時に掲載され、珍しいやら有難いやらで、備忘録として記します。


左側が「何だこれは!~中学生の爆発的表現力」展  右側が「テイチクうたものがたり」 の二件です。


地元のならやま中学校二年生による展示。前回の万博のレジェンド、岡本太郎について学んだことから、そこから自分たちなりの表現作品を。
また、水墨画は、未経験ながら、「なぜ、みんなこんなに描けるの?」こちらも爆発的な感性が炸裂。お客様は「へー!」「すごーい!」を連発していました。新聞には、海外のお客様が写真におさめている姿が。


今年はテイチクレコード創立90年。元々、奈良が本社でその本社工場から、沢山のヒットレコードがら全国に届けられました。
2016年に上演した朗読劇「テイチクうたものがたり」(脚本・演出…小野小町 出演…言の葉の羽)の再演で、この作品は、テイチクの創立50周年の社史より、昭和初期から戦後すぐの様子を、創業者の南口重太郎氏のエピソードと共に、語るものです。
おかげさまで、この作品は、これまでも各所に招かれ、上演しています。
この度は、にぎわいの家では12/1が本番でしたが、その前日は、学園前サロンの一環で、西部公民館でも披露しました。つまり二日連続の公演だったのです。
元テイチク社員の方にもトークをお願いし、朗読劇とあわせて、満員御礼のうちに終えました。
お客様、関係者の皆様、ありがとうございました。


奈良町にぎわいの家「花むすびの世界」長坂峰子展 1/22まで。

2023-01-18 | にぎわいの家・奈良関連
国の登録有形文化財、奈良町にぎわいの家も今年の4月で開館8年。これまで多くの展示や体験事業を企画実施してきましたが、特に展示企画は伝統美術から現代アート、地元作家さんなど、多彩な内容で構成してきました。
6日より、新年にふさわしい、華やかな展示を座敷全体で開催、奈良テレビでも放映されましたのが「花むすびの世界」です。
「花むすび」は伝統技芸の一つで、その名の通り、花のような形に紐を結んで作品にされるのですが、その結び方は多様で、座敷の作品をみながら、この伝統技芸の奥深さに見入っています。
元々は貴族文化の中で花開き、茶道などの伝統文化の中で発展し、現代ではアクセサリーやインテリアなど、身近に楽しめるものとしてあるのですが、長坂先生の作品展示の機会を得て、美術作品としての可能性を感じました。町家の座敷に、かなりダイナミックにレイアウトしてみました。
おかげさまで、大変好評です。
1月22日、日曜日3時まで。間際のお知らせですが、お近くの方、ぜひ、のぞいてください。








奈良町にぎわいの家~一刀彫の名人「森川杜園企画」第8回 朗読と展示 

2022-06-15 | にぎわいの家・奈良関連
奈良市の文化観光施設、奈良町にぎわいの家の開館は2015年。当時「奈良町」と聞いて、誰の顔を思い浮かべるかと考えました。たまたま、当館の二軒隣に、幕末から明治に活躍した、一刀彫の名人、森川杜園が住んでいたと聞き、調べてみると、これが面白い!既に、当ブログで書いてますが、大津昌昭著「芸三職森川杜園」に出会ったことは、本当に幸いでした。「芸三職」というのがすごくて、演劇に関わる私には、杜園が狂言師として、興福寺の薪御能はじめ、茂山千作との舞台など、弟子を抱えて舞台をこなしていたということにびっくり。彫刻、絵、役者、つまり三職、三つの仕事をしていた杜園。奈良町にそんな人がいたなんて、つくづく嬉しいです。
で、杜園企画の8回目は…6月生まれの杜園にちなみ、6月を「森川杜園月間」と銘打ちました。作品展をしながら、その作品を前に、毎週土曜日に朗読を3回、しかも演目が違うという…大変な試みです。朗読は私が指導する「言の葉の羽」。これまで、何度も朗読劇に関わってくれたメンバーで立ち上げました。とはいえ、毎週、演目が違うので、読む方は大変です。①絵師となるまでの十代の杜園。②一刀彫の道に進み名人となる杜園。③明治になってから晩年まで。とりあえず、先週、①が終わりました。
毎回、読みながら、大津先生の本の「台詞」が素晴らしく、テキストが素晴らしいと、自ずから気持ちが入り、深いところまで連れていってくれると、感じています。良い本は深い心を作ってくれると、声にすると余計に思います。登場人物は男性がほとんどで、出演は皆、女性なのですが、無理なく自分の出しやすい声に近いところで、演じます。おかげで、とても手応えのある朗読会になりました。終わってから、出演者に「杜園さんが奈良奉行に名と号をもらうあたりは、涙が出そうでした。」と感想をくれました。読み手にとって、なんとも嬉しい言葉です。
さて…先週の第1回目の朗読会は、読み手が一人、出演できず、私が?!読むとなりました…。いつもはえらそうに演出してますが、そちらと出演の能力とは全く別ものです。が、劇場でない、町家でもあり、なんとかなったようです。こんなこと二度とないから?!小野小町出演、最初で最後のシーンでお得だった?!…そんなわけはないので、2回目はいつものメンバーが揃うことを祈って。
6/26まで座敷に杜園と関連作品がを展示します。朗読は、土曜日の2時から、出入り自由、無料。
お近くに来られたら、是非、お越しください。



 大津昌昭先生
 朗読中。




2021 秋の花 にぎわいの家

2021-11-05 | にぎわいの家・奈良関連
奈良では正倉院展(今年も予約制)の期間中で、一番の観光シーズン。おかげさまで、お客様もよく来てくださっています。奈良町にぎわいの家では、春は華道の先生方にお願いして、秋は当館スタッフで、全館に花をということで企画しています。もちろん、日々の何気ない花が一番大事で、そこをお客様は良く見てくださり、いつも花を誉めてくださいます。そんなスタッフですので、空間を任せるとしっかりやってくれます。というわけで、町家空間の花模様です。現代アートは、地元の美術家、嶋田剛氏からお借りしました。とにかく、予算を聞いたらびっくりするくらい?!低く抑えて、スタッフの知恵と力で開催した、そんな花展の一部を以下紹介します。

 玄関前に菊ボール。この製作は根気いるんです…。

 玄関 嶋田作品と赤い花、妙にあいます。

 茶室。行李にいっぱいの菊を。

 一番広い15帖。大きな床の間なんです。

 
江戸期の蔵。花展なのに花がない?!ここは未来の花をテーマに私が構成。自分で花を咲かそう。トランクに雑草、止まった時計を動かそう。
スタッフが大きな蔓をとってきて、ブランコにしてくれました。見学の小学生のグループが「ここ、かっこいい!」との声、嬉しかったです。

奈良県立美術館 森川杜園展 11/14(日)まで

2021-10-28 | にぎわいの家・奈良関連
開催中の特別展、生誕200周年記念 森川杜園展。毎年、奈良町にぎわいの家で、大津昌昭先生の「芸三職 森川杜園」をテキストに開館当初から、杜園企画を続けている、私としては、是非是非、見に行ってください!!と声を大にして、いえ、字を大にして?!書きたいです。
このブログでも、何度もレポートしていますが、奈良町にぎわいの家(奈良市の文化観光施設・登録有形文化財の奈良町家)の二軒隣が、森川杜園の家で、ご縁を感じて、「奈良町といえば、森川杜園!」が合い言葉にならないかしら、と企画を続けてきました。市民参加の朗読会を主に、杜園の作品を生でみる展示も、地元の皆さんのお力添えでできました。その杜園の作品が、ずらーっと並ぶのですから、もう必見です。
何しろ、私は杜園の作品より先に、大津昌昭先生の小説の方に出会い、その魅力に心をつかまれ、実際に作品を見たら…ああ、これは楽しい、一刀彫のイメージが全く違ってみえる…と思った次第です。
昨年の春日大社の森川杜園展は、高円宮妃久子様出品の杜園の根付をうっとり見ていましたが、今年は、正倉院の宝物の模写や模造など、こちらに目をひかれました。見ながら、大津先生の書かれた物語が頭の中に再現されてくる感じです。模写や模造って、芸術家としてはどうよ、と思いがちですが、ちょっと全然違うんですよね。芸術以前に、杜園には「仕事」なんです。私はこの「仕事」というところがとても良いなあと思います。生業として製作を続けていた、そこに作品の強度が見えるようにも思います。自分を表現するために芸術はある、それはとても大切で、ここがなけれぱ創作は成り立たないのですが、一方、独りよがりになってしまうことも、無きにしもあらず。
なので、杜園の作品を見ていると、芸術至上主義?的なところからやや離れて、「手」や「木」や「彫る」という、具体的な事柄の持つ力を、改めて認識させてくれるように思います。目の前にあるものをしっかり見る、ということが、私は全くできていない、とつくづく思いました。これ、歌…短歌を詠む時も同じで…見るんですよね、本当はもっとちゃんと。
そんな私の繰り言よりも!とにかく、ご覧ください。杜園の「手」が生む仕事の数々…。とても楽しいです!ぜひ、奈良県立美術館へ!