ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

小町座、五年ぶりのホール公演です!

2017-05-29 | 小町座
以下、公演の告知を!「尾」をモチーフに書き下ろしました。第1部はきつね?!をモチーフのファンタジードラマ、第2部は、短歌の師、前登志夫の歌でつなぐ、三人の母のドラマ。現在、小町座稽古中!皆様、ご予定くださいね。

最新公演情報!7/22(土)2時~ならまちセンター市民ホールで小町座演劇公演、「お、あるひとへ」開催!

小町座第15回企画「お、あるひとへ」(奈良県新たな文化活動チャレンジ採択事業)
第1部 きつねものがたり/第2部 「父のうた 母のうた」

奈良の母親劇団「小町座」旗揚げから10年、5年ぶりのホール公演開催!

第1部は、キツネか人か、「尾」を持つ末の妹とその姉たち、三姉妹の小町座ファンタジー。「尾」に込められた喜びと悲しみとは?

第2部は、過去、現在、未来の母たちの三本の一人芝居。現代アート作品を取り入れた舞台美術(林和音、岡田一郎)に、日本を代表する歌人、前登志夫の短歌が劇空間をつなぎ、不思議な時空を越えた舞台空間が出現、乞うご期待!

前売り 2000円、大学生まで1000円(当日各500円UP)  後援  奈良県・奈良市 
チケット予約問いあわせは、http://komachi-office.saloon.jp/ 小野小町事務所の問いあわせホームからどうぞ。












河東けい・ひとり語り「母」 

2017-05-23 | 演劇
以下は、奈良町にぎわいの家のフェイスブックより。
「5/20、関西を代表する俳優、河東けいさんの一人語り「母」の公演がありました。河東さんは関西芸術座の創立メンバーでもあり、91歳の今も精力的に活動されています。この「母」は、『蟹工船』で有名な作家、小林多喜二の母、セキが子どもたちとの暮らしを語る中で、多喜二の人物像が浮き上がるドラマになっています。この企画は早々に満席となり、キャンセル待ちの方からの「どうしても見たい」という電話も複数いただくような、まさに今の時代にこそ見たいという、皆さんの熱意を感じる公演となりました。河東さんの「母」は、芝居を演じているというよりも、明治、大正、昭和を生き抜いた母の声が、河東さんという存在を通して、立ち上がってくるリアルなものでした。100年を迎えた町家で、その年月に重なる時代を生きた、河東けいさんの声が、力強く、せつなく、かなしみと勇気をもって響きました。(おの)」

今回の企画は、奈良出身で現在は神戸を中心に、子どもの文化活動の企画をされているNPOの代表、飾森千代子さんからのお話でした。河東さんのことは、小さい頃からテレビでおなじみでしたし、関西芸術座は、関西を代表する劇団、原作が三浦綾子(『氷点』『塩狩峠』などの昭和のベストセラー作家ですね、よくテレビドラマで見ました。)、脚本がふじたあさやさん、演者が河東けいさん…とすごいメンバーです。また、多喜二の母のモノローグドラマというのも、今だからこそのメッセッジがある…。
小林多喜二というと悲惨な死のイメージと、『蟹工船』など、プロレタリア文学を代表する作家として、どうしてもイデオロギー色が濃い人物に感じます。実際、共産主義という言葉を標榜した国家的な実践が、ソ連の崩壊と共に全否定されたような印象がありますが、そういった「国家」を背景とするイデオロギーと、昭和の初め、純粋に弱者を助けたいという気持ちから、学びを進めていった若い多喜二たちの個別の、意識とは、違うのではないか、と感じています。実際、このお芝居は、イデオロギーなど関係無い、自らの暮らしの苦しさにもかかわらず、自分たちよりより苦しい立場のものへ心を寄せる、母と多喜二がいました。蛸部屋(今の若い方は馴染みのない言葉かも…)から逃げた労働者をかくまったり、女郎部屋の女性を自立させたり…。芝居で語られたこれらのことは、その人に思想があるから云々ではなく、他人の境遇に共感し、その苦労を自分のものとして抱えることのできる、想像力があるからでしょう。この「想像力」こそが、多喜二に以降の小説を書かせ、また、「ではなぜこのように同じ人間が虐げられているのか」という問いに向かっていったのだと思います。
ふじたあさやさんの戯曲は、大変シンプルで、多喜二の母が当時の暮らしをまま、語っている、そんな本でした。大きな仕掛けもない、母の子育ての暮らしの言葉が続くのです。
この「暮らし」の当時の日常の感覚を、実に見事に河東さんは声にします。1時間半、一人で語られるのですから、大変な体力がいります。大変暑い日でした。汗もふかれ、水も口にされ…ところが、こういった動作が段取りでなく、「母」の流れの中で、演じる呼吸の一つなんですよね。また、台本のページをくる手も、なんだか魔法のように思えました。「演劇」というのは「演じる」のですが、河東さんの長いキャリアの中で、舞台がまるで暮らしの場であるからでしょうか、本当に、見事に、河東けいの「存在」がまま、あるのです。それも自然に。この91歳のたたずまいの素敵さは何でしょう。言葉でいえません。「河東けい」という存在を見よ、そんな感じです。
さて、この「母」は20年以上前に、一人芝居として、「神戸芝居カーニバル」の中島淳さんがプロデュースされたものです。中島さんも奈良に来られ、公演前日、お話する機会がありました。その時、中島さんが言われた言葉が「想像力」。私たちはどんな「想像力」をもって、時代を生きていくのか、「母」の語りを見ながら、今も子供を育てる多くの母たちに、この母の声をと思った公演でした。



にぎわいゴールデンウィーク!

2017-05-04 | にぎわいの家・奈良関連
ゴールデンウィーク半ば、奈良町にぎわいの家は沢山のお客様でにぎわっています。そのレポートを。(写真は全て奈良町にぎわいの家フェイスブックより )
①来館者20万人セレモニー
4/29、来館20万人目のお客様をお迎えしました。2015/4/18に開館以来、2年間たち、一年に約10万人訪れていただいています。奈良市長から、
「しかまろくん」グッズや奈良の鹿の風景写真集など、当館代表からは奈良町の茶粥セットと老舗のお菓子、そしてにぎわいオリジナル節気はがき、24枚を贈呈しました。道ゆく皆さんも共に盛り上げてくださり、良いセレモニーとなりました。



②昔なつかし遊び
外スペースにコマ遊びのコーナーを設置、独楽名人のOさんは、これまで何度もボランティアで指導に来てくださっていますが、Oさんの指導で本当に皆さん、よく回せるようになります。老若男女関係なく、一緒に夢中になれる…奈良町の街角でこうしたふれあいができる喜び、本当に有り難いです。


③茶室体験と抹茶のおもてなし (4/29)
スタッフによる、気軽で楽しい体験茶会を、これまでも開催していますが、今回は、待合から手水、にじり口、床の間拝見と、空間を楽しみながらの企画、海外のお客様も、腰をかがめてのにじり口体験、笑いながら、楽しい空間体験をされていました。奈良町の中西与三郎さんのお菓子も美味しかったね!


④南京玉すだれ  5/3
スタッフの西村さんの企画で、八房美都代の会のみなさんに披露していただきました。昔は結構、テレビなどで見た記憶がありましたが、今は、いろんなイベントで引っ張りだこなんですね。とにかく楽しい!四角いすだれが、動いて変化し、いろんな物に見える…日本の「見立て」文化の最たるものですよね。構造は単純ながら、楽しい節にあわせていろんな物に見えていく…日本ならではの遊び心に満ちています。中でも面白かったのが、「大和よいとこ玉すだれ」。大和の名物、大和三山、そうめん、石上神宮の鶏、などなど、奈良ならでは形の早変わり!舞台の後は、お客様の玉すだれ体験。少し指導してもらうだけで、あら不思議!この楽しさは何でしょう。出演の皆さんは、ハワイ、モンゴル、ベトナムなどで、玉すだれを披露したとのこと。本当にお元気で溌剌として、「福」を招く芸にふさわしく…楽しい時間となりました。


⑤お手玉、折り紙
ボランティアで市内のおばあちゃまが、お手製のお手玉、折り紙作品を寄付して下さいます。海外のお客様にとても好評で、いろんな国に持ち帰っていただいています。


⑥みんなでつくるこいのぼり
スタッフが墨で描いたこいのぼりに、皆で色づけし、その上に、こいのぼりの折り紙を自分でおって、貼ってもらっています。奈良町にぎわいの家の格子にステキに泳いでいますよ。写真スポットにもなっています。皆さんが折ったこいのぼりには、メッセージが。「あんよがじょうずになりますように」など、家族を思って、また「平和でありますように」というメッセージも複数。平和な穏やかな日々ならばこその「観光」。皆さんの思いをのせて、この週末まで、町家格子のこいのぼり、泳いでいます。