ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

ならどっとFM 制作ラジオ「COOL CHOICE」(クール・チョイス)

2017-09-29 | お知らせ
ならどっとFMさんとは小町座制作オリジナルドラマや4年前から放送中の、「たまゆら劇場」でお世話になっていますが、今年下半期は、また新たな番組で関わります。
10月から来年2月まで企画制作のラジオ・ドラマ「COOL CHOICE」(クール・チョイス)は、二酸化酸素削減するための国民運動の総称ですが、その一貫として制作される番組で、月二本、脚本を書いています。10/2から放送が始まるとのこと。以下は、ならどっとFMのホームページより。


10月からラジオドラマ「COOL CHOICE」の放送がスタートします!

ならどっとFMでは、地球温暖化対策のための国民運動
COOL CHOICE(=賢い選択)をテーマにラジオドラマを作成しています。
ラジオドラマでは、江古田家の家族を中心にした身近なエコな取組みの紹介(脚本:小野小町)や、実際にその道のプロの方にエコなポイントをお聞きしています。

放送は
毎週 月曜日 9:15~ 9:25  火曜日16:30~16:40 
   木曜日11:15~11:25  土曜日20:00~20:10
再放送含め 4回 です

より多くの方々とともに、環境について考え、行動したいと思います。
ぜひお聴きください!


☆10月放送スケジュール☆
10月2日 「地球温暖化って」
   出演… 父 奥本雅史    姉 上武加奈    祖父 NAGANO.NOMU
       母 栗生優美    弟 加藤真奈    祖母 山下元代

10月9日 「その道のプロに聞く!住宅建替編」
   出演… 父 奥本雅史    姉 虎田紗希    祖父 伊藤允孝
       母 栗生優美    弟 假屋祐貴    祖母 谷口ゆきの
       一級建築士 笹川晋也((株)エーティーエム建築)

10月16日 「遠い島から」
   出演… 父 假屋祐貴    姉 糸永真衣香   祖父 伊藤允孝
       母 永地志乃    弟 さけもとあきら 祖母 谷口ゆきの

10月23日 「その道のプロに聞く!屋根屋さん編」
   出演… 父 奥本雅史    姉 谷口ゆきの   祖父 NAGANO.NOMU
       母 中川直子    弟 栗生優美    祖母 山下元代
       屋根のお医者さん 森亮介((有)森建築板金工業)

      ≪今中家≫
       母 今中祥子    息子 今中智士


以上のように、10/2と16に書いてあるのが私の脚本ドラマです。10/9,23は実際の温暖化削減の取り組みのヒントになる事業所さんへのインタビューという構成になっています。毎週、再放送込で4回も聞けるようですね。その、一般の皆さん参加による奈良発の温暖化防止ドラマ。
温暖化に関しては、基本的なことは理解していたつもりですが、脚本を書くにあたり、新たに知ることも多いです。
なお、インターネットサイマル放送で、奈良以外の方もお聞きいただけます。
現在、5本、書きました。後、8本!出演者の皆さんの声を聞いて、イメージも膨らむことでしょう。

小町座放課後子ども教室 9月

2017-09-24 | 小町座
二学期初めての放課後教室。「疎開」をテーマに小さな一人芝居をしました。「奈良に疎開に来て」。このミニ芝居は、今から4年前、同じ小学校で、開催した「疎開を知っていますか?」という小町座の企画でしたものを、短く書き直したものです。この企画は、短歌ヤママユの歌人、水野智子さんが実際に疎開された時のお話も聞き、先の芝居も見るという企画でした。水野さんは、名古屋から疎開されたお話をして下さいました。親戚のお家に疎開されたのですが、体の弱かった水野さんに、疎開先のおはさんが精を付けてやりたいと、海で貝をとってきて、玉葱で煮て食べさせてくれた、というお話は、特に心に残っています。また、疎開先まで送ってくれたお父様とのお別れの時の心細さと寂しさ…水野さんの口調というのは、初めて会った方もファンになる、優しく品があり、何とも言えないものですが、親子のつながりを本当に思いました。聞いてくれた小学生たちは、自分たちのお兄さんたちのよう少年が、戦争に行っていたという話に、目を丸くして聞いてくれていました。
話は飛びますが、「疎開」というと私の母の思い出につながります。私が小学生のころ、いかにも都会的な婦人が訪ねてきたことがあります。その婦人は、母の旧姓で母のことを訪ねてきました。始めはよくわからなかったのですが、旧姓で呼んだ理由がすぐわかりました。その婦人は京都市の方で、ここに小学生の時、疎開に来た方だったのです。小学生の母ですからもちろん、旧姓、その時の同学年の友達だったのです。母が出迎えた時、その方は大きな声で母の名前を呼びました。母も嬉しいやら、びっくりするやらで、すぐに「○○ちゃんも、□□ちゃんも近くに住んでいるから、呼んでくる。」といって、みんな揃い、まるでプチ同窓会のようになりました。その時、「疎開」ということが私にとって、本当に身近になったのです。
話を戻して。
さて、先のその水野さんのお話と、疎開の芝居の企画。この疎開の芝居の元になったのは、大阪から子どもたちを疎開に引率してきた、先生の本を参考に書きました。梅澤静子「学童集団疎開同行記」です。この本は歴史に詳しい友人が紹介してくれた本です。奈良はひどい空襲はありませんでした。近い大阪から奈良に疎開に来た様子が描かれています。その本には、終戦となる昭和20年の正月の写真が掲載されています。誰もが良く知る、興福寺に向かう石段のところでの生徒たちの記念写真です。みんな、口をしっかり結んで映っていますが、本の内容は、「学童疎開」の苦労、食べ物のこと、シラミなどで眠れないこと、大阪の空襲で自分たちの学校が燃えたこと…など書いてありました。それを参考に、大阪からの疎開児童の一人が語るというスタイルの一人芝居に書き下ろし、小町座の西村智恵が演じました。(大阪弁に苦労していました)
さて、この一人芝居を放課後教室用に更に短く書き直して、今回演じました。小学校でするのは二回目。当時のことを知ってもらうために、スライドで疎開の様子を見てもらいました。子どもたちは時に茶化したりしてましたが、「低学年の子は小さいから親と一緒だけど、お兄さん、お姉さんとは離れて暮らしていたんだよ」というと、シーンとなりました。
さて、西村さんの一人芝居、これまで見た中で一番、良かったです。放課後教室は、教室のフラットな中で演じるので、境界がないから、どんどん子どもが演じる西村さんに近づいて取り囲みます。ところが、空襲の話になり、効果音も入りちょっとこわい感じになり、西村さんが子どもたちに近づくと、わぁという感じで引いて行ったり…。また、セリフを言う度に「今、平成やで」「わかった、鹿せんべい食べたんや!」など、必ず声が入るという様子、それだけ、セリフについてきてくれて、リアルに反応してくれてるんですが、演じる西村さんは、相手をしたら話がズレるし、それは大変だったと思います。
印象に残ったのは、子どもたちは、ニュースもよく聞いてるのか、日本を横切るロケットの話題を多く口にしました。けれど芝居に出てくる空襲で飛んできたのはアメリカの飛行機…。どの国が飛ばしても武器は武器…。戦争は始まってしまったら、大義がないことは、疎開の記録からも読み取れます。
最後に、戦時中と今の違いを子どもたちに聞きました。昔は「食べ物がない」「着る物が違う」「離れて暮らしている」など。芝居の衣装も当時のように作ったものですから、見た目とセリフで、疎開の子どものことを知ってくれたようです。
また、お互いのことをよく知ること、知っていろんな国の文化に親しむこと、お互いが好きになることが「平和」ってことかなとまとめました。
平和なおかげで私たちは家族一緒に暮らせる…。子どもたちが「ロケット」の話を何度も口にするのを聞きながら、本当に二度と、疎開するような状態にならないように、と思いながらの時間でした。

9/9 奈良市西部公民館 「大人の学舎」現代短歌

2017-09-10 | 短歌
近鉄学園前駅すぐの西部公民館。短歌講座の講師として伺いました。市内でも利用数がとても多い西部公民館。「大人の学舎」という講座はシリーズで、ユニークなのが、「班」を作られ、その班が活動の単位となるところ。今回の短歌講座も、班で短歌を発表するなど、講座が進めやすくよいなと思いました。
プロデュースする奈良町にぎわいの家では、「はじめての短歌」ということで、歌人でヤママユ編集委員の喜夛隆子先生に教えていただいています。そのサポートをしながら、全く初めての方でも、ゲーム感覚で楽しんで自分の言葉を作っていかれる…。31文字という形がある、これこそが一番の武器で、そのリズムにはめようと、言葉を考えるのですね。
今回の参加者は80人、ということで、まずは、声を出しました。これはいつものことなので、私自身もリラックス。外郎売の一部も読みました。後で、大きな声で名歌を読むための発声…になるはずが、皆さんが作った歌の紹介で時間いっぱいとなり、声を出して調べを楽しむところまではいかずでした。
まず、短歌ゲームとして、既知の歌の一つ言葉を抜いて、皆さんに自由に入れてもらいました。
師の前登志夫の歌も。

□□□とはやさしきことば立枯の木にふりつもる雪のしづけさ

すると、皆さん、いろいろ考えて下さるんですね。地名が二つ上がり、なるほどと思いました。「室生」「大和」というものです。「むろう」…確かに優しいですね。前先生の元歌は…。

見舞ふとはやさしきことば立枯の木にふりつもる雪のしづけさ

ところで、元歌と同じ言葉が出た歌もありました。

うっすらと脂肪をつけてゆくように貯金を増やす一年だった(田中櫂)

この歌は「脂肪」を抜いて皆さんに言葉を入れてもらったのですが、「コロン」なんていう面白い言葉も出て、下の句のイメージがそれで随分変わるので楽しかったです。「脂肪」には、太るイメージと共に、現代社会の、余分で過剰なものにまみれる感覚もあれます。こうした言葉の裏にあるものの背景を、直感的に捉えらて「脂肪」と答えられたのかも!

後半は、上の句に続けて下の句を詠んでもらいました。初めての方ぱかりで、ちょっと難しいかなと思いましたが、なんの、皆さん、どんどん黒板に書いてくださいました。実はこれは難しいよね、と思ったのですが、前先生の、

青空のふかき一日ことばみな忘れてしまひ青草を刈る(前登志夫)

下の句を消して、自由に皆さんに作ってといいながら、これは皆さん、作らないだろうと思っていました。ところが、


青空のふかき一日ことばみな空に帰りて心やすけし

と出たのでびっくり!上の句の空に呼応してそのまま詠んだと言えますが、言葉の本質をさらっと詠んでおられ、感心しました。

前先生のことも紹介させてもらいながら話しましたら、なんと、「奥様はお元気ですか?」という受講生の方が。同じ大学の同窓ということで、更にびっくり!こういう出会いは本当に嬉しく…。

さて、この講座を企画。進行してくれた公民館の若い職員さん、ありがとうございました。ここまでも既に、班で講座を経験されてきた参加者の皆さんですが、そのグルーブが楽しく、学びを進めていかれるように、明るくはきはきと、テンポよいお声かけで進めてくれました。それを見ながら、こうした職員さんの努力が、お互いの顔を知り、つながりを保ち、地域を育て覇気を与えていくのだな、と感じました。公民館、頑張ってますね!それと…これからも皆さんが、短歌、ちょっと気になるなあ、と思って下さっていますように。