ねぇ。うみちゃん。
その件についてはじっくりと
研究してからトークしたいから
そうね、
3日ほど待ってくれないかしら。
電話口、
彼女が芝居口調でそう告げるときは
私はすっかり嬉しくなる。
だって
本当に研究(動画鑑賞)してくれるから。
そうしてそれに生じた私の心理などを
彼女なりの考察をしてくれるから。
まあ、
3日というのはお互いの予定があるし
守られる事はないけれど
次回の電話まで持ち越しという意味なのだ。
彼女はそれをきちんと守る。
私はうみちゃんマニアだからね。
私ほど、うみちゃんを解る人は
いないくらいになりたいの。
彼女はキラーワードを放つ。
ほんとにもう。なんて人なんだ。
そんな嬉しくなっちゃうセリフ、
他の女の子にも言っているんでしょ?
私が即席芝居を始めると、
僕がそんな事をしたい相手は
君だけだよ。マイハニー。
彼女も応戦してくれる。
これはもう彼女の特出した性質だ。
彼女は相手を楽しませる術を知っている。
それ故に彼女の周りには、
いつも人がいた。幾重にも。
彼女にそれを告げると、悲しいことに
イケメンだけは寄ってこないのよね。
と嘆く。そんなことはないのに。
そんな彼女の考察によると
長い手足を生かした迫力ダンスが
武器の人物に心が揺さぶれた時は
私が消化不良でくすぶっている時だそうで
癒しボイスに癒されている時は
やはりそのものズバリで
癒されたいのだそうで
もっと色々をセーブしなさいなと
優しく諭される。
私が新しく誰かを挙げるたび
見つけたね。
彼女はそう言う。
(そうして冒頭のセリフを放つ)
うみちゃんはそうやって
自分に折り合いをつけるのよ。
彼らを彼女たちを視聴することで
自分の心の中のモヤモヤを消化してるのね。
ちょっと大袈裟すぎたかしら。
彼女は笑う。
そうして
注意深く言葉を選びながら続ける。
うみちゃんって、
昔はストレス溜め込んでしまって
ぶっ倒れたりしてたから、ね。
それが今では愛でる対象を見つけて、
うまい具合に
消化できるようになったみたいで
私は少し安心してるよ。
それでもね。うみちゃん。
彼女は続ける。
彼らは、危険よ。とささやく。
素敵過ぎて、自分のリアルな世界が
霞んでしまう。と嘆く。
あまりに素敵過ぎて、
私はすっかり性欲が爆発しちゃうのよ。←笑
彼女は下ネタもさらりと披露する。
どうしたらいいのかしら。
この身体と心の火照りは。
彼らはこの責任をとってはくれないのよ。
煽るだけ煽っておいて放置なのよ。
罪よね。これは。
うみちゃんはそんな事ないの?
覚えていないだけかもしれないけど
それはないね。と答えると。
まあ。もったいないわ。と続ける。
あのねぇ、
夢の中でそれが爆発してごらんなさいな
その辺の思春期小娘が見る夢と違って
自分の経験値と相まってそりゃあもう
エロいんだから。イケメンとのそれは。
彼がね。
〇〇〇〇とイケメンボイスで
囁きながら、〇〇を✖️✖️してさ。。
(自粛規制)彼女は、下ネタを恐れない。
うみちゃんも早く頭の中の規制を
取っ払えばいいのに。天国よ。
いつかそんなヘブンな夢を味わいたい
ものである。
最近流行のリモートでの会話。
彼女はビールをグイッとあおってから、
手のひらで口元をぬぐった。
なんだかその仕草に色気を感じた。