op's weblog

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ダラダラ/大相撲

2010年02月11日 10時58分55秒 | Weblog
大相撲については、はっきり「これは神事を起源とする儀式を楽しむエンターテインメントである」という“啓発”活動を相撲協会がすべきであり、そもそもスポーツの範疇に入れてきたのが間違いなのだ。

そもそも競技志向のスポーツというカテゴリ自体日本の文化的遺伝子にはないわけで、それはスポーツは西洋の歴史や西洋的なものの捉え方から生じた現象の一つだからだ。

古くからプロの興行として成立してきた大相撲は、いわゆるスポーツではなく、西洋ではサーカス等のエンターテインメントショーに極めて近いものであって、これはどちらが偉いというものではない。むしろ勝負をテーマにしたプロフェッショナル・エンターテインメントとしては、大相撲は非常に先駆的で洗練されていたのである。これを「公正なルールに基づき“実力”で評価される競技」という、- 現在ではほぼ全ての“スポーツ”においてさえ有名無実となっている - 極めて曖昧でいい加減な縛りで「国際化」しようとしたのが間違いなのだ。「スポーツ側の土俵」に上ったら負けるのは当たり前だ。

神社のような美しいステージに、途方もなくでかい男達が厳かに上り、手順にのっとって緊張を高めてゆき、一瞬にしてエネルギーを放出、また「静」へと帰り厳かに去ってゆく。それ以上でも以下でもなく、それでいいのであり、それが好きな人が観ればいいのだ。

はったりでもなんでもなく、大相撲の“再興”など極めてわかりやすく簡単な仕事だ。それでもできないのは、運営している側が大相撲が成立する背景を本心では信用していないためであり、それはつまるところ、“このビジネスを形成する市場”において実は限られた資源である個々人を尊重し守るための努力とその方策の一つとしての契約という、西洋文化を取り入れる際にもっとも“再認識”しなければならなかったポイントを、“短期的な視点に基づく政局”を優先しつづけたために、見過ごしてきた近代日本のツケがまわってきたためなのだ。



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