12月2~3日に、社内研修旅行として、直島・豊島に行って参りました。
なぜ研修先にここを選んだかというと、現在設計を進めている「美術品の展示スペースを増築する個人住宅」の施主が、
直島の家プロジェクトの「きんざ」、豊島の「豊島美術館」をとても気に入っていらっしゃっており、
今回設計するにあたってぜひとも見ておきたい建築だったからです。
1泊2日でとてもタイトなスケジュールでしたが、無事に予定していたところを全て見ることができました。
まずはその「豊島美術館」について書きます。
設計 西沢立衛
敷地面積 9,959㎡
建築面積 2,155㎡
延床面積 2,334㎡
美術館全体がひとつの作品を展示しています。
アーティスト 内藤礼
作品名 母型
瀬戸内海にある豊島(てしま)という島にある美術館です。周りは海と山と棚田しか見えないロケーションで、
その中に白い楕円形の美術館が、地を這うように現れます。
建築はRC造シェル構造になっており、そのすべての面が曲線でできたフォルムなので型枠はどのようにして組んだのか、
このコンクリートは本土から運んできて打ったのか疑問に思いました。
施工者である鹿島のHPによると、型枠は盛土にて曲面を作り出し、コンクリートはプラント船によって26時間かけて夜通しで一気に打ったそうです。
【Youtube】
新建築2011年1月号 WEB連動企画より
2,000㎡超の柱のないワンルームの大空間で、外部からみると高さを抑えて扁平した印象でしたが、
内部に入ると最大天井高が4.5mあり、高すぎず低すぎずゆったりとした空間です。
屋根に2つの大きな丸い開口がありますが、そこから空が見えて、光が差し込み、風が流れ、鳥の鳴き声、木の葉のこすれる音が聞こえて、
自然を室内に取り込んで、室内のようで屋外のような、内と外が一体化した空間でした。
アート作品は、床面から地下水が無数の小さな穴から滲みでてきて、
撥水処理された床面は勾配を絶妙に計算されているのか、ハスの葉の上のように水滴が床面を滑り出します。
水滴たちは、一番低くなったところに大きな水たまりに吸収されていきます。
大きな丸い開口にはリボンが吊るされていて、風が吹くと大きくたなびきます。
建築空間とアートが一体になり、アート作品の中に入り込んでしまったような感覚になります。
内部は撮影禁止なので写真がありませんが、下記映画の予告編で様子がうかがえます。
【Youtube】
別棟のミュージアムショップは、写真撮影可能でした。
◆豊島美術館カフェ
横浜の設計事務所
【コア建築設計工房】
http://www.arc-core.co.jp/