こんにちは。
横浜の設計事務所、株式会社コア建築設計工房の須田です。
先週のブログに引き続き、直島・豊島研修旅行ネタです。
安藤忠雄氏が設計した「ANDO MUSEUM」について書きたいと思います。
※館内は撮影禁止のため、パンフレットの写真を使用しています。
【ANDO MUSEUM 概要】
所在地 :香川県直島町736-2
敷地面積:190.55m2
建築面積:114.43m2
延べ面積:124.52m2
構造:木造、鉄筋コンクリート造
階数:地下1階、地上1階
設計者:安藤忠雄建築研究所
施工者:鹿島
竣工:2013年
◆ANDO MUSEUM 外観1
通り過ぎてしまいそうな程、周囲の景観に溶け込んでいます。
塀の模様も面白いです。
◆ANDO MUSEUM 外観2
透明な円錐状の突起が、地下室に自然光を導いています。
◆ANDO MUSEUM 内観
(ANDO MUSEUMのパンフレットより)
◆ドローイング
(ANDO MUSEUMのパンフレットより)
この構想が、実際に形となるのですから…。
建物は、築約100年の古民家を改修し、古民家が並ぶ本村地区の景観に溶け込むよう配慮され、
木造の外観を残しつつ、内部はコンクリートの構造物が入れ子状に組み込まれていました。
トップライトや壁面の窓から取り入れる自然光をコンクリートの壁面に反射させることで、
光と闇を作り、狭い空間に奥行きを与えています。
館内には、今までの作品のドローイング、スケッチ、模型や、直島の歴史の写真などが展示されていますが、
美術館自体が安藤忠雄氏の作品として楽しむことができます。
偶然にも鑑賞者は自分一人だったため、光と闇が生んだ静寂の中で、じっくりと作品に向き合うことができました。
「ANDO MUSEUM」は、直島の家プロジェクトのコンセプト同様、『あるものを壊す』ではなく、
『あるものを生かして、ないものをつくる』というメッセージが込められた作品で、一連の家プロジェクトの集大成のような位置付けです。
古いものと新しいもの、木とコンクリート、光と闇…
様々の対立を生んだ「ANDO MUSEUM」は、とても斬新で、これからの建築というものを考えさせられました。
◆家々の軒先にかかる「のれん」
軒先の「のれん」が町並みを彩り、風でひらひらと泳ぐ姿はとても美しかったです。
直島・豊島は見どころが沢山あるので、
限られた時間の中に、色々と詰め込んでしまいました。
次回は瀬戸内国際芸術祭開催時期(3年後?)に、のんびりスケジュールで訪れてみたいです。