某ちゃんノート

わざわざ電話するほどじゃないしなぁ・・・
メールすることもないよなぁ・・・
でもちょっと思った、ふと思ったこと

告白

2013-04-11 | 読書メモ
「告白」
湊 かなえ

「往復書簡」を読んで
ドラマ「高校入試」を見て
「夜行観覧車」も見て
勇気が出たっつうか
やっと読みました
「告白」



子供の残酷さとか
人間の悪意とか
えぐい狡さ
救いがたい魂
若者の絶望
どんなにリアルでも
そういうのには触れたくないな~

思ってしまうのだ

湊かなえの描く人々は
どこか魅力があるように思えてしまう
残忍な殺人鬼が存在するわけじゃない
一人一人の話を聞いていると
それぞれに言い分があって
味方になってしまうというか
信じてしまうというか
思い入れしてしまう
不思議なんだ
立場が違うと別のものに見える・・・
というものではなくて
一人一人が
どこか
自分に都合よく話をする
嘘とは言わなくても
言い訳がましかったり
屁理屈だったり
自分を美化したり
ちょっと自分だけは違うんだと
ポーズをとる
逃げる
そして
安心する
そんなことは日常茶飯なんだと思う
それが怖いのではなくて
そのちょっとしたアレンジで
誰も本当が分からなくなっている
正しいつもりが
いつの間にか
異様な興味に変わり
冷たい興奮に変わり
自分の間違いに気が付かない
そして
誰も本当を言っていない
それに気が付くと
す~っと寒くなる
凄いな
って
思う。。。



愛娘にさようならを

2013-04-08 | 読書メモ
「愛娘にさようならを」
  秦 建日子



雪平夏見は不器用なのだろうか
「推理小説」を読んだときは
そうう思っていた

「不器用」という言葉では語れない
優秀な成績をあげ
しかも
その仕事が天命で
一生懸命生きている
そんな社会人は他にもいる
ただ
彼女が女性であっただけ

娘がいただけ
離婚して
シングルマザーだっただけ
そして
彼女が刑事だっただけなのだ
仕事がある
社会貢献できる
離婚して、シングルマザーであっても
愛する娘がいる
ひとつひとつは幸せなことだが
そのひとつひとつが噛み合わない
器用な人間でも
仕事と社会と家庭と家族
そのすべてを完璧に手に入れることは難しい
男なら
家庭や家族を奥さんに守ってもらって
仕事に集中する
そんなことが可能だが
女がそれをするのは厳しい
友人にも
仕事をしている女性はいる
その中には
シングルマザーで、子供を持つ女性もいる
仕事は社会が相手なので
信頼を失わないよう
仕事をしているときには仕事に集中
それはとても当たり前のことなのに
母と子の関係では
何ものにも代えられない最優先事項は家族
それも当たり前のことなのだ
そうでなければ
家庭が壊れる
そういったアンバランスな立場にいる
名前が暗示しているのかな
雪の平原に夏を見る

雪平夏見
だからね
そこにはないものを見ている
それでも必死に
どうしていいのか迷いながら
格好良くなんてできない
しなやかになんて生きられない
それでも
一生懸命生きている
それが
雪平夏見の魅力なのかな・・・

思った
さらっと一気に読めるのだが
この本には
もう一人
他の人の愛娘が登場する
その人と愛娘との生き様と
雪平と愛娘の生き様とが
ダブるように
パラレルのように
螺旋のように
話が展開して
思っているより深い印象を残す
ダブるように
パラレルのように
螺旋のように
いろいろな思いを残した


恐竜の足跡を追いかけて

2013-04-06 | 読書メモ
「さようなら、私」
  小川 糸



小川 糸といえば
「食堂かたつむり」しか読んでいなかった

のんびりな雰囲気で
ゆったりと流れる時間で
静かで
独特だから
現実逃避かって思うと
逆に
現実を突き抜けて
真理に行き当たっている
という感じのする世界感
インドにハマる女性がいるが
何となく
それに似ているような気もするさ
あまり馴染みのない感じなので
あまり食指がのびなかった


会社が嫌い。母が嫌い。生まれ故郷が嫌い。
でも、こんな自分が一番嫌い。

というキャッチに魅かれた
20歳~25歳の頃って
みんなそんな感じでトゲトゲしているような気がする
自分が思い描いていた未来と現実のギャップを見て
妙にがっかりして
行き詰って
何をするにも何か足りないことばかりで
前にも後ろにも動けない
そんな気分になる
もう限界だな~

何もはじめていないのに
そんな思い違いをしてみたり
どんどん狭い世界で小さな考えに捕らわれていく
過ぎてみれば
それがスタートラインなんだと分かるんだけどね

最初の「恐竜の足跡を追いかけて」はモンゴルに行くんだ
遊牧民
想像がつかない。。。

思っていたら
録りためていたテレビ番組の中に
モンゴルの生活が出て来た
「世界の果てまで行ってQ!」で
鬼奴さんがゴビ砂漠に行って遊牧民のお宅(ゲル)に泊めてもらうって企画
ちょろちょろっと生えた草
だだっ広い平原
羊の蒸し焼き
紅茶
ゲル
満点の星空
などなど
本で出て来た世界とたぶん同じだろう
なるほど。。。
三浦しをんの「神去なあなあ日常」もそうだろう
人間の技術で作り上げた世界と
元々そこにある自然界
どちらが本物とか
どちらが良いとかじゃなくて
ちょっと立ち止まって
遠くを見るように
長い目で
自分を見てみる
そんな感じかな
分かる気がする

好みだが・・・

神去なあなあ日常

2013-03-20 | 読書メモ
「神去なあなあ日常」
 かむさり

    三浦しをん

山の時間は百年単位で流れる・・・



その言葉に魅かれて
購入
人の時間は短い
特に東京の時間は速い
遅れる~
早く行かなければ~
誰かより先に行かないと~
間に合わない~
足りない~

いつも急かされるような気分で生活しているからな
雪の重みで倒れたりする若木は
歪に成長してしまい
売り物にならないから
雪起こしをしてやる
けれど
夜中にやきもきしたところで
どうにもならない
折れてしまう木もあるし
だめになる木もある
それも受け入れなければならない
全てが思う通りにはならない
自分が死んだ後
100年後
200年後
見ることはない未来を
力まずに見る
そんな感覚
自分の今の日常には
ないな~
って
思う
神隠しや神おろしっていうのも
そういうもんだ
そこにあるもんだ
っていう感じで

山の生き物は、山のもの
山での出来事は、神様の領域
お邪魔しているだけの人間は、余計なことには首をつっこまない

というわけだ
成功も失敗も
生も死も
山の中では
そういうもんだ
そこにあるもんだ
ただ
受け入れることだ
そうやって見ると
受け入れること
なあなあと
ゆっくりと
それはとても強く
心構えというか覚悟のある生き方かな

思った
面白いねぇ
そういうのも。。。



雲をつかむ話

2013-02-09 | 読書メモ


「雲をつかむ話」
  多和田葉子

新聞だったかな?
紹介されていた
気になって
図書館で借りてきたさ
日本語とドイツ語の翻訳
言葉の違和感
というのが
紹介文にあったんだな
そこに妙に魅かれてね

一生のうち何度くらい犯人と出遭うのだろう

で始まるんだ
とても女性的というか
話は
感情の流れ
思考の流れ
にのって進んで行く
時間は速かったり、遅かったりするし
その場にあるものとは関係ないところに
気持ちが飛んで行ったりする
整理されているかと思ったら
ふわっと舞い上がって
ちりじりになったり
残ったり
消えたり・・・
それがとても不思議な感覚にさせられる
かな?
毎日情報の断片が通り過ぎ
目に留まるものがあっても
完結することがないまま
そこらに落ちているもので
情報の割には
よく分からない
はっきりしない
結局はどうだか分からない
そんなもので
そんな感じが再現されているようで
自分がその中に迷い込んだ断片のようなんだ
クセになるっていうか
魅力的だな
しかも
関係ないような断片が
繋がる
あっ!
ってね

「雲をつかむような話」というのはあるけれど
これは
「雲をつかむ話」

紹介文に書いてあったような・・・
何だっけな?
自分には表現できない
上手いこと言ってたな
あの紹介文

思い出そうとしておる所なり。。。

犬も食わない

2013-01-21 | 読書メモ


犬も食わない
~上沼さんちの夫婦げんか事件簿~
  上沼恵美子
  上沼真平

知人から
いただいて参りました

よくある夫婦げんかだ

両者の話を聞くと

同じ人間だが
同じ生き物とは思えない
それくらい
感じ方や思い方が違う
なぜ気が付かない?
なぜ分からない?
いつまでたっても理解していない?
って話だ
いつまでたっても終わらない
いつになっても繰り返す
そういうものなのさ
お互いにね
女同士なら
そうそう~!
男同士なら
ああ~ある~!
なのに
男と女だとそうはいかない
不思議なのだ
特別な喧嘩をしているわけじゃない
問題や理由があるわけじゃない
でも
喧嘩になるのさ
ただ
ここんちは
お互いにユーモアがあって
どこかゆるさがあって
腹は立っても
ちょっと呆れて
ちょっと笑って
それで
何だか収まる
落ち着くところに落ち着く
上手くやり過ごすために
くだらない話
終わらない攻防

飽きずに続けているのか~

思った
深い。。。




痺れる

2012-11-23 | 読書メモ


「痺れる」
  沼田まほかる

そんなことはないだろう・・・
というような
ストーリー展開が
夢でも見ているかのようで
それでいて
そこにある
感覚というか
感情というか
流れている雰囲気が
妙にリアル
だから
そういうこともあるかな~
ちょっと偏っている視界が
また
そうかも知れない~
なんて
思えてきたりしそうな雰囲気なんだ
だから
す~っと
隙間から風が吹き込むように
怖い。。。
そして
どうなっちゃうんだろう~

先へ、先へ
好奇心で進んでしまう
それがまた
す~っと怖い。。。

2012-11-21 | 読書メモ


「絆」
 小杉健治

法廷ミステリーだからか
語り手の記者に関わりがあるからか
同じ解説が繰り返されて
気持ちが何度もリピートされる
ちと、まどろっこしい

思ってしまう

そういう徒労感も含めて
「絆」
というのは
こういうものかな・・・

感じる
愛情
いたわる気持ち
自分を慰めてもくれる存在
大切に思う気持ち
その気持ちに縛られ
重くもあるけれど
大事だからこそ
離せない
捨てられない
それは肉親だけではなく
ほんの一時期同じ場所で過ごした者や
ほんの少し時間を分かち合っただけの者
そういった出会いに絆を持つ者もいる
血の濃さや
過ごした時間の長さ
背負ったものの大きさ
そんなものとは関係なく
絆というのは
ふとできる
縁というか
でも
縁とはまた少し違うような・・・
そんなことを思った。。。

リヒテンシュタイン物語

2012-11-04 | 読書メモ
「リヒテンシュタイン物語」
  池田理代子



Amazonで見つけて
期待膨らませて購入いたしました
「ベルばら」とまではいかなくても
何だか劇的なのかな~
ってさ

そういう意味じゃ
ちょっと違ったな~
この度の国立新美術館で開催の「リヒテンシュタイン」で
7分間上映のリヒテンシュタイン侯爵家紹介と美術品の歴史
のような内容だ
美術品の写真もあるので
かなりゴージャスです

美術品を守るということは
文化を守るということで
その使命と精神を家訓として守る家って凄いな

思う
世の中には
眉をひそめたくなるような芸術至上主義というのがあって
芸術に殺される人もいる

思うが
健全な精神で芸術を守る
そのようなことを続けるというのは
奥深い。。。

尾根のかなたに

2012-10-29 | 読書メモ
「尾根のかなたに~父と息子の日航機墜落事故~」
  門田隆将



伊丹空港は
関西人が多く利用する空港だから
直接知り合いはいなくても
関西出身の者には
友だちの友人とか
友だちの知人の親とか
知人の会社の人とか
何やかやと事故にかかわった人との繋がりがあったりして
事故の報道も覚えている

知りもしなかった
分からなかった
考えもしなかった
そんな自分がアホに思える

生存者救出に当たった自衛隊員は
その子を養子にしようと考えながら救出した
「この子は人を怨まずに人生を送れるのか」
と考えたという
身寄りがないとか
生活費のこととかじゃなくて・・・
しかし
退院のときに
感謝の言葉を病院の人たちに書いた
と聞いて
ほっとした
それで自分との縁は切れた

任務終了って思ったってことでしょうね
本の冒頭のところだが
実はそこが一番感じ入ったんだ
人間は厳かな心を持っているんだ
って
涙が出てきた
現場や遺体の表現は控えめだとは思うけれど
それでも悲惨で
耐え難いものだ

そこへ行って実際に見る9歳の男の子
中学生や高校生で家族を支えなければならなかった男の子たち
遺体の検視を手伝いながら父の身体を探した歯科医の兄弟
彼らは
突然の喪失感と戦い
不条理と戦い
自分と戦い
絶望と戦い
やっと
地獄から抜け出て
現実を取戻し
時間をかけて
安らぎと幸せを得る


哀しみの「時」というのは、いつまでその針を刻み続けるのだろうか

本当にそうだな
それでも
彼らは今もまだ戦い続けている
新しい使命を持っている
それは
四半世紀前の事故から現在につながり
未来へと繋がっていく
それを支えたのは
通りすがりの
厳かな心の存在
魂の存在
なのだな~
そうじゃないかな~

思った