『おやすみラフマニノフ』
中山七里
『さよならドビュッシー』も面白く読んだが
ミステリーだということ忘れそうなくらい
音楽や台詞に魅せられる
ま
ラフマニノフって
絵になるんだな
ラフマニノフ自身と楽曲は
言葉で語っても感動できる旋律なんだと
いつも思う
ラフマニノフは比較的近代の人なので
自分の楽曲を自分で演奏したものが残っていたりするんだよね
その演奏は現在よく聞く演奏と違ったりする
作曲者の演奏なのに
聴いたときに
う~ん、ちょっと違うな~
なんて思ったものだが
そういうところにも少し触れているし
深いんですなぁ
そして
音楽だけじゃなく
芸術と言われるもの
文化というものに携わろうとする人たち
スポーツ選手
何者かになりたい夢を持つ者たちは
なんらかずしんとくる言葉に当たる
「良薬に似て真実は苦いんさ」
「そんな苦い薬、誰も服みませんよ」
「服まんと病気は悪化するだけ・・・
自分の不遇を嘆いとるのは、
たいてい良薬の代わりに夢を食っとる奴らさ・・・
みんな自分を特別だと思っとる・・・」
とか
「珍しい食材や耳新しい考え方は
しばらくは楽しんで貰える
だけど長い間を経て洗練されたものじゃないから
それなりのエグさや未熟さがあって長くは支持されない・・・」
とか
「何か天賦の才能を必要とする職業を思い浮かべた時
一般の人にはバイアスがかかる・・・」
とか
自分の可能性を測ってみたり
人と比べてみたり
不安と付き合わなければならなかったり
学生のとき
そいういう葛藤があったな~ってね
夢を持て
って
中学校の先生なんかが簡単に言うんだよね
夢の意味分かっているんかい?
って思うよ
夢を見つけるのが難しいことや
夢を持ち続けることの苦しさも
夢の取り扱い方も
何も話してくれないくせにね
よくそう思う
夢って危険物だ
夢を持つのに資格は要らないけれど
夢を追うには覚悟がいる
潔くなければならない
間違えると
夢に食われる
そして夢至上主義になってしまうと
道を誤る
そんな人をたくさんいるね
そういうのも分かっていての言葉がある
そして
作品中に
台風で避難勧告が出て
地域の中学校に避難する場面が出て来るんだ
すごいタイミング!
以前に災害を経験しての
迷いや苦渋の心情が溢れるところがある
タイミングがタイミングだけに迫ってきました