万葉集の略年表を見ると、西暦592年の推古天皇から始まっている。摂政は聖徳太子で、日本の基礎となる文化を創り上げていこうとしていた時代。
万葉集は、代表的な歌人はもちろん、名も無き歌人達の歌を集めたアンソロジー。全20巻で約4500首もの歌収まっている。
アンソロジーって、素材的には共通しているのだろうけど、個々の微妙さが現れてくるところなのかなと思う。
そんな万葉集の舞台は、奈良県明日香村から始まっているようです。この時代は、天皇達の歌が多いようなのですが、歌の中にその土地の山や川の名前が入っています。
それらは、現代でも同じ名前で存在しています。以前、私は明日香村に行った時に、万葉集の中に書かれている飛鳥川を見ました。感想としましては「え。。。これ?」と言う感じの川というか小川というか、とくに。。。そう、感動もすることもないそんな川でした。その時は「・・・」な感じでスルーしそうな感じだったのですが、この万葉集を読んであの飛鳥川を想い浮かべてみると、やはりそこに土地に対しての愛情を感じました。飛鳥川は、本当に小さい川で、子供だけでも遊んでいても大丈夫そうな川でした。きっと明日香人達は子供のころから飛鳥川で遊んでいて、そこで楽しい思い出はもちろん、学びもたくさんあったはず。小さくてなんてない川なのだけど、他の土地の人にはわからない良さがわかっていた。そんな育ててもらった土地に対して感謝と愛情を込めて歌にしたのだろうなと想いました。
私が土地名が入っている歌でいいなと思うのは、持統天皇の「春すぎて 夏来るらし 白たへの 衣干したり 天の香具山」です。この歌はですね「よしっ、がんばれる!いけるっ」と感じるんです。いつも見ている景色なのですが、今日は何かが違うのです。そんな感じの歌と感じる。持統天皇だってやる気無い時があったはず。でも、洗濯物越しに見る香具山がなぜかいい感じで「よっしゃっ!いける」と思った。それを歌にしたんです。香具山から何かパワーでももらったのでしょうか。こうやって、明日香人達の歌を読んでいると、再び明日香村に行きたくなります。その土地の人々に愛された土地に行きたいと思う。当時の明日香人達は、歌という形で現代に対して観光大使的な存在にもなるようです。
万葉集の代表的な歌人の中に山上憶良がいます。万葉集の解説本を何冊か読んでいくうちに自分の中で引っかかってきた人です。他の歌人達と何かが違う感じというか、情緒的で華やかな感じもある中で、これを歌にするかと感じる「貧窮問答の歌」などとあったりするのです。山上憶良は情緒を感じさせる枕詞を使わず、現実を歌にすることが多かった歌人だとか。憶良さんの事を読んでいくと悲しみというか、やはり現実というのを感じて、歌的には。。。そう、暗さもあったりなんですけど、憶良さんの事を知ったり、歌を読んでいくにつれて、山上憶良という人は、ものすごく明るい性格なのではと思ってきました。
というかですね、いろいろ知っていくにつれてシンガーソングライターの中島みゆきさんと重なったのです。みゆきさんの歌の中には、ものすごく暗い歌があるんですよ。初めて聞いた時びっくりしたくらいです。でも、ラジオ番組でしゃべられるみゆきさんは、ものすごく明るいのです。ものすごくおもしろい。そんなみゆきさんと憶良さんが重なったのです。そんな思っている矢先、ある番組でさだまさしさんが、「人生は明るく、歌は暗く」と言われていて、これなのかと思いました。さだまさしさんも暗い系の歌を歌われ、そしてトークは快調な感じの方。そして、さらに想いだされたのが井上陽水さんです。陽水さんの歌の中に「からたちの花」というのがあるのですが、これが「貧窮問答の歌」に匹敵するのではないかと思う歌なんです。作詞はナガレボシさんと言う方みたいなのですが、陽水さんの歌唱力でものすごくしみる歌なのです。そんなはずはないのに、美しいのはなぜ?な感じの歌なのです。そんな陽水さんも性格的には明るい感じの方なのだろうなという感じを受けます。こんな現代の詩人達と憶良さんには共通するなにかがあるのではないのかなと思うワケです。
万葉集は、代表的な歌人はもちろん、名も無き歌人達の歌を集めたアンソロジー。全20巻で約4500首もの歌収まっている。
アンソロジーって、素材的には共通しているのだろうけど、個々の微妙さが現れてくるところなのかなと思う。
そんな万葉集の舞台は、奈良県明日香村から始まっているようです。この時代は、天皇達の歌が多いようなのですが、歌の中にその土地の山や川の名前が入っています。
それらは、現代でも同じ名前で存在しています。以前、私は明日香村に行った時に、万葉集の中に書かれている飛鳥川を見ました。感想としましては「え。。。これ?」と言う感じの川というか小川というか、とくに。。。そう、感動もすることもないそんな川でした。その時は「・・・」な感じでスルーしそうな感じだったのですが、この万葉集を読んであの飛鳥川を想い浮かべてみると、やはりそこに土地に対しての愛情を感じました。飛鳥川は、本当に小さい川で、子供だけでも遊んでいても大丈夫そうな川でした。きっと明日香人達は子供のころから飛鳥川で遊んでいて、そこで楽しい思い出はもちろん、学びもたくさんあったはず。小さくてなんてない川なのだけど、他の土地の人にはわからない良さがわかっていた。そんな育ててもらった土地に対して感謝と愛情を込めて歌にしたのだろうなと想いました。
私が土地名が入っている歌でいいなと思うのは、持統天皇の「春すぎて 夏来るらし 白たへの 衣干したり 天の香具山」です。この歌はですね「よしっ、がんばれる!いけるっ」と感じるんです。いつも見ている景色なのですが、今日は何かが違うのです。そんな感じの歌と感じる。持統天皇だってやる気無い時があったはず。でも、洗濯物越しに見る香具山がなぜかいい感じで「よっしゃっ!いける」と思った。それを歌にしたんです。香具山から何かパワーでももらったのでしょうか。こうやって、明日香人達の歌を読んでいると、再び明日香村に行きたくなります。その土地の人々に愛された土地に行きたいと思う。当時の明日香人達は、歌という形で現代に対して観光大使的な存在にもなるようです。
万葉集の代表的な歌人の中に山上憶良がいます。万葉集の解説本を何冊か読んでいくうちに自分の中で引っかかってきた人です。他の歌人達と何かが違う感じというか、情緒的で華やかな感じもある中で、これを歌にするかと感じる「貧窮問答の歌」などとあったりするのです。山上憶良は情緒を感じさせる枕詞を使わず、現実を歌にすることが多かった歌人だとか。憶良さんの事を読んでいくと悲しみというか、やはり現実というのを感じて、歌的には。。。そう、暗さもあったりなんですけど、憶良さんの事を知ったり、歌を読んでいくにつれて、山上憶良という人は、ものすごく明るい性格なのではと思ってきました。
悲しみは憶良に聞け | |
中西 進 | |
光文社 |
というかですね、いろいろ知っていくにつれてシンガーソングライターの中島みゆきさんと重なったのです。みゆきさんの歌の中には、ものすごく暗い歌があるんですよ。初めて聞いた時びっくりしたくらいです。でも、ラジオ番組でしゃべられるみゆきさんは、ものすごく明るいのです。ものすごくおもしろい。そんなみゆきさんと憶良さんが重なったのです。そんな思っている矢先、ある番組でさだまさしさんが、「人生は明るく、歌は暗く」と言われていて、これなのかと思いました。さだまさしさんも暗い系の歌を歌われ、そしてトークは快調な感じの方。そして、さらに想いだされたのが井上陽水さんです。陽水さんの歌の中に「からたちの花」というのがあるのですが、これが「貧窮問答の歌」に匹敵するのではないかと思う歌なんです。作詞はナガレボシさんと言う方みたいなのですが、陽水さんの歌唱力でものすごくしみる歌なのです。そんなはずはないのに、美しいのはなぜ?な感じの歌なのです。そんな陽水さんも性格的には明るい感じの方なのだろうなという感じを受けます。こんな現代の詩人達と憶良さんには共通するなにかがあるのではないのかなと思うワケです。
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