映画を観て来ました。
『ザ・ホエール』
ボーイフレンドを失い、その辛さから過食と引きこもりを続け、272kgもの肥満症となったチャーリー。
死期が近いと悟ったチャーリーは、自分がかつて捨てた娘と会い、絆を取り戻そうとする。
これから観に行く予定の方はここまでで!
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テレビの衝撃映像系番組で、海外の肥満症の人の姿を何度も見て知ってたから良かったけれど、初めてだったら、あの巨体は正直目を背けたくなるほど。
あの体を毎回特殊メイクで作り上げてたってすごいな。
立ち上がることもままならず、大笑いすることも、落し物を拾うことも命がけ。
この作品の印象は、ひたすら「壮絶」
流れる音楽もホラーっぽいし、映像も薄暗い部屋の中のみなので、全体的に陰湿な感じなんだけど、この男がどんな最期を遂げるのか…
その1点に集中出来て、不思議とラストの瞬間まで引き込まれていました。
人生の中で自分はきっと一度も使わないであろう言葉「おぞましい」
彼の姿を見て放たれる言葉は、残酷だけど的を射てる。
彼の家に通う看護師のリズが悲しい。
自分の兄も、チャーリーも、どんなに尽くしても本当の意味で救えなかった。
彼女のやりきれない思いに、私も胸が痛い (߹𖥦߹)
彼女こそ助演女優賞獲っても良かったんじゃない?
ラストシーンは抽象的ではあったけれど、どんなにいがみ合っても切るに切れない父と娘の繋がりが見えた。
リズも別れた妻も娘も救急車を呼ぼうとしたし、呼んでいれば彼の命も少しは延びたかもしれないし、誰もがそれを望んでたし、きっと彼は周囲に愛される人間だったのかもしれない。
それでも、それを拒み続けた彼のラストの姿は、家族への懺悔でもあり、やっと苦しみが浄化される瞬間だったのかもしれない。
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