今日は四柱推命の「蔵干」について、ちょっと資料を提供します。
資料と言っても目新しいものじゃありませんけど。
文章で説明するより見たほうが早いので、表やグラフで示します。
「一般的蔵干表」としたのは、多くのサイトや入門書などに記載されているからです。
ただし、それらは時間の按分で示されていることが多く、上表とは微妙に異なることがあります。まあ、そうしたことを勘案しても概ね、これに近いものを使っている方が多いのではないかと思います。
次の画像はケータイ(ちょっと旧型)で取ったので画質が悪いです。
スキャナ使っても良かったんですが、夜にガタガタ音立てるのもどうかと思って^^;
2008年の冬頃(?)、「四柱推命 白帯」を製作し始める前段階で手書きしたものだと思います。まだ、各種の蔵干表と比較したり、疑問点などを整理している状態だったので、そうした過程が書き込まれています。
実際、こうして星座宮に配してみると、度数配分の不均等さが良く分かります。
特に戊の多さ、そして丁の少なさ。この対比は目を見張るものがあります。
また、陰干の中気の幅の狭さといったら。なんてったって3度ですからねぇ。
(土行の期間を削って、それらに足してあげたい気持ちになる。譲ってあげて)
以下にデータ化、およびグラフ化してみました。
これがピザやケーキだったら、不満爆発ものでしょうね
あまりに戊の取り分が多い。
他の干が32度か33度なのに対し、戊は64度。全体の18%を占有。
同じ土行の己も46度で、全体の13%。
哀れなことに、丁に到っては22度しかなく、たったの6%のみ。
不公平も度が過ぎているような感じなのですが、にもかかわらず実践的に使えるということならば、まさに摩訶不思議です。天文や自然界、そしてそれらと人間との関係とはかくも奇妙なものらしい。
一方、この不均等な蔵干表に対し、「節気蔵干」とか「太陽黄経等分法」などと呼ばれている方式では、各干は均等に36度分割され、五行ごとに72度の領域を受け持つ形になっているので、これ以上にないほど理論的にスッキリしています。(このことから、先のようにデータ化やグラフ化する必要はないでしょう)
でも、その等分法が真に正しいものかどうか、僕自身は認めるに到ってません。
ちなみに、これを9度全体的にずらす(進行させる)と12星座と起点が一緒になる干が出てきて面白いですが(たとえば春分=おひつじ座0度から乙が始まる)、そうなると土用期間も変わってしまうのが難点です。同様に7度ずらしたり5度ずらしたりと色々試してみたことがあります。
一応、中気の要不要の議論を脇に置けば、5度ずらす方法論はそこそこいい感じではあるかも。これに関しては、「四柱推命 暦と運命への科学的アプローチ」(松倉孝宗・甘木太郎、ラッセル社)P.111に同様の考察がなされています。以下に表出します。
種々の蔵干についての参考リンク:「四柱推命の源流」Vol.15など。
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まあ現時点では、これまでの経験上から中気のある一般的な蔵干表の方を採用していますが、そのままで絶対だとも考えていません。仮にアジア圏で有効だとしても、世界のどこにでも一律に使えるかまでは分からない。たぶん、まだ考察の余地はあるんじゃないでしょうか。実際、中国で使われている蔵干表も日本のそれとは異なるようですし。やはり緯度や経度で変化するものなのかもしれません。
ともかく、テキストに書かれているからと、それを絶対視するのではなく、どうしてこうなっているのだろうと疑問や探究心を持ちながら学ぶという姿勢も必要なのではないかと思います。
身近に中気の人がいて「辛」が出ますが、そのような部分はあまり前面に出ていないような印象です。でも私が日干辛ですから、自分の発揮されない要素なので引き寄せられているのかと考えてみたり。通変で見ると、初気・中気・正気どの通変でも当てはまるように見えるし。
それだけ人間の内面って複雑ってことでしょうが、もっと分かるようになりたいです。
一方、中国式では一つに限定させずに、全ての蔵干(通変)を出して使う形式なので見方が違ってきます。また、中国式と日本式とでは蔵干の内訳も異なっていますし。
今のところ、どちらがいいとか何が正しいという断定的な判断は難しいですが、既存の蔵干理論に不完全さを感じる人は少なくないかもしれませんね。
単純に鵜呑みにせず、もっと究明されるべきものだと思います。