建交労長崎県本部

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九州社医研所長 田村昭彦医師による講演「じん肺・アスベスト学習会」

2017年10月07日 12時17分55秒 | なくせじん肺キャラバ...

田村昭彦九州社医研所長を講師に「じん肺・アスベスト学習会」を開催!

じん肺キャラバン長崎実行委員会は10月4日長崎市立図書館多目的ホールで、九州社会医学研究所所長の田村昭彦医師を講師に「じん肺・アスベスト学習会」を開催、15団体から77人が参加しました。実行委員会は、地元の長崎大学がじん肺診断にCT導入の委託研究の中心になっているため、今回はCT問題を学ぶことにしました。学習会は長崎民医労書記長の司会で始められ、横山巖代表世話人(じん肺弁護団)が主催者あいさつ、大場県労連議長が支援あいさつをおこない早速講演に入りました。

じん肺・アスベストの管理区分決定にCT導入は現時点では問題あり!

田村医師は「じん肺・アスベストの管理区分決定にCT導入は現時点では問題あり」とのテーマで、1時間に渡り講演しました。厚労省の諮問機関である労働政策審議会(安全衛生分科会じん肺部会)は、3年間でじん肺健康診断にCTが有効かどうかを、長崎大学芦澤和人教授を代表者として調査委託研究をさせましたが、今回そのCT導入をするという結論は出ないままになっていますが、その狙いについて分析しました。

田村医師は「胸部X線(レントゲン)とCTの違い(メリット、デメリット)について、X線は長年の蓄積があり、放射線被ばくが少なく、コストも安いが、医師の読影技術の低下や標準写真の劣化問題がある」「CTは、肺がんなどの検出には優れているがスライスのため映像が荒く標準化がされておらず国際基準もない、コストが高い」「じん肺法でもX線写真による検査が決められている」と前置きしました。

芦澤研究の問題点として、「読影に関わった5人の医師の読影能力に問題があると思われる」「石綿等の不整形陰影は未解明になっている」「X線で粒状影が1/0(管理2)とした27例中13例(48%)が0/1(じん肺なし)という結果になっている」と指摘しました。そして「CTは、優位な点もあるがまだまだ開発の途中であり、産業衛生学会での検討や実地検証がされていない、被ばく線量、コスト、施設の偏在の解決は未解決、国際的にも標準となるCTはない、じん肺標準写真のデジタル版CTが安易に採用される恐れがある」と述べました。

会場からは、CT導入の狙いが患者救済ではなく、患者切り捨てにつながるのではないかという不安の声が寄せられました。

じん肺原告団が紹介され、三菱長船第3陣尾崎団長が決意表明!

 講演の後、長崎でじん肺裁判をたたかっている西日本石炭じん肺請求団、トンネルじん肺根絶原告団、三菱長船じん肺第3陣原告団、(間質性肺炎)じん肺遺族補償不支給取消原告団が紹介され、三菱3陣の尾崎原告団長が決意表明をおこないました。

第28回人間らしく働くための九州セミナーの成功訴え!

 長崎労健懇事務局次長は、田村医師が実行委員長であり、じん肺キャラバンと同じ年に始まった「第28回人間らしく働くための九州セミナー」と過労死シンポの成功への協力を訴えました。今回のセミナーは11月25~26日熊本で開催されます。


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