私の音楽 & オーディオ遍歴

お気に入りアーティストや出会った音楽、使用しているオーディオ機器を紹介します(本棚8)。

スピーカー変更:JBL S3800→ ONKYO Scepter 1001

2012年11月05日 | オーディオ
 ひょんなきっかけで、スピーカーを替えることになりました。
 しかも、新品ではなく20年前に発売された中古モデルへ逆行です。

 ONKYO Scepter 1001(1993年発売)は、実は10年前まで愛用していた馴染みのモデル。
 引っ越しの際に業者さんがどこかにぶつけて見事にスコーカーをつぶしてしまったため、泣く泣く手放したのでした。当時すでに販売終了していたので、それでは別のモデルをと物色し目をつけたのがJBL S3800(2004年発売)。
 私が部屋で聴く音楽はジャズ/クラシック中心です。その時は昔から憧れていたジャズをジャズらしく鳴らすJBLを選択しました。

JBL S3800
 S3800が届いてセッティングして鳴らすと・・・あれ!?
 中音域はエネルギーがあって迫力満点なのですが、肝心の低音がブーミーとなりベースがボワンボワンしてしまい聴くに堪えません。ネット情報を読んでバスレフのダクトにタオルを詰め込んでみたりしましたが、それでも低音が暴れるのを制御しきれませんでした。
 ガッカリして、しばらくオーディオ熱が冷めてしまいました。

 今考えると、やはりJBLのスピーカーはアメリカの大きな家の広い部屋で聴くのに合わせて作ってあることに気づかされます。バスレフポートが後ろにあるS3800はスピーカー後方に十分な空間を置かなければ音がこもってしまうのです。しかし、日本の6~8畳間でそのスペースを確保するのは至難の業。
 つまり、JBLのスピーカーを壁につけて鳴らしても本領発揮できません。セッティングに難があるのにスピーカー自身を責めるのは可哀想というもの。
 まあ一言で云えば、私には使いこなせなかったと云うことです。

ONKYO Scepter 1001
 さて、Scepter1001は日本製。当時の定価はペアで30万円でした。
 銘器として知られ、音像定位も音場感も優秀な希有なモデルです。
 透明感がありかつ芯のある音、低音もブーミーさと無縁で心地よく響き渡ります。クラシックのオーケストラ演奏を優雅に再生する一方で、ジャズもそこで演奏しているかのようにタイトな音で聴かせてくれるので、まさに私好み。

 今回は、業者さんによるメンテ済みの中古品がヤフオクで出品されているのが目にとまり、昔なじみへのあいさつ代わりに入札していたら、予想より価格が伸びずに落札してしまったのでした(8万円台)。
 7年振りに旧友と再会した気分です。「ああ、この音、この音」と懐かしさを覚えました。
 お気に入りのアンドルー・マンゼのバロック・ヴァイオリンのかすかな摩擦音を楽器の息づかいのように聴かせてくれます。

 20年前のモデルですが、故・長岡鉄男氏が絶賛したスピーカーだけのことはあります。彼のこんなコメントが残されています;

<セプター1001 > 最近のスピーカーは非力なユニット、軽量キャビネットというのが主流だが、これに真っ向から挑戦する、これぞピュアオーディオという明快なサウンド。全域にわたってトランジェントがよく、ハードでダイナミックな低音、目のさめるようなヌケのよい、透明度の高い中高音、情報量が多く、歪みは少なく、そう快である。音場感はスコーカーが支配しているので小口径フルレンジなみに優れている。ソース次第アンプ次第でいくらでもよくなるし、悪くもなるというスピーカーだ。なよなよしたコンパクトスピーカーに慣れている人には向かない。CPは特に高い。

★ 「長岡鉄男のダイナミック大賞 スピーカー部門 1993年で大賞受賞

 現在、これ以上の音を望むなら、100万円以上かかるのではないでしょうか。KRIPTON Vigore KX-1000FOSTEX G2000 なども狙っていたのですが、縁のあるこのScepter 1001をしばらく愛用したいと思います。

<後日談>2012.11.8
 当初 Scepter 1001 購入後も S3800 と併べて聞き比べをしようと考えていましたが、Scepter を一聴して S3800 を手放す決心ができました。2階の床も総重量200kgのグランドピアノ並みの負荷には耐えられそうになかったので。
 本日、ヤマトの「らくらく家財便」でオーディオ専門ショップの買取部門に送りました。使いこなせる人にかわいがってもらえることを祈りつつ・・・。


<Scepter1001の解説>・・・ネット上で見つけた解説文です。
 実際に音楽を演奏した際の多くの情報を可能な限り再現するために、不必要なものを加えず、必要なものを失わないという思想を貫いて開発されたスピーカーシステム。
 低域には30cmのコーン型ユニットが採用されています。 オンキョーが提唱していたMDCT(磁気低減技術)により、磁気回路で発生する磁気歪をポールピースやトッププレー トの形状の改善、銅ショートリングや銅キャップの採用により低減化しています。 そして、このMDCTの考え方をさらに押し進めたショートボイスコイルを採用しています。これは、磁気回路を大型化して、ボイスコイルが常に均一な磁束密度の中で振幅するように設計されており、ロングボイスコイルに比べて歪が少なく、一定の電磁制動がかかった状態で差動するため、分解能が向上しています。 多量の情報を漏らさず伝送するために、ボイスコイル用巻線は99.9999%超高純度無酸素銅(6N-OFC)を採用しています。
 また、振動板にはバイオテクノロジーから生まれた、バイオクロスコーンを採用しています。 この振動板は、北極圏に近い高緯度地域で産出された密度の高い木材パルプに、天然セルロースの中でも最も結晶度の高いホヤのセルロースを精製して混抄することにより、軽量、高剛性、高内部ロス、高気密性といった振動板 にとって重要な諸特性を改善しています。 エッジ材には直線性に優れたハイ・リニアリティ・エラストマー・エッジを新開発し、採用しています。
 中域には振動板とボイスコイルボビンが一体構造のアルミマグネシウム合金ダイアフラムを採用した8cmドーム型ユニットを採用しています。 この一体構造タイプは振動板とボビンの間に接着剤が介在しないため、音楽信号に対する追従性が高く、さらに、振動系の軽量化と高剛性化も実現でき、高解像度な中域の再生を実現しています。 また、磁気回路には磁気歪を低減するMDCTの技術も投入されています。 さらに、磁性体で出来ているパンチングネットが、磁気回路の一部となり、本来磁気ギャップに集中すべき磁束が前面に多く飛び出て、音楽信号が入力されるときに発生する交流磁束と干渉を起こし、歪を発生させるのを防ぐため、 小型高性能サマリウム・コバルト・マグネットをパンチングネットに取り付け、振動板前面に磁束が通過するのを防止しています。 さらに、このキャンセルマグネットを制振性のある素材で挟むことで、パンチングネットの鳴きを抑えています。
 高域には中域同様に、振動板とボイスコイルボビンが一体構造となった2.5cmドーム型ユニットが採用されています。 さらに、素材には従来のトゥイーターに比べ、約25%軽量化されたアルミマグネシウム合金を採用しています。 また、磁気回路には、銅ショートリングを使用したMDCT技術を採用し、解像度が向上しています。
 ネットワークにはユニットのクオリティを発揮させるため、厳選されたパーツをふんだんに投入しており、さらにそれぞれのユニットの帯域別に3分割配置して相互誘導を排除しています。 また、ネットワーク用パーツだけでなく、配線材に至るまで防振対策を施し、入力された信号が劣化無く各ユニットに伝送されるように配置しています。 エンクロージャーの前面バッフルには硬度が高く、響きのよい針葉樹系MDFを使用しています。この前面バッフルと側面は厚さ50mmの板厚を有し、さらにキャビネットの高剛性化と響きの調整のために、響棒を用いるとともに補強にも入念な工夫がされています。 前面のバッフルは半径55mmという大きなラウンドをもたせ、音の反射・回折を抑えています。 さらに、各ユニットの振動板の反作用の振動が、磁気回路からフレームを経て前面バッフルに伝わる事によって、他 のユニットに悪影響を及ぼすのを防ぐため、前面バッフルの裏面の各ユニット固定部の間にスリットを設けて、ユニット相互の振動干渉を解決するアイソレート・マウント方式を採用しています。
 別売りで専用スピーカースタンドがあります。 このスタンドは秀れた振動減衰特性を持つミズメザクラを積層構造にして、それに特殊樹脂を含浸させて、高音・高 圧下で高比重に圧縮・形成した積層強化材を使用しています。 これにより高い剛性と共振排除性を獲得しています。

5 コメント

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セプターの次は・・・ (管理人です。)
2017-12-29 08:08:22
コメントありがとうございます。
私のスピーカー遍歴はその後も続き、紆余曲折を経て、現在(2017年)はソナス・ファベールのクレモナ(http://www.noahcorporation.com/sonusfaber/sonus_2.html)に落ち着きました。
クラシックの減をつややかに鳴らしてくれて、なおかつジャズやロックもギリギリ聴ける絶妙なバランスのスピーカーです。
真面目に作りすぎる日本のスピーカーでは録音を裸にしてしまうので古い音源がやせて聞こえてしまいますが、クレモナは違います。
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セプター (taka)
2015-06-24 15:30:02
はじめまして m(__)m
私もセプターを使用しております。
購入して、まもなく生産中止になりました。
クラシックを聴いております。
当時、販売店から「今までで売った方の中では一番良い音で鳴らして、、」と褒められましたが、、多分お世辞(^^)。
今はデンオンアンプPOAー3000RGと、CDプレィヤーDCD-CS10Ⅲを直結です。
スタンドは50cm高さで特注しました。
このスピーカー購入で以後なし。
しかし「ソナーフアーベル:アマテイ」は欲しかったですね。
まあ、現実的には満足、、オンキョウさんは儲からなかったでしょうね(^^)

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Unknown (金久保 貴之)
2012-12-12 11:32:13
GT2000とE460+フォノオプションが休眠中とは勿体ないですね。私もネットオーディオには興味があります。ただ今は音楽を聴くのに手を掛けたい気分なんです。装置的には少し前まで映画観賞が主だった所為で、何とも中途半端な組み合わせになっています。プレイヤーだけはLINNのLP-12を奮発しました。とても満足しています。先日中古レコード店で天地真理と西田佐知子のLPを其々\300円で手に入れて聞いています。いがいと良くて悦に入っています。管理人さんも”野口五郎”がお好きなご様子・・似たような年代なんでしょうね。やっぱり気が休まります。では、また。
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こちらこそ。 (管理人)
2012-12-08 21:03:44
私はオーディオ・マニアという程ではないのでご期待に添えますかどうか・・・。
アナログ・レコードをお聴きなのですね。
私もYAMAHA GT2000を所有はしているものの、今は物置部屋に眠らせている状態です。
今はメディアをデジタル化して部屋の軽量化にいそしんでいます。
一方、いつかはアナログへ回帰すべくAccuphase E460 に Phono端子をオプションで装着しております。
自己矛盾ですね(苦笑)。
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Scepter1001私も (金久保 貴之)
2012-11-29 10:00:35
こんにちは。
Scepter 1001 の使いこなし方を求めてたどり着きました。
参考にさせて頂きたいのでチョクチョク寄らせて貰おうかと思っています。宜しくお願いします。
MONITOR500から今更ながらアナログ回帰でScepter 1001 になりました。良いレコードを手に入れるのに苦労しています。
では。
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