ビンディングシューズで大切だと感じるもうひとつはソールの硬さです。ランニングシューズなら厚底なのでしょうが、ペダルにパワーを伝えるビンディングシューズのソールは厚かったり柔らかかったりするとパワーが途中で逃げてしまうことになるのです。軽量のビンディングシューズは大抵軽量のカーボンソールが使用されているのです。つまり、ソールが相当硬いのが特徴です。
ソールの素材には、先に挙げたカーボンの他にも樹脂(ナイロン)やハイブリット(カーボンと樹脂、グラスファイバー、チタンなど)があります。それぞれの大きな違いとして、ソールの硬さが異なります。厳密にはインソール、カップ、アッパーの素材でも硬さは異なってくるのですが、一般的にはソールの硬さは『剛性指数』で判断されます。
SHIMNOの2つ穴のSPD-SLシューズのソール剛性はRC1~RC9の5段階に分かれています。RC1とRC3は剛性指数は6です。RC5は8、RC7は10、RC9は12という具合です。ソールの素材はRC1とRC3はグラスファイバーで補強されたナイロン、RC5はカーボンファイバー強化ナイロン、RC7と9はカーボンファイバー コンポジットになっています。価格は樹脂素材のソールを使った製品は安価で、カーボンソールは高額になります。
3つ穴のSPDシューズにはゴム底の剛性指数2という製品もありますが、一般的なXCシリーズはXC1(100)とXC3(300)の剛性指数は5、XC5(500)は7,XC7(700)は9、XC9(900)は11となっています。ロードレース用のSPDシューズと比べるとMTBやグラベル用のSPDシューズのソールは若干剛性指数が低目に抑えられているようです。MTB用のRXシリーズはRX6(600)が8、RX8(800)が10です。
ただ、剛性指数の表示方法はメーカーによって異なるので、注意が必要です。例えばNORTHWAVEなら12/15や14/15、フィジークは10/10といった感じです。私が使用しているMAVICのCOSMIC BOAは50/100という表記です。また、DMTのようにソールの素材を表示するだけで剛性指数を表示しないメーカーもあります。
こうなってくると剛性指数が目安になり辛いことが良く分かります。SHIMANOのようにゴム素材のソール製品があるのは特殊なので、一般的にはソールの素材がグラスファイバーなのかカーボンなのか、またどの素材がどのように組み合わされているのかで判断するしかない気がしています。ところが、最近フィジークが新たにTPUトレッド with ナイロン・シャンクというソールを開発しTEMPO BEATという製品を販売しています。剛性指数は4/10と比較的柔らかめですが、歩きやすそうなシューズに感じます。
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