今年のツールでポガチャルが既に使用していたとされるDTSWISS、SWISSSIDE、Continentalの3社が共同開発したエアロタイヤが一般向けについに販売開始しました。開発した新設計のトレッドパターンによって乱流をコントロールし、空力性能を向上させるスペシャルモデルです。
ドイツの総合タイヤブランドのコンチネンタル。グランツールの舞台でも必ず目にするタイヤメーカーです。トリプルクラウンを達成したタデイ・ポガチャル擁するUAEチーム・エミレーツをはじめ、多くのワールドチームにタイヤを供給し、輝かしい戦績を積み上げています。とはいえ、今季ロンド・ファン・フラーデレンとパリ~ルーベを制したファンデルプールはVittoria CRSA Proを使用しています。プロチームではコンチネンタルとヴィットリアの使用比率は半々というのが実情です。リドル・トレックはピレリです。
そんなコンチネンタルが、新たに世に問うのが"AERO111(エアロトリプルワン)"です。そのモデル名が示す通り、エアロダイナミクスに重きを置いたタイヤで、次世代のロードレーシングタイヤの先駆けとして開発された一本です。“111”はDTSWISS、SWISSSIDE、Continentalの3社の合作という意味も込められているようです。
ありとあらゆる無駄を削ぎ落し、コンマ1ワットを絞り出すために鎬を削るロードバイクの開発争いにおいて、空力性能の重要性は日に日に増してきています。フレームやホイールといった大きな部位はもちろん、ヘルメットやウエアなど身に着けるものまで、あらゆる製品がエアロ化されてきているのです。
その潮流においてはタイヤも例外ではなく、特にフロントタイヤは自転車全体の中でも最初に空気と触れる部分でもあり、エアロダイナミクスに大きく影響しているパーツです。そんなタイヤの空力向上という命題に対し、コンチネンタルはF1などの空力設計にも関わるスイスサイドとの共同開発を選んだのは必然でしょう。
タイヤとエアロダイナミクス、それぞれのスペシャリストがコラボレーションし生み出されたAERO111。その最大の特徴はトレッドパターンです。タイヤのショルダー部分に互い違いに配置された陸上競技の水壕のような形状のディンプルがボルテックスジェネレーターとして作用し、ホイール表面の空気の流れを制御しているのです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます