大好き!

美しい自然とともに

何か違うぞ!

2011-01-17 20:44:20 | 日記
 少し慣れてきた頃、ボランティアの人たちが来て、病院内でコンサートがあった。

私は時間が空き、退屈なので行くことにした。

こういうコンサートは演奏する人たちの自己満足でやっているのではないか、と日頃考えていた。

ホールに行ってみると、沢山の人が集まっていた。大半の人は片手片足が動かず、私と同じで車いすで来ている。

なかにはひとりでは来ることは出来ず、看護婦さんと一緒の人もいた。

いよいよ始まった、ギターを持った男女が楽しそうに歌い始める。

聞いている人たちも、不自由な手で、手拍子を打っている。

上手に声を出せないのに口ずさんでいる人もいる。

何か違うぞ と思った。

今までの自分は、元気だった、でも今は、患者の一人だ。

入院した時は、ここにいる人たちとは違うのだ、と思っていた。

というより、見下していた。

マヒは無いし、口もきける、顔の表情だって普通に出せる、ただ、歩くのが下手なだけだ、と思っていた。

そうではない、ここにいる人たちは皆、頭のなかの一部が壊れただけなのだ、同じなのだ、と気がついた。

すると、急に周りの人たちとの距離が近くなった気がした。

いつの間にか、気楽に手拍子をするようになっていた。



入院していた時のことをときどき思い出す。

今はあの頃のことは、僕の 大好き になった。


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