毎日、現場に出て壁紙を貼っていた。
ゆっくりと貼れば壁は思ったより綺麗に貼ることが出来た。
もう、何十年もやってきた仕事は3年ぐらいのブランクにも、体は忘れていなかった。ただ、体力が落ちているのは否めなかった。
この体力が曲者で、疲れてくると根気が失せてきて一つ一つの工程を丁寧にやることが大変になってくる。ただ早く終わらせることに気持ちが動いてくる。
この気持ちを振り切って丁寧に、丁寧にと言い聞かせながら仕事をしていた。
これはとっても疲れた。家に帰ると、食事をして寝ることばかりだった。
特に他の職人が一緒に行かずに、一人の時は車で行かずバスと電車で行くのでよけいに疲れた。
疲れたが、気持ちは充実した毎日だった。