自宅にいるときや仕事の時に履いている靴下の足の裏には大きくA4と名前が書いてあった。
これは入院していた時に履いていたから。
その時は小学生みたいに持ち物全てに名前が書いてあった。
そもそもが頭の病気なので自分のものと人のものが区別がつかなくなることがあるからなのだ。
僕はそんなことはなかったと思うのだが、定かではない。
シャツやパンツにも書いてあった。それは今でも着ている。
しかし、靴下は靴を脱げば見えるので普段は履くことはできなかった。
その靴下もボロボロになり遂になくなった。
なのに、シャツやパンツはまだ元気に使っている。しかも、A4とはっきりと読める。
ところで、そのA4とは、A号棟の4Fということなのだ。そこの415号室に僕はいた。
そのシャツやパンツが文字が読めなくなりなくり、ボロボロになる頃には僕の体調も元に戻るのかも。
治るために体をゆっくりと使っているので、かえって年を取らずに元気でいられるかもしれない。