古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十九章 乍恐奉願口上書付 其の五十九

2015年04月04日 05時50分01秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願口上書付」第十三頁、上の七~八行目

 

解読 乍申茂八月廿六日朝取付候よし

    田并浦数艘之漁舟於かへと申者を

 

読み 申し乍らも、八月二十六日朝取り付け候由

    田並浦数艘の漁舟、岡へと申す者を

 

解説 「乍申茂」・・・申しながらも。 「八月廿六日」・・・「廿」の字が読めません。 次の「一八」に見える字は、「取」の崩しです。「付」の次の「人」の様な字は「候」で、「取り付け候よし」・・・取りかかったとの事。 八行目はシワになっていて読みにくいですが、最初は「田并浦」・・・田並浦。田並上村の南の村。喧嘩の相手方。 次は「数艘之漁舟」・・・これもたいへん読みにくい。 「於かへと申者を」・・・陸上へ引き揚げようと言う者を。「於」は「た」に見えますが、ヒラカナの「お」の元の字です。「おかへと」・・・岡へと。陸上へと。舟を陸へ引き揚げる事。陸地の事を「岡・丘(おか)」と言いました。方言と言ってもよいかも知れません。