平取町立二風谷アイヌ文化博物館。平取町二風谷。
2022年6月9日(木)。
装う
アイヌの人々は、儀礼に参加するときなど、晴れ着の着用とともに装飾品も身につけました。代表的なのは、女性の首飾りや耳飾り、手甲・脚絆、鉢巻などです。
首飾りは、大小のガラス玉を連ねたもので、アイヌ語で「タマサイ」といいますが、特に、真鍮製の飾り金具がついているものを「シトキ」と呼んでいます。古いものは大陸からもたらされた青玉を連ねただけのものでしたが、本州の堺でつくられた「さかとんぼ」と呼ばれる色玉が入るようになると、色彩が一層豊かになりました。また、江戸時代末期から明治にかけては、江戸の松前藩下屋敷でつくられた「埋掘とんぼ」と呼ばれる色玉が用いられるようになりました。玉は大変高価で、女性が漁場などで働いた賃金すべてを使っても数個しか求めることができませんでした。
耳飾りは、細い真鍮を円形に曲げたものですが、なかには銀メッキしたものもあります。アイヌ語で「ニンカリ」といいます。江戸時代末期までは男性も着用していました。大小さまざまなものがあり、大きいものでは直径10㎝になるものもあります。
タマサイ。和名:玉飾り。
右から2つめのもののデータ。サイズ(mm)吊幅354。収集(製作)時期:1957年頃。収集(製作)地域:沙流川流域。
ニンカリ。和名:耳飾り。
材料・材質 金属製/男女