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稚内市北方記念館⑤稚内の縄文遺跡 南樺太の鈴谷式土器 福沢桃介乗用の幌付き馬車

2024年08月31日 09時00分25秒 | 北海道

稚内市北方記念館。稚内市稚内村ヤムワッカナイ。

2022年6月18日(土)。

鈴谷式の深鉢形土器。鈴谷北貝塚(鈴谷貝塚)出土。

鈴谷式土器は、続縄文時代後期前後のサハリン中部から北海道北端部を中心に分布する土器である。櫛歯文土器と縄線文土器の二つのタイプがある。

鈴谷式土器はアムール河口部の古金属器文化と北海道の続縄文文化との2つの土器系統の融合によって成立したと考えられており、これら2つの文化の交流を示す資料とされている。鈴谷式土器が出土するのは主にサハリン中部以南から北海道北端部にかけてであり、この土器は道東部へ客体的に搬入されたものとみられる。口縁部の文様や尖底などサハリン北部と共通する特徴を色濃く持ち、道東部とサハリンとの直接の交渉の可能性をも示唆する資料となっている。

旧大泊郡遠淵村二号沢チャシ跡遺跡は南樺太・亜庭湾東岸に位置する。

旧大泊郡域内各地の遺跡から宗仁式縄文土器などが出土した。宗仁式の名称は、好仁村宗仁の遺跡にちなむ。また、本斗町大字本斗字南浜通2丁目にある南浜町貝塚からは、イノシシのものと見られる歯も出土している。南浜町貝塚は、吐鯤保川右岸河口付近の段丘上、金比羅神社境内で発見された。

縄文時代には、捕らえたイノシシの幼獣を飼い育て、殺して食す祭りが全国でおこなわれていた。後に、対象動物が熊に置換され、アイヌのイオマンテに繋がるとの説もある。

続縄文人や擦文文化の担い手は、アイヌの祖先にあたる。

古代の樺太南部では、続縄文文化に属するアニワ文化(遠淵式)が古墳時代前期まで栄え、道東北部の続縄文文化と共通する剝片石器や琥珀などの出土も見られる。当時の北日本では、栄浜郡産の琥珀が流通していた。

その後、鈴谷文化が樺太で興り4世紀末まで続いた。千歳村大字貝塚字北貝塚18番地にある鈴谷北貝塚などから鈴谷式土器が出土しており、ここが土器の名称の由来となっている。

5世紀ころからはオホーツク文化が栄えた。オホーツク文化の担い手については、飛鳥時代に阿倍比羅夫と交戦し『日本書紀』や『続日本紀』に記述された粛慎 (みしわせ)とされる。また、比羅夫と粛慎の交戦地を戦闘の場所については、粛慎 (みしわせ)の本拠地の樺太に比定する説もある。

5世紀から8世紀にかけ用いられた十和田式土器の名称は、好仁村十和田の遺跡に由来し、8世紀以降、樺太南部で用いられた南貝塚式土器の名称は、千歳村大字貝塚字南貝塚にある南貝塚遺跡に由来する。その後、擦文文化進出にともない、オホーツク人は樺太南部から駆逐された

平安時代中期(11世紀)までには、交易品として本州方面で需要の増したワシ羽や海獣皮を求め擦文文化の担い手が進出した。当時、和人社会では武士が台頭し始めており、安倍氏や奥州藤原氏をはじめとする奥羽の豪族を経由し、矢羽や甲冑などの材料として樺太で産するオオワシ羽やアザラシ皮が全国各地に流通していった。以降、和人社会との流通の増大が、アイヌ文化成立の契機になったとみられる。

福沢桃介乗車。旧宮内庁下総御料牧場の幌付四輪馬車。

1902(明治35)年、稚内市増幌に市島徳次郎が市島牧場、福沢諭吉と親交深い北海道炭鉱汽船初代社長・堀基が堀農場(福沢農場の前身)を相次いで開拓していった。当時、農場・牧場のはっきりした区分けは見られず、いわゆる大農場主、大牧場主による農業開拓の始めであった。

堀基は1906年、体調を悪くし東京に移住した。堀は緒についた開拓を捨てきれず福沢桃介に8万円で売った。桃介は譲り受けた堀農場を福沢農場と変え、場長に北海道大学農学部1期生の川又忠純を専務に迎え、北大から乳牛ホルスタイン種10頭を導入し酪農を始めた。

牧場として出発して間もない1908年8月に、福沢桃介は稚内に来たと報じられている。福沢桃介は随員を伴って幌付四輪馬車で揺られながら増幌の農場に向かった。この馬車は、現在、稚内市北方記念館・開基百年記念塔に展示されている。

福沢桃介は1889年にアメリカ留学から帰朝後、福沢諭吉の2女・房と結婚、一家を創立した。同年、桃介は北海道炭鉱鉄道会社に就職し札幌に赴任した。同年秋、東京支社が開設され、売炭係支配人として東京に転任したが、結核を患い辞職。療養生活中に株式投資に手を染めた。回復後に貿易商を開業し王子製紙取締役としても務めるが長続きせず、元の北海道炭礦鉄道に復帰した。1906年に会社員生活を辞め実業界に入り、電気事業を中心に活躍した。

稚内市北方記念館④オホーツク文化 オンコロマナイ遺跡



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