自民党が非公認候補に政党助成金、共産党機関紙が報道
2024年10月23日 日本経済新聞
共産党の機関紙「しんぶん赤旗」は23日、自民党が派閥の政治資金問題で非公認とした候補の党支部に政党助成金2000万円を振り込んでいたと報じた。「党勢拡大のための活動費」として衆院選(27日投開票)の公示直後に振り込まれていたと指摘した。
青木一彦官房副長官は同日の記者会見で「自民党の政治活動に関することであり、政府としてコメントすることは差し控える」と述べるにとどめた。自民党は9日、政治資金収支報告書の不記載があった議員のうち12人を公認しないと発表していた。
裏金非公認に2000万円 公認と同額 自民本部が政党助成金
2024年10月23日(水) しんぶん赤旗
(写真)自民党の森山裕幹事長から支部会計責任者あての「支部政党交付金支給通知書」
自民党派閥の裏金事件で非公認となった候補が代表の党支部にも党本部から総選挙公示直後に政党助成金2000万円が振り込まれていたことが22日、本紙の取材でわかりました。裏金づくりという組織的犯罪に無反省な自民党の姿が浮き彫りとなっています。
政党助成金は国民の税金が原資です。本紙は、自民党の森山裕幹事長から支部会計責任者あての「支部政党交付金支給通知書」(9日付)を入手。ここには、「衆議院総選挙の公認料及び活動費として、支部政党交付金を支給します」とありました。
支給額は計2000万円。内訳は「公認料」が500万円、「活動費」が1500万円となっています。
裏金づくりで自民党非公認となりながら、党支部長のままの候補者が8人います。本紙は8人が代表の政党支部に取材。ある支部の会計責任者は「他の支部のことはわからないが、党本部から党勢拡大のための活動費ということで2000万円が振り込まれた」と認めました。
自民党本部は9日に1次公認候補を、11日に2次公認候補を発表しました。非公認支部の会計責任者によると、党本部から届いた13日付の文書には「公認料」の文言はなく、2000万円を「党勢拡大のための活動費」として振り込むという内容だったといいます。政党交付金用の口座に総選挙の公示直後に振り込まれていたといいます。
「党勢拡大の活動費ということで、選挙には直接は使っていない。事務所の職員の給与や事務所の費用など間接的には選挙に使っているといわれれば、そうかもしれないが…」と説明しました。
自民党本部は、本紙の取材を拒否しました。(矢野昌弘)