
やがて最期の日。両親にクロを見てもらい、愛さんが入浴から戻ると、動けなかったはずのクロが体を起こそうとしていた。まるで自分を探しているようだった、と愛さんは感じた。
「『ここにいるよ。愛してる』と声をかけて、前足を握ったんです。すると、クロはその後、息を大きく吸い、顔を下のほうに向けて眠りにつきました」
出会ってから4年。初めて体を触れさせてくれた日が、永遠の別れの日になったのだ。
「人生でいちばん温かな“握手”だった」と愛さんは振り返る。
_________________________________________
オスの黒い野良猫が熱した油を掛けられる等の、酷い虐待を受けて死にかかっていたのを発見した若い女性画家が引き取った話。
怯えて本気で引っ掻くから、画家さんの手は傷だらけ。
散々面倒を診ているのに、まるで懐かず、それでもクロちゃんが好きでした。
と言うあたり、うちのベラに似ている所があって、気持ちがよく分かります。
うちのベラは、そんなに酷い虐待は受けてないのだけど、それでも人が怖い。
あんまり思いっきり引っ掻かれた時には、悲しくなった、と言ってますが、その気持ちも良く分かります。
そんな猫でも、可愛いと思えるところは、私と一緒だわ。性格が似ているのかな?
と思いました。
ほんと、世の中には、動物虐待をして喜ぶヘンタイがかなり存在しているから、
野良の母猫は、子猫には、絶対に人に懐いてはいけないって躾けてますよ。
お腹が空いたら寄ってくるけど、ご飯を食べる時も、絶対に近寄らせないし。
本物の野良は、決して人には懐きません。
ウニヴェルソみたいに、初めから私に懐いていたなんて、奇跡みたいなものなんですね。
虐待に有って、人が怖くてしょうがなくても、献身的に世話を続けていると、いつかは心を許すものです。
触らせなくても、寄っては来ますからね。
人でも猫でも、酷い目に遭えば、心に傷を負うのです。
虐める側に回らない様に、心してもらいたいと思いますね。
