管理人の吉野さん。
何故か、どらっとは吉野さんは『教師』をリベンジ!するんだとばかり思ってたんですよ?
リベンジ、という言葉はちょっと違うかもしれないけど、今の吉野さんならどんな『教師』を演じられるのかな?と、とても楽しみにしていたのね。
なので配役発表になってちょっと戸惑いました〜何故か…。
土曜日に神谷さんが、
明日、よっちんが…
と。
同じ役やるんですよ!
見てないけどきっと怪演になると…
みたいな事を嬉しそうに紹介して下さってました。
どらっとは、一般的には怪演(?)に写るかもしれないけれど、むしろ吉野さんサポーターから見ればスタンダードなのではないのか!?
と思っていて、他の吉野さんサポーターさんがどう思うか分からないけど、どらっとの感想は決して『怪演』ではなくむしろ吉野さんの中のスタンダードで来たかー!!
…とゆう感じでした。
管理人は怪しい雰囲気というより、泣き虫が、
この人、怖い…
と言ったように、何者か分からない恐怖?とはまだちょっと違う、恐れを感じさせる人。
それでいて
「このおじさんも、怖い…」
という泣き虫に
「…ふふっ…」
と、いう微笑みを返せる人。
多分、管理人的には泣き虫を安心させる為に微笑んだのかもしれないが、泣き虫含め観客には、
げげっ!…とか、
ぎぎょっ!…とか、
そんな感覚を受けたかも。
…と思う。
管理人は何かの使命を受けていて、
住人たちを細かに観察し、何かを推し、それが確信に変わった時に、まるで気持ちを整理するかのように、手首をクルクルと回す仕草をする。
エリートがエレベーターに乗って外へ出た後、エレベーターのボタンを押して、エレベーターが上がって来るまでの間、
早く早く、とでも言うように手をぐるぐる回した仕草をした。
そして、最後に教師共々、人格たちを消してしまおう…
いや、消そうとした時に、
そうか、そうだったのか!…
と、足をバシバシ叩いきながら、手首、というか腕をぐるぐる回していた。
そんな仕草が印象的だった。
エレベーターに乗り込むと管理人は中のボタンを押す。
でもここのビリーズマンションの住人たちはエレベーターに乗り込む時はボタンを押すけど、乗ったら中のボタンは押さないんだよ?
これに気づいた時ははびっくり、というかむしろゾッとしたな。
彼らは自分の意思でエレベーターに乗れるけど、行き先を決める事が出来ないという事か!?
エレベーターに乗る事すら彼らの意志ではないの!?
教師も、外へ出ないようにしていたのに、何故か自分の番だ、と外へ出てしまったって言ってたよね?
つまりあのマンションで意志を持ってエレベーターを動かせるのは管理人だけだ!
えっー!?彼は何者だー!?
という感覚になったの。
凄くないか?これ?
と、そのように初演の時には感じ得なかった感覚を覚えました。
管理人は最初の方は、ビリーを治療する使命感を持って住人たちを消滅させるつもりで彼らに接し観察しているんだけど、思いもよらず乱暴者があっさりと状況を受入て
「消せよ…」と口にした事に動揺し、
感情がないと思っていた人格たちが
「感情はある」と主張し、
ひとつひとつの人格を消去しながら
「正しいのか…?これは…?」
と、なんとも言えない表情で苦悩するドクター。(ここはどこの場面だったかな…?)
後、「なんだ…?この釈然としない気持ちは…?」
ってのもあったな…。
このセリフの言い方もめちゃ好き!!…泣けたよ…。
自分の行動を正しいと信じながらも、本当にこれでいいのか?という葛藤。
医師としてビリーを救いたいという気持ちと、人格たちを消滅させることが本当に正しいのかとどうしていいのか分からないドクターの気持ちが揺らぐ…。
涙を堪えているような場面もあって、なんとも言えなかったな。
(昼の部は世話焼きと泣き虫を消去してしまったあと、きれいに右目から涙がこぼれていたのが配信では写っていて、胸を打たれたんだけど、ここはご本人的には泣いてはいけない場面だったらしい…です、はい。)
吉野さんの管理人は
「医者の前にひとりの人間だ…!」
と苦悩するルーカス(←管理人が医者として名乗った名前)がなんとも情の厚いベテラン医師という姿を丁寧に演じられていたという気がする。
演技の幅が広がった、というとちょっと上から目線みたいで失礼かもしれないんだけど、現実の医師の時の包容力が半端ない雰囲気でもう、ねぇ…
たまらん感じでした、はい。
管理人の怪しさというより、どちらかというと住人たちの畏怖への恐怖が管理人を“得体のしれない人”として警戒していた住人が、その管理人を信じて
消せよ
と自ら消去されることを選択していく。
そこにあったのは“信頼”だと思うんですよね。
最終的に教師に統合された人格たちを身のなかにかかえて目覚めたビリーに対応するドクタールーカスの温かい眼差。
ビリーに問いかける言葉のひとつひとつが心優しくて…。
なんかもう、涙止まらなかったな…。
5年の時を得て、熟成した管理人(医師)の演技が観れたことが何より幸せでありました。
続く
行く道 その2
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