祐さんの散歩路 Ⅱ

日々の目についたことを、気ままに書いています。散歩路に咲く木々や花などの写真もフォトチャンネルに載せました。

・ イラク派遣により在職中に死亡した隊員は35名もいた!

2015-02-15 13:52:17 | 政治


アベシはアメリカをはじめとする有志連合に入り、世界各地で戦争をし、自分たちだけは利権にあやかりたいのでしょう。自国の国民が、どのように犠牲になろうがお構いなしの上、他国の国民の生活もどうでもいいのでしょうね。アメリカが大ウソをついて仕掛けたイラク戦争で、日本からも人道支援の名目で非戦闘地域に自衛隊が行っています。当時の政府発表では交通事故以外一人の死者も出ていないとされていますが、嘘の発表のようです。特に死亡者のなかで事故・不明とありますが、表面に出せない理由があるんでしょうね。以下「みんなが楽しきHAPPYがいい」のノブログより転載します。




集団的自衛権>元イラク派遣自衛官の警告~イラク派遣により在職中に死亡した隊員は35名もいた!


<集団的自衛権:柳澤協二さん(2)>抑止だけが戦略ではない2/28(文字起こし)
私がよく申し上げているのは自分が経験したイラク派遣でありますけど、撤収の際に小泉総理が記者会見をする、その時に総理に私が申し上げたのは、
「総理、この自衛隊は1発の弾も撃たずに見ずに、ま、交通事故はあったけど、一人のけが人も出さずに無事に帰ってきた。これがすごく大事なことで、なかなか簡単にできる事じゃないんです」という事を申し上げたら小泉さんも「うん、そうだ」という事で、記者会見で盛んにそれを強調しておられた。



第一次安倍政権で官邸の主要メンバーとして安全保障分野を担当し自衛隊のイラク派遣等にもかかわってきた柳澤協二さんのお話を文字起こししていて、
柳澤さんが「交通事故はあったけど」という時に、言い淀んだ感じがあったので
なんとなくずっと「交通事故」という言葉が私の心の中に引っ掛かっていました。

そのイラク派遣の時に
その交通事故に遭われた元イラク派遣自衛官の記事です。

池田頼将氏

取材に応じる元イラク派遣自衛官の池田頼将さん



国に裏切られた元イラク派遣自衛官が警告
-安倍政権「集団的自衛権の行使」の行く先にあるもの

志葉玲 フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和) 2014年3月18日 8時44分

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「もう、何度も死のうか、と思いました。でも、私のような経験をする自衛官をこれ以上
出してはいけない。国に対して責任を認めさせなければ、死んでも死にきれない…!」

元イラク派遣航空自衛隊員の池田頼将さんは、そう静かに、だが固い決意を込めて語った。池田さんは2006年(平成18年)7月、イラク派遣部隊の一員として、イラク隣国クウェートの基地に滞在中、米軍関係車両にはねられた。だが、事件は隠蔽され、池田さんはまともな治療を受けられないまま帰国すら許されなかった。そのために、池田さんには重い後遺症が残ってしまった。今、安倍政権は、米国等との共同軍事行動を可能とするべく、「集団的自衛権の行使」の解禁を目指している。その先にあるものは、米国の戦争に日本も巻き込まれ、池田さんのような自衛官を何人も出すことになるという、平和国家としての終焉ではないか。


◯隠蔽されたイラク派遣中の事故、まともな治療を受けさせず、放置

イラク戦争(03年3月開戦)を支持した日本政府は、開戦直後から自衛隊イラク派遣を推し進め、航空自衛隊は04年1月から、08年12月まで、16期にわたりイラクに派遣。池田さんが派遣されたのは、第9期(06年3月~7月)。小牧基地所属の航空自衛隊小牧通信隊として愛知県・小牧基地からイラク隣国クウェートのアリ・アルサレム基地へ派遣された。事故が起きたのは、06年7月4日のこと。基地内での米軍主催のマラソン大会に参加した池田さんは、米民間軍事会社KBRの大型バスに後方から衝突されたのだった。「突然、ドスンという鈍い音がして、私は意識を失いました」(池田さん)。意識を失った池田さんは、救急車で米軍の衛生隊に搬送された。その時、一度、意識を回復し、自分が事故にあったことを悟ったと言う。

池田さんにとって不幸であったのは、KBRのバスに跳ねられたことだけではなく、事故後、自衛隊による「裏切り」が幾度も続いたことだった。

「眼球の奥や、首、肩がすごく痛く、体を動かすことすらできなかったのに、米軍の衛生班には『異常なし』と診断されました。自衛隊側も『米軍側が異常なしと言っているのに、それと反する診断ができるわけない』という有り様。クウェートの病院に連れて行ってもらったのですが、言葉の違いもあり、私の症状をうまく伝えられず、治療はできませんでした」(池田さん)。

結局池田さんに対し、米軍、民間軍事企業側からも、謝罪や補償は得られなかった。その上、治療のための帰国を何度も上司にかけあったにもかかわらず、事故にあってから2ヶ月弱もの間、ろくな治療も受けられないまま、池田さんは帰国が許されなかったのだ。

当時、池田さんの事故について情報を掴み、報道した記者は皆無だった。池田さんの事件が公表されなかったのも、彼の帰国が許されなかったのも、事故発覚による自衛隊イラク派遣への影響を防衛省-あるいは政府自体が懸念したからではないだろうか。池田さんが事故に遭ったのは2006年7月4日。航空自衛隊がそれまでイラク南部サマワ周辺までだった活動範囲を、中部のバグダッド周辺までに拡大した直前のこと。この、バグダッド周辺への空輸拡大には米国側から強い要請があった。それは、航空自衛隊「国連など人道復興支援関係者や物資の運搬」という当時の日本政府の説明とは裏腹に、米軍など多国籍軍の兵員や物資などを運搬が主だったものだったからだ(関連記事)。そうした政治情勢の中で、池田さんの事件は絶対に国民に知られてはいけない事件だったのだろう。



池田氏

池田さんの食事は流動食のみ池田さんの食事は流動食のみ



◯何度も考えた自殺、同じような犠牲を出さないための裁判
池田さんは帰国後も、事故の後遺症をめぐり、自衛隊内で執拗な嫌がらせを受け、肉体的にも働くことが難しかったため、2011年10月、退職。結婚していた池田さんだが、退職が原因となり、離婚した。

池田さんは現在も深刻な後遺症に悩まされている。左腕は肩から上にあがらず、右手も力を入れると震えて、自分の名前すらまともに書けない。池田さんは、あごの蝶番となる軟骨円板を失ったため、1ミリ程度しか、口を開けることができない。一般の食事は一切取れず、わずかな隙間から流動食を流し込む、それが現在の池田さんの食事の全てだ。「眼球の奥や首、肩、腰などの慢性的な痛みに悩まされ、大量の睡眠薬を使って強引に眠らないと睡眠を取ることすらできません」と池田さんは言う。以前は、野球観戦に行くのが趣味だった池田さんだが、体が思うように動かず、今はほとんど自室に篭りきりだ。

「自殺することを何度も考えた」と語る池田さん。その池田さんが辛うじて踏みとどまり、2012年9月、国を相手取っての裁判を起こした理由は「恐らく同じ様な境遇にいる自衛隊員がきっといる」という思いだ。池田さんの裁判は現在も名古屋地裁で係争中である。

◯米国のために、自衛官の命と安全を差し出す安倍政権

「二度と自分と同じような経験を自衛官達にさせてはいけない」と語る池田さんだが、安倍政権が今国会中にも目指すという「集団的自衛権の行使容認」の閣議決定がなされたら、池田さんの様に、国に裏切られ、使い捨てにされる自衛官達が続出するかもしれない

集団的自衛権とは、端的に言えば「米国の戦争に巻き込まれ権」だ。米国が何者からか攻撃された場合、日本が攻撃を受けてなくとも、日本は米国と共に、その「敵」と戦うというものである。米国は、太平洋戦争後から現在に至るまで、常に紛争当事国であった国だ。集団的自衛権の行使が容認されるようになれば、米国の抱える紛争に日本も巻き込まれ、米国のために自衛隊が戦地へ送り出されることになるかもしれない。自衛官の負傷や死亡する事態は避けられないだろう。そうなれば、日本を守るためでなく、米国の戦争に駆り出され、自衛官の負傷や死亡することに日本の世論が批判的になることを嫌い、自衛官の負傷や死亡は隠蔽されやすくなる。

安倍首相が、憲法改正を経ずに閣議決定のみで「集団的自衛権」を行使できるようにしようとすること自体、憲法を無視した独裁者の振る舞いであり、噴飯ものだ。その上、米国のために、自衛官の命や安全を差し出すことは、許されないだろう。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

元内閣官房副長官補の柳澤氏は
イラク派遣では交通事故のほかは一人のけが人もなく帰ってきた」とおっしゃっていますが、
事実はどうだったのでしょうか?

平成19年11月13日
河野洋平議員へその時の内閣総理大臣、福田康夫首相からの答弁書です。



内閣衆質一六八第一八二号 平成十九年十一月十三日 内閣総理大臣 福田康夫
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員照屋寛徳君提出イラク帰還自衛隊員の自殺に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



一について
我が国は、平成13年9月11日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法(平成13年法律第百十三号。以下「テロ対策特措法」という。)に基づき、延べ約1万900人の海上自衛隊員をインド洋に派遣してきたところである。

二について
我が国がイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号。以下「イラク特措法」という。)に基づき派遣した自衛隊の部隊の一部については、イラクに入国していない場合があることから、お尋ねの人数について確定的にお答えすることは困難であるが、平成19年(2007年)11月7日現在までに、我が国は、イラク特措法に基づき、延べ約5千600人の陸上自衛隊員、延べ約330人の海上自衛隊員及び延べ約2千870人の航空自衛隊員を派遣してきたところである。

三及び四について
テロ対策特措法又はイラク特措法に基づく派遣と隊員の死亡との関係については、一概には申し上げられないが、
平成19年(2007年)10月末現在で、
テロ対策特措法又はイラク特措法に基づき派遣された隊員のうち
在職中に死亡した隊員は、
陸上自衛隊が14人、
海上自衛隊が20人
航空自衛隊が1人であり、
そのうち、
死因が自殺の者
陸上自衛隊が7人、
海上自衛隊が8人、
航空自衛隊が1人、
病死の者は
陸上自衛隊が1人、
海上自衛隊が6人、
航空自衛隊が零人、
死因が事故又は不明の者は
陸上自衛隊が6人、
海上自衛隊が6人、
航空自衛隊が零人である。
 
また、防衛省として、お尋ねの
退職した後に、精神疾患になった者や、自殺した隊員の数」については、把握していない
 
海外に派遣された隊員を含め、退職後であっても在職中の公務が原因で死亡した場合には、国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)の規定が準用され、一般職の国家公務員と同様の補償が行われるほか、その尊い犠牲に思いをいたし、哀悼の意を表するとともに、その功績を永く顕彰するため、毎年、自衛隊記念日行事の一環として、防衛大臣の主催により、内閣総理大臣の出席の下、自衛隊殉職隊員追悼式を執り行っている。
 
政府としては、海外に派遣された隊員が得た経験については、今後の自衛隊の活動に最大限いかしてまいりたい。





参考までに、この答弁書に対する質問主意書


平成十九年十一月二日提出 質問第一八二号
イラク帰還自衛隊員の自殺に関する質問主意書
提出者  照屋寛徳


イラク帰還自衛隊員の自殺に関する質問主意書

山田洋行や日本ミライズなどの防衛専門商社と官僚、政治家の癒着や、利権疑惑が大きな社会問題になっている。守屋武昌前防衛事務次官の山田洋行からのゴルフ接待、飲食接待は、国民の常識を超えるもので、接待を受けての見返りは明らかである。
 
一方、在沖米軍基地が集中し、今なお米軍再編の名の下に基地機能の強化が進む沖縄では、米軍基地利権疑惑が急浮上している。巨大な防衛利権を許してはならない。巨悪を眠らせないために、検察も勇気を持って適正な捜査を断行し、利権構造にメスを入れてもらいたい。
 
海上自衛隊によるインド洋での補給活動の法的根拠であったテロ対策特別措置法が、2007年11月2日午前零時をもって期限切れとなった。石破防衛大臣は、「テロ対策特措法に基づく対応措置の終結に関する命令」を発出し、海上自衛隊の補給艦「ときわ」と、護衛艦「きりさめ」に撤収命令を出した。私は、アフガン戦争、イラク戦争の開戦に反対し、テロ対策特別措置法やイラク対策特別措置法の制定に反対をしてきた立場である。
 
さて、イラク、インド洋、クウェートなどに派遣された自衛官の自殺等による死者が多数に上っているらしいとの事実が判明している。
以下、質問する。

一 テロ対策特別措置法に基づき、インド洋における補給活動に派遣された海上自衛隊員の、派遣時から撤収時までの、重複を含むのべ人数を明らかにされたい。

二 イラク対策特別措置法に基づき、イラクに派遣された自衛隊員の、派遣時から現在までの、重複を含むのべ人数を明らかにされたい。

三 インド洋における補給活動に派遣された自衛隊員、及びイラクに派遣された自衛隊員のうち、在職中に死亡した隊員の数、そのうち死因が自殺であった者、死因が傷病の者、死因が「事故または不明」の者の数を、陸海空自衛隊員毎に明らかにした上で、これらの方々の尊い犠牲に対する政府の見解を示されたい。

四 自衛隊員のうち、インド洋、イラク、クウェートなどに派遣された経験者で、帰還し、退職した後に、精神疾患になった者や、自殺した隊員の数を、陸海空自衛隊員毎に、その数を明らかにした上で、元隊員、または、ご遺族に対し、政府としては、どのような形で責任をとるつもりなのか、見解を示されたい。
右質問する。





<集団的自衛権:柳澤協二さん(2)>抑止だけが戦略ではない2/28(文字起こし)

政府は従来から、国または国に準ずる相手に対して武器を使えば、それは憲法が禁止する国際国際紛争解決のための武力行使になる恐れがあるからという意味で、いわゆる駆けつけ警護のような積極的な武器使用は出来ないんだよという解釈をとっていました。

あるいはガイドラインとかイラクなんかで使われている言い分ですが、非戦闘地域で後方支援をやるというのは、当該やっているアメリカなんかの戦闘行為と一体化しないから憲法上許されるという、そういう理屈をとってきている訳です。

国または国に準ずる相手とは戦いを交えませんという事は、第三国の内戦には関与しませんという事を原則として言っている訳です。

もうひとつは一体化。
各国の武力行使と一体化しないという事はつまり、直接の武力攻撃には加担しないと、こういう事を言っている訳で、非情に私は理にかなっているイラクでは自衛隊は武器を使わないだけじゃなくて銃を向けた事もなかった

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


イラクへの派遣に関しての賛否は別として、柳澤氏がおっしゃるところの制約のある中での派遣でさえ、これほど多数の犠牲者が出ています。
これから安倍政権がやろうとしている集団的自衛権は、「武器を使い、銃を向け、人を殺すこともできる」ようになるという事で、このイラク派遣時の自衛隊の死亡者どころじゃない被害が大きくなる事は簡単に想像できます。

でも、イラク派遣の自衛隊に、こんなに死亡者がいたとは知りませんでした><;
答弁書に書かれていた人数を表にしてみました。
「退職後の死亡人数は把握していない」という事なので、実態はこの何倍も多いのではないかと思います


死亡者数一覧


ー追記ー
自殺が26名とコメントで教えていただきました。
赤旗の記事を見つけましたので追記します。
自衛官の自殺26人 国民平均の14倍/イラク派兵から帰国後 赤嶺議員に防衛省回答(しんぶん赤旗)より
赤旗新聞




・ プーチン大統領 「イスラム国」への空爆を批判

2015-02-14 00:40:00 | イスラム国


テロとは、政治的な問題を暴力によって解決することならば、世界最大のテロ国家はアメリカでしょう。そしてそれに加担する有志連合も同じですね。「皆で渡れば怖くない・・・」と同じなのが有志連合。

アメリカは空爆で一方的に攻め続けます。自国の兵隊から出る犠牲者を少なくするため。しかし、責められる側の一般国民がどれだけの犠牲者を出しているのでしょう・・・・手や足を無くした人も大勢います。住宅を壊され、生活を壊された一般人の国民は、将来をどのように夢見ればいいのでしょう・・・・

いままで共産圏であったソビエトは酷い国だと思っていました。自由経済主義のアメリカが最高と・・・・・でも、最近はどうやら間違っているのではないかと思います。金のためなら、戦争を平気で仕掛けるし、自国の経済のためならTPPで相手国を騙し、相手国の国民の健康や生命すら何とも思わない。

ロシアという大国があって、アメリカの暴走を少しは遅くしているように思えます。NHKニュースWebにプーチン大統領の発言があります。以下転載します。




プーチン大統領 「イスラム国」への空爆を批判
2月10日 5時07分

プーチン大統領


ロシアのプーチン大統領は、イスラム過激派組織「イスラム国」が勢力を拡大したのはシリアの反体制派を支援してきた欧米に責任があると主張したうえで、現在行われている空爆は、アサド政権の同意を得ていない非合法な行動だと批判しました。

プーチン大統領は、9日からエジプトを訪問するのを前に、エジプトの新聞とのインタビューに応じ、「イスラム国」がイラクとシリアで勢力を拡大したのは、「ひどく無責任な内政干渉と一方的な軍事力の行使の結果だ」と述べ、イラク戦争を主導したアメリカや、シリアの反体制派を支援してきた欧米に責任があるという考えを強調しました。
そして、アメリカ主導の有志連合による「イスラム国」に対する空爆について、「空爆だけで結果を出すことはできない」と主張しました。
そのうえで、プーチン大統領は「国連安全保障理事会の決議や、空爆が行われる国の同意もなく、非合法な行動だ」と批判し、「イスラム国」に対する軍なにを事行動を進めるには、国連安保理の決議や、ロシアが支援するシリアのアサド政権の同意が必要だという立場を示しました。
ロシアは、ウクライナ情勢を巡って欧米に対する批判を強めており、イスラム過激派への対応を巡っても欧米との溝が広がりつつあります。

・ 安倍首相の中東の知識は小学生並み?

2015-02-13 18:13:08 | イスラム国


アベシの無知と小学生レベルの知識についてLITERAに記事があります。あのレベルで自民党や国の行政が動く理由はいたって簡単です。それぞれの組織とも今までの歴史の中で培われた組織のルールがあり、多くの人たちはその組織のルールを守ることが、最善だと信じているからです。それはあくまでトップに立つ人間が、まともな知識や常識を持ち、その組織がまともに成長することを願っている場合です。たまに、組織はあるものの、トップに立つ人間があまりにレベルが低いと、当然のことながら崩壊へと突き進むことになります。アベシを含め自民党を消滅させないと、日本が先に消滅するでしょう・・・・




安倍首相の中東の知識は小学生並み? イラクとシリアとトルコの区別もついていない疑惑が…
2015.02.10.
アベシ

エジプト・カイロでの安倍首相のスピーチ(首相官邸HP「政府インターネットTV」より



 やはり、この男に「反省」という2文字はないらしい。国会でイスラム国事件をめぐる対応について追及を受けている安倍首相だが、とにかく「テロリストに屈する必要はない」「テロリストに配慮する必要はない」の一点張り。人道支援よりテロリストと闘うことを強調した演説の問題点を指摘されると、「テロリストを批判するなというのか」と逆ギレしてしまう有様だ。 批判されているのは、人質をとられている状況で挑発的な内容を口にする必要があったのかという外交戦略、交渉技術の問題なのに、「悪いのはあいつらだ!」とわめきたてる

 思わず、小学生か!と突っ込みたくなるが、これは性格の話だけではない。国会ではエラソーに中東支援の意義とイスラム国との闘いを強調している安倍首相だが、実は中東の歴史や地理、そしてイスラム国の成り立ちについて、小学生並みの知識しか持ち合わせていないのではないか、という疑念がもちあがっているのだ。

 きっかけは、1月25日に放映されたNHKの番組『日曜討論』だった。この日の同番組は、各党の党首に喫緊の課題をインタビューするという内容だったのだが、湯川遥菜さん、後藤健二さん2 人の拘束映像がアップされた直後ということで、当然、イスラム国問題が焦点になった。 そして、キャスターが「イスラム国の側は日本の人道支援が、中東の敵対組織の軍事力の増強の余裕を生むという論法で日本を批難しているが」と問いかけたところ、安倍首相はこう答えたのである。

「そもそも、ではなぜ、多くの避難民がでてしまったのかということであります。シリアからの難民、現政権にも大きな原因がありますが、同時にイスラム国、ISILの振る舞いにも大きな原因があるわけでありますし、トルコからの難民はまったくそのとおりであると言ってもいいとおもいます」

 安倍首相は難民を生み出したのがイスラム国、ISILと言いたかったようだが、その典型例としてあげたのがなぜか、「トルコからの難民」――。 

 わざわざ説明するまでもないが、トルコはイラク、シリアからの難民を受け入れている国であって、難民を出してはいない。いったいこの人は何を言っているのだろう、と思ったが、まあ、いい間違いは誰にでもあるし、と思い直し、そのまま聞いていると、安倍首相はさらにこう続けたのだ。

ISILがトルコ、イラクに侵入して行った結果、多くの難民が発生した。」

 やっぱり安倍首相の頭の中では、ISILがトルコに侵入して難民が発生したことになっているようなのだ。重ねて言うが、トルコはISILの侵入を受けてもないし、難民も発生していない。 また、仮に「トルコ」が「シリア」の言い間違いだったとしても、安倍首相はこの発言によってもうひとつ、決定的な認識不足を露呈している。それは「ISILがイラクに侵入して行った」というくだりだ。

 ISILはどこか別の場所からイラクに入ってきたのではない。イラクで生まれたのだ。言っておくが、これは言葉の使い方の問題じゃない。

 イスラム国誕生の背景には、アメリカのイラク攻撃がある。アメリカの一方的な攻撃によってフセイン体制が崩壊し、その混乱の中でバース党の残党とイスラム過激派が結びついてできあがった組織がISILなのだ。イスラム国を率いているとされるバグダディも元バース党員である。あのとき、ブッシュ政権が「大量破壊兵器を所有している」というデマに基づいてイラク攻撃をしなかったら、イスラム国は存在しなかった。そういう意味では、ブッシュ政権のイラク戦争を全面支持した日本も同等に責任を負っている。

 安倍首相にはこの歴史認識がまったく欠落しているのだ。おそらく、この人物の頭の中には、どこかで生まれたカルト組織がイラクとシリアに侵入してきて、テロ活動を繰り広げている、そんな程度の考えしかないのだろう。 そういう意味では、安倍首相の中東歴訪での言動は確信犯ではない。中東に対する理解や知識がないからこそ、湯川さん、後藤さんが人質に取られているなか、ヒーロー気分で中東歴訪に出かけ、挑発的な台詞を口にすることができたのだ。

 まったくこんな人物に外交を委ねていると思うとぞっとするが、安倍首相の怖さは無知だけでない

 実は、この日の『日曜討論』でも、安倍首相はその危険な本質をかいま見せている。それは集団的自衛権に話が及んだ際のことだ。キャスターが15年1月の世論調査では、集団的自衛権の法整備について「賛成25% 反対30%」だったと指摘。どのように国民に理解を求めて行くか、を問うたところ、安倍首相はこう答えたのである。

「前は、もう少し、反対の数のほうが多かっただろうと思います。それは、たとえば徴兵制度になるとかですね、戦争ができる国になる、という間違ったキャンペーンがありました。その影響があったのだろうと思いますが、どうやらそうではないということで、どちらともいえない、が多くなって、反対が少なくなってきたのだろうと思います。」

 反対意見はすべてサヨクの捏造にしようとするところも相変わらずだが、それ以前に、これ、「反対が少なくなってきた」というのが真っ赤な嘘なのだ。昨年、同じNHKの世論調査で行った集団的自衛権の行使に関する調査結果は以下のようなものだった。

・4月 できるようにすべき 24% すべきでない 22% どちらとも言えない 45%
・5月 できるようにすべき 30% すべきでない 23% どちらとも言えない 37%
・6月 できるようにすべき 26% すべきでない 26% どちらとも言えない 41%

 賛成はほとんど同じ。反対はむしろ、22%から30%と増えている。それを「反対が少なくなってきた」などと平気で強弁するのだから、開いた口がふさがらない。

 だが、これが安倍首相のやり口なのである。無知と単純思考がもたらす失政を嘘でごまかし、事実を都合よくねじまげ、国民をさらに煽動する。この男を放置していたら、この国は必ず戦争に引きずり込まれるだろう。そうなってからでは遅いと思うのだが……。
(田部祥太)

・ 見捨てられる命、不平等がテロをうむ

2015-02-11 01:44:08 | イスラム国


イスラム国で殺害されたジャーナリストの後藤さんの事件を受け、同じ職業のジャーナリストが緊急で集まり「中東の平和にどう貢献できるか」を話し合っています。主催者の井上さんがメモしたものを整理してネットへ流してくれています。多くの国民は、イスラム国の残虐性のみを報道していますが、そのような状況になってしまった背景を考えていないでしょう。一方、アメリカを主体とする有志連合の行動は正しいものと報道されていますが、その陰でどれだけ一般市民が殺され、生活を打ち砕かれているかは報道されません。現場を見ているジャーナリストは真実を知り、その意見は貴重なものでしょう。
以下転載します。



見捨てられる命、不平等がテロをうむ -後藤健二さんらのシリア人質事件を受けて私たちに何ができるのか?
井上伸 | 国家公務員一般労働組合執行委員、国公労連書記、雑誌編集者
2015年2月7日 20時9分



緊急集会「後藤健二さんらのシリア人質事件を受けて今考える

昨夜、「後藤健二さんらのシリア人質事件を受けて今考える~私たちは中東の平和にどう貢献できるのか~」をテーマに緊急集会が開催されました。

緊急集会で戦場ジャーナリストらが共通して強調されていたことなどを私の受け止め含め最初にまとめておくと次のようになります。

「テロには屈しない」などとしてアメリカなどが行っているイラク戦争や空爆などの犠牲になっているのは圧倒的に罪のない子どもら一般市民であるということ。じつはこの事実に対して、日本に住んでいる多くの人々が無関心であったり、対テロ戦争やテロに対する空爆などの報復はテロをなくすためにはしょうがないのではないかなどという感じの無関心や現状追認に流されてしまっていることがそもそも大きな問題であること。

テロの見方についても、突如うまれた残虐な極悪非道のモンスターとだけとらえ、アメリカによるイラク戦争をはじめとする武力行使や残虐な行為こそが残虐なイスラム国を育んで来たというテロを生み出す構造上の問題として把握できないこと。そして、とにかく報復の武力行使でそのモンスターを殺しさえすればテロがなくなるかのような単純な思考で空爆などへ流されてしまっていることが問題で、イスラム国の地域にも700万から800万人の一般市民が暮らしていることを見落とし、報復の空爆によって、罪のない多くの子どもら一般市民の命が奪われていることに思いを寄せることができないでいることが大きな問題であること。

イラク戦争はじめ、中東諸国で奪われている罪のない一般市民数十万人の命は国際的にも見捨てられていること。イラク戦争はじめ空爆は国際法から見ても明らかに違法であり犯罪であるにもかかわらずアメリカはじめ先進主要大国や関連国の罪は一切問われないという不平等な扱いが、中東諸国の一般市民の見捨てられた命として不平等感を日々増殖させ、それがテロをうむという悪循環になっている。日本も協力したイラク戦争をはじめ、アメリカなどによる中東諸国の罪なき一般市民の殺戮は許されて、それを背景とする中東諸国の側によるアメリカ人や日本人の殺戮は「テロ」と呼ばれ「極悪非道」「絶対悪」として「根絶」しなければいけないモンスターとされるこの不平等がテロをうむ大きなファクターになっているということ。

イスラム国が生まれる背景にあるイラクの一般市民十数万人の命を奪ったイラク戦争に協力した日本はこのイラク戦争を反省していないこと。もっと言えば、70年前の日本がイスラム国同様の残虐な侵略戦争を遂行したことについても反省するどころか肯定するかのような言動を繰り返している安倍政権を許してしまっている問題がある。これは日本の一般市民の中東諸国への無関心と現状追認にも連動して、問題を歴史的事実としてとらえ社会構造上の問題として把握できずにいるわけで、戦争する国づくりに前のめりになる安倍政権の暴走を許すことにつながっていること。

戦場を取材すると、「暴力は暴力で止められない」「戦争は戦争で止められない」「テロは対テロ戦争や空爆では止めれない」という結論に至る。そしてこのことを、後藤健二さんはじめ戦場ジャーナリストはできるだけ多くの人に伝えたいがために自分の命をもかけて戦場で取材活動をしている。後藤健二さんがとりわけ戦火の中の子どもらに心を寄せていたのは偶然ではなく、戦争で最も犠牲になるのが罪のない子どもたちであることが戦争のリアルな実態であるということ。

今回の事態を受けて私たち日本人にできることは、どこの国の誰であっても人を殺すことは犯罪であり許してはいけないということ。中東諸国の政治や社会を私たちは直接変えることはできないが、中東諸国への本当の人道支援とともに、日本という国が中東諸国はじめ世界のどの国に対しても空爆する側に回らない、報復する側に回らない、戦争する側に回らない日本政府を私たちの手でつくること。無関心で安倍政権の暴走を許すことになれば、日本が世界中で人を殺していくことになる。一方で殺しておいて一方で人道支援ということにはならない。日本が世界中で人を殺していくことになれば無関心は罪になる。

――以上のような受け止めを私はしました。あくまで私の受け止めですので御了承ください。それから、以下は緊急集会を聴きながら私が走り書きしたメモの一部です。逐条起こしでなく簡単なメモに過ぎませんので、入り組んでいたイラクやシリアの宗派や民族間の問題についてはメモできなかったので御了承ください。



▼安田純平氏フリージャーナリスト
日本を戦争へスタートさせないために憲法で戦争を止めること 

この間のマスコミ報道を見ていると、後藤健二さんが戦火の中の子どもたちや女性たちに寄り添っていたという映像を流すのだけど、後藤さんが最も訴えたかったアサド政権の空爆によって子どもらが殺されているという部分を全部切ってしまっていた。ただの一般論にしてしまっている。これは後藤さんに対する大変な侮辱だと私は思った。

アサド政権も酷いが反政府勢力にも酷いのがいる。それぞれに対し武器を提供する国々の代理戦争という側面もある。泥沼状態でどうやって平和を取り戻せばいいのかそう簡単ではないのでみんなフリーズして思考停止になり、空爆で子どもらを殺すアサド政権のような存在もしょうがないよねとなる。しかし、現場を取材すれば目の前で子どもらが殺され続けている。シリアを世界が放置し20万人が殺されていった。イスラム国が広がっていった背景には、私も含めて世界中があれほど殺されていった人たちを見捨ててきたことがあると思っている。多くの見捨てられた人たちがいる中で残虐なことをするイスラム国がつけいるすきができたといったことなどが背景にあると思う。泥沼状態のなかで生活ができないからイスラム国でも行くしかないという人たちも見てきた。積極的にあんな酷いことをやろうと思っているわけじゃないけど、どうしようもないじゃないかと。イスラム国が残虐だからつぶせばいいという話ではない。日本は、そもそも戦争をスタートさせないためにいまある憲法で止めることが何より大事だ。



▼佐藤真紀氏日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)事務局長
経済的利益のために戦争に協力する日本を変えよう

ODAの軍事目的利用の監視を

後藤さんとは11年前のイラク戦争で知り合った。NGOと戦場ジャーナリストは協力しあいながらやっていくところがあって、戦場ジャーナリストが現場の実態を知らせ、そして私たちNGOが人道支援を展開する。こういう狂った世の中を変えていく点で同じ。昨年からクルド地区で活動しているが難民がどんどん増えている。マスメディアが報道してくれないため、人々は無関心で資金集めも大変だ。人道支援は焼き石に水のようだが水を持っていけは市民は喜んでくれる。

日本はODAを軍事目的にも使えるように1月の終わりに閣議決定で変えて行こうとしていた段階にあった。エジプトでの演説は今の段階ではまだできないけれど、先のことを見越して安倍首相は発言したのではないか。日本は国益、経済的な利益を何より優先してそのためには積極的平和主義となっている。イラクの復興は日本の国益でそのために侵略戦争に協力するし、日本は石油のためなら軍隊を出そうということ。今後、ODAの軍事目的への活用について私たち市民の監視が必要だ。



▼綿井健陽氏ジャーナリスト・映画監督(アジアプレス所属)
ベトナム戦争のときは映像や写真が戦争のブレーキになった
ところが今回は映像がブレーキではなくアクセルになっている
私たちに何ができるのか? 何ができるのかではなく、何を日本政府にさせてはいけないのかが重要


99年、直接の同僚が取材中に惨殺された。この10年を見ても多くの日本人ジャーナリストが命を落としている。こういった事件が起こったときだけ、注目されその日本人ジャーナリストの物語がそのときだけ報道されるケースが多いが、ジャーナリストの死の前後で何が起こっているかという問題をみんなで考えるべきだ。CPJというアメリカの団体の調査結果によると、2003年のイラク戦争開戦以降、取材中に165人のジャーナリストが死亡している。そのうち85%がイラク人のジャーナリストだ。シリアも同様で、この4年ぐらいで79人のジャーナリストが死亡しているが、85%がシリア人のジャーナリストだ。普段の報道を支えているのは現地のジャーナリストであり、もちろんその背景には多くの一般市民の死があるわけで、ジャーナリストの死だけをクローズアップすることも違うと思う。後藤健二さんの場合は今までのジャーナリストの殺害とは違う。とりわけ映像がこういう形でつかわれることは残念だ。ベトナム戦争のときは映像や写真が戦争のブレーキになった。映像や写真が起点になってベトナムの子どもら市民を殺すな、戦争をやめろ、アメリカはベトナムから引き上げろと戦争をやめさせる方向にはたらいた。ところが今は残虐な映像が流れるとそれに対して報復をするという流れになってしまっている。2004年にイラクで米兵が引きずり回された映像がファルージャで流れ、そのあと大規模な報復空爆がなされた。残虐な映像が流れたときに、それに対しての報復、さらに残虐な行為をするという流れになってしまっている。今回も典型でヨルダンは空爆をし、残虐な映像にさらに残虐な報復という悪循環が生まれている。映像がブレーキではなくアクセルになっている。本来の映像は他者を理解したり他者とコミュニケーションを取ったりするものだと思っているのに、こういう形で使われているということに危惧している。

私たちに何ができるのか? 何ができるのかではなく、何を日本政府にさせてはいけないのかが重要だ。直接的には何もできなくてもイスラム国で暮らす市民との交流を地道に続けて行くしかない。少しずつしか信頼は得られない。逆に日本の軍事的なかかわりが増していくと、必然的に民間人の危険も増していくことになる。



▼志葉玲氏ジャーナリスト、「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」事務局長
ISISは米軍の刑務所が育んだ
「不平等がテロをうむ」


ISISのそもそもの起源はイラク戦争だ。リーダーのバグダディはイラク南部バスラにある米軍の刑務所で逮捕拘束されている間に暴行虐待を受け過激思想を育んでいった。私は同じ刑務所にいた人に取材した。その人も何も悪いことはしていないのに米軍に逮捕拘束されその刑務所に入れられた。そこで酷い扱いを受けた。そうすると刑務所の中では米軍への怒りが充満していく。その中で米軍に対する武装勢力からリクルートされるということがあった。このことはイギリスのガーディアン紙も米軍の刑務所なしにはイスラム国はありえなかったと報道している。

よく「貧困がテロをうむ」という見方がある。もちろん貧困問題を解決する必要もあるが、正確に言うと「不平等がテロをうむ」ということだ。どこかの国は人を殺してもいいのに、どこかの国が人を殺すとテロと言われる。この不平等がテロをうむ大きなファクターになっている。どの国だろうと国際法違反の犯罪を許さないということが必要だ。ガザの命より日本人の命が大事という風潮ではダメだ。戦争だからといって何をやってもいいというわけではない。暴力をいつまで見逃すのかという問題を私たちは考える必要がある。



▼豊田直巳氏ジャーナリスト、日本ビジュアルジャーナリスト協会(JVJA)会員
イスラム国が残虐だと言うが70年前の日本兵は同様のことをいくらでもやっていた。私たちは何者なのだろうかと振り返る必要がある

後藤さんと湯川さんだけではなく毎日何十人も殺されているということを私たちがしっかり認識することが大事だ。戦場を取材すると暴力では戦争は止まらないということを実感する。非暴力でしか解決できないのだから知恵を出さなければいけない。この会場に来ない人に知ってもらわなければテロや戦争は止まらない。イスラム国の地域には700万人から800万人の庶民が住んでいる。私たちにはその地域を直接変えることはできないが、しかしそこに自衛隊を送り込むと言っている安倍政権を私たちは変えることができる。

私たちは何者なのだろうかと振り返る必要がある。イスラム国が残虐だと言うが、70年前の日本兵は同様のことをいくらでもやっていた上にそれを安倍政権は反省しないとも言っているような日本の状況を放置しておいて戦争は止められない。イスラム国を特殊だと言っているだけではご都合主義だ。人道支援は難民支援と難民が出ないようにすることが基本であって、安倍政権がやろうとしていることは逆だ

テロは不平等の蔓延がつくっていく。まず知ることがスタートで知らなければ考えようがない。今の安倍政権に対してどこかで歯止めをかけなければいけない。本当のことを知るためにはプロパガンダとは違うジャーナリズムが必要だ。そのために戦場ジャーナリストは取材に行く責任がある。事実を知らせること、事実を知ることが大事で、つらいことは忘れたい、と思うだろうが、ときどき思い出す必要がある。



▼高遠菜穂子氏※難民支援活動を行っているヨルダンからSkypeで参加
現地の反発が大きい安倍政権の「人道支援」

ヨルダンに滞在中。私たちができることを続けていくことが大事だと思っている。昨年、イラクはイラク戦争後最悪の事態に見舞われた。そうした事態をマスメディアが報道しないことが問題だ。今回の安倍政権による「人道支援」については現地の反発が大きかった。命からがら逃げて来た避難民にとってはイラク政府にお金を渡すのは、有志連合の空爆に使われてしまうのではないかという危惧と、イラク政府にお金を渡すこと自体が問題だと多くの市民が思っているということ。なぜなら今のイラク政府は世界でトップクラスと言われるほど腐敗汚職がひどく、イラク政府が市民から信頼されていないためだ。



▼伊藤和子氏弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長
一方で殺しておいて一方で人道支援ということにはならない。日本が世界中で人を殺していくことになれば無関心は罪になる

アメリカの残虐さを棚に上げてイスラム国を邪悪だと言う。どれだけイラク戦争で市民が殺されたか。イラク政府による人権侵害について誰も何も言わない。国際社会を構成している大国は見て見ぬふりだ。人権侵害が追及されない。イスラエルの責任は追及されない。イスラム国だけが邪悪なのか。構造的な暴力で弱者を殺してきた。弱者への人権侵害が追及されない。そして、報復にとらわれて日本も戦争への道を行くことに危惧している。

どれだけ虐殺されても誰も責任を取らない。そして憎悪が広がる。ここでイスラム国をつぶして本当に平和が訪れるのか。無関心ではすまされない。日本は空爆する側に向かっている。一方で殺しておいて一方で人道支援ということにはならない。日本が世界中で人を殺していくことになれば無関心は罪になる。

【文責=井上伸】



▼関連

集団的自衛権行使がもたらす惨禍-「対テロ戦争」で若い命失い一般市民の犠牲を世界に拡散|高遠菜穂子さん

切れ目ないテロと軍事報復の際限ない悪循環もたらす安倍政権の積極的平和主義・武器輸出・集団的自衛権行使

対テロ戦争・報復がさらにテロを増殖させ犠牲者拡大 - 罪なき子どもらの命奪う安倍政権の積極的平和主義


井上伸
国家公務員一般労働組合執行委員、国公労連書記、雑誌編集者


月刊誌『経済』編集部、東京大学職員組合執行委員などをへて、現在、日本国家公務員労働組合連合会(略称=国公労連)本部書記、国家公務員一般労働組合(国公一般)執行委員、労働運動総合研究所(労働総研)労働者状態分析部会部員、月刊誌『国公労調査時報』編集者、国公一般ブログ「すくらむ」管理者。著書に、山家悠紀夫さんとの共著『消費税増税の大ウソ――「財政破綻」論の真実』(大月書店)がある。ここでは、行財政のあり方の問題や、労働組合運動についての発信とともに、雑誌編集者としてインタビューしている、さまざまな分野の研究者等の言説なども紹介します。

・ これが戦争の真実

2015-02-10 01:50:46 | 政治


アメリカ兵のマイケルさんが、イラク戦争で戦い、自分で経験したことを告白しています。テロを撲滅するんだと教えられてイラクに向かったはずが、よく見るとテロは自分たちであることに気づきます。イラクで殺した相手は、自分の国の同じような環境の人であることに気づきます。戦争の真の敵は別にいることに気付き、国民に無駄な戦争を阻止すべく告発しています。ビデヲのテロップを書き起こしました。





イラク戦争から帰った米兵による『衝撃の告白』これが戦争の真実なのか?

イラク戦争(イラクせんそう)とは、アメリカ合衆国が主体となり2003年3月20日から、イギリス、オーストラリアと、工兵部隊を派遣したポーランド等が加わる有志連合によって、イラク武装解除問題の進展義務違反を理由とする『イラクの自由作戦』の名の下に、イラクへ侵攻したことで始まった軍事介入である。


イラク戦争でアメリカ兵であるマイケル・プリスナーさんが見た、戦地での米軍人の信じられないような行い。2009年に公開された、プリスナーさんの見た、そして自分も含む米兵の行いを告発した衝撃の会見」動画の日本語翻訳版

この戦争については様々な疑惑・癒着問題・憶測があり、真実ははっきりしないままだが、結局アメリカの訴えていた大量破壊兵器もみつかっていない


彼は、反戦を訴え現在も活動を続けている。彼の感じた戦争とは?そしてあなたは、それをどう受け止めるだろうか?
出典イラク戦争・戦争に行ったアメリカ兵の告発!「本当の敵はアメリカ国内にいた!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


これはお国のためなんだ!」
と言い聞かされて辛くても胸を張ってやってきた・・・・
だけど後悔の念だけが残りました。

この占領の実態を目の前にすれば、人種差別なんて言葉でもう騙されない。
彼らは獣じゃなかった・・・・・同じ人間なんです

その時から年寄を見ると、いつも心が痛むようになった。
歩けない年寄をゴロンと担架に寝かせ、イラク警察に連れて行けと命令するたびに・・・・・・

子供を連れた母親を見るたびに胸が痛む・・・・・
嫌がる母親を外に連れ出す我々に
「何すんの一体! あんたらサダム・フセイン以下じゃない!」
と喚き散らしたのを思い出してしまう。

若い娘を見ると胸が痛む・・・・・
俺が腕を鷲掴みにして、車道へ引きづりこんだんだと・・・・

テロリスト達が相手だ、と聞かされていた。
しかし、実際のテロリストは自分たちであってこの占領自体がテロそのものだ、と悟りました。

軍隊の中にあって、人種差別を悪とする思想は、他国に対する破壊や占領の口実にできる、今なお使える重要手段の一つです。その思想を利用して、他国の民を殺害、奴隷、拷問してもよい口実にしてきたのです。

人種差別という思想は、この政府が重宝する手段の一つなのです。
この思想は、ライフル銃屋、戦車や、爆撃機を使うよりも、もっと重要な手段だ。
砲弾、バンカーバスター、トマホーク巡航ミサイルよりも破壊力がある。

このような兵器を今の政府が製造、保持しているが、使おうとする人々がいなければ害は無い。
我々を戦場に送っている連中は、銃で撃ったり、迫撃砲を放つなんていうことはしない。
連中は、命がけで戦う、なんて頭にない。

連中にとって、戦争は商売でしかない!
連中が必要としているのは、兵士たちを「はい、どうぞ」と送り出すB層な大衆なんです!
連中に必要なのは、殺すことも殺されることも、「はい、どうぞ」と、おかしいと思わない兵士達なのです。

何百万ドルという金を、1発の爆弾につぎ込む。
その爆弾は、上から使えとの命令に「ハイ、分かりました」と従う軍高官たちの気持ちがあって、初めて武器に変わる。

連中は生き残った兵士を、この地球上ならどこにでも送り込むことが出来る。
しかし、兵士たちが「ハイ、分かりました」と言って初めて戦争になる。

支配層にいる、人の不幸に付け込んで儲ける大金持ち連中は、世界経済を操って私腹を肥やすことしか頭にない

戦争、抑圧、搾取が私たちの関心事であり、そう我々に信じ込ませる」という能力の中にこそ、連中の力が隠されていると、ということを理解してほしい。
我々が人殺しや死ぬことを覚悟させる決め手は、「ヤッパ俺達は優秀なんだぜ!」と我々に思い込ませる能力が連中にあるかないかだ。

陸海空の兵士たちが、この占領で得るものなど何もない
米国で暮らしている大部分の人々が、この占領で得るものなど何もない

得るものが無いなんてものじゃない・・・・・・
それが原因でもっと苦しんでいる!というのが事実だ・・・・
我々は、手足を失い、後遺症に悩み、そして命を絶つ・・・・
家族の者たちは、国旗を掛けた管が地中に降ろされるのをじっと見ることになる。

健康保険も無く、就職先も無く、教育も受けられない、この国の何百万という人々は、この占領で政府が4億5000万ドル以上の金を、たった一日で浪費しているのを、指を咥えて見ていることしかできていない。


   *****************


この国の貧しい生活をしている人々は、他の国の同じく貧しい生活を人々を殺すために送られ、金持ちたちを更に金持ちにしていく。差別思想が無ければ、兵士たちは自分たちの戦争に送った大金持ちたちよりも、イラクの人々に多くの共通点があったことに気づいたでしょう。

イラクでは、多くの家族の住み家を奪ってきた。
帰還して目にしたものは、惨めで意味のない差し押さえの仕打ちを受け、住み家を奪われた多くの家族の姿です。
悲しい・・・・

目を覚まそう!!font>
我々の本当の敵は遠いところにいるんじゃない!
名前だって文化だって、聞いたこと見たことが無いっていう連中じゃない!

どんな敵なのか皆んな良く知っている、ハッキリしている!
その敵とは、金になるから戦争をやらかすという組織!
その敵とは、儲かるとなれば、スパッと首切りする企業経営者達
儲かるとなれば、健康保険をガンと受け付けない保険会社!
儲かるとなれば、住んでいる家をサッと取り上げる銀行!

敵は5000マイルと離れた所にいるんじゃない。
目と鼻の先にいる。

皆で賢く手を組み戦えば、こんな戦争はすぐに停止できる!
この政府は阻止できる。

そして、もっと良い世界を作ることが出来るのです!


   ********************


今のシリアやエジプトも同じです。
もっと多くの人々が目覚めなければ、繰り返される

戦争の好きなアメリカやイスラエルを支配している、ユダヤ系の犯罪組織
支配とは、大手マスコミ(テレビ・新聞)と政治をコントロールできるという事。

アメリカ属国の日本もかなり危機的な状況です。
まだまだ、多数のテレビや新聞を鵜呑みにする国民(B層によって、どんどん酷くなっています。
選挙で不正されていることも気づかないボケぶりです。

インターネットには、多くの真実があるのに無関心

真実の情報を流し続けますが、あとはB層しだい・・・・





























































































































・ 日本国民の判断にがっかりすることがある

2015-02-09 01:22:29 | 政治


元外務省局長でイランの大使をしていた孫崎享氏が、世論調査の結果と、先回の選挙の結果を見て日本国民の判断に対してがっかりしていると言っています。問題を認識しない人たちが増えているのでしょう。いろいろな情報をたくさん受取り、いろいろな角度から物事を見られる人々が増えればいいですね。マスゴミに動かされるB層は減らさねば・・・・以下孫崎氏のブログからです。




   **********************************


日本の国民は何故こんなに酷くなったのか。殺害の契機は首相だ。評価するが60,6%。愕然!する

私は時々、日本国民の判断にがっかりすることがある。
前回の衆議院選挙の結果もそうである。
しかし、今度の人質事件に対する反応位がっかりしたことはない。

共同通信社が25日に実施した全国緊急電話世論調査によると、「邦人人質事件に対する安倍政権の対応を「評価する」は「ある程度評価する」を含めて60・6%」、

総じて評価するが60.6%、一体この国民はどうなったのであろうか

 第一に今回のイスラム国の殺害を起こしたのは間違いなく、安倍首相の発言が契機である。

 安倍首相は「イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISIL(注:イスラム国)がもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します」と話した。イスラム国を敵視する発言をした。 これがイスラム国側を刺激したことは間違いない。

 それはイスラム国側の反応を見てもらえばわかる。 2月1日イスラム国は後藤氏を殺害するビデオを公開した。ここで次の発言をした。

「日本政府は邪悪な有志連合に参加した愚かな同盟国と同じように『イスラム国』の力と権威を理解できなかった。(省略)安倍総理よ。勝てない戦争に参加した向こう見ずな決断によって、このナイフは後藤を殺すだけでない。今後もあなたの国民はどこにいても殺される。日本の悪夢は始まる」

 この時期、シリアに入ったことを咎める自己責任論がある。しかし拘束されたことと殺害されたこととは同じではない。「あなたの国民はどこにいても殺される。日本の悪夢は始まる」という認識の中で殺害が行われた。


次に今回日本政府は人質返還に対して真剣な交渉はしていない。

過去、人質事件があった時には日本政府は相手が誰であれ、もし金銭の提供ですむならそれを実施する姿勢を取ってきた。 麻生財務相発言である。「要求のめばテロに屈するのと同じ」=麻生財務相。そして、朝日「予備費から身代金出す可能性に”今テロに屈する予定がないから、手続きまで考えていない”と述べた」。

 そして官房長官の発言である。
[東京 2日 ロイター] - 菅官房長官は2日午後の会見で、過激派組織「イスラム国」とみられるグループに日本人2人が殺害された事件に関して、政府としては身代金を用意せず、犯人側と交渉するつもりはなかったことを明らかにした。

 第3者を通じ高唱したと言うが、途中で第三者を介することはあろう。しかし、「犯人側と交渉するつもりはなかった」とはどういう事だろう。

 首相の発言により、日本人が殺害された。
 そして交渉は行わかった



 その政府を評価するが60,6%だという。
 これをどう評価したらよいのか。
 一つは日本人の持つ限界説だ。

 かつてマッカーサーが日本国民をとらえてこういった。
「軍事占領とはどうしても一方はドレイになり、他方はその主人の役を演ずるものだ」
 そして日本視察をしたマサチューセッツ大学総長はトルーマン大統領に次の報告を行った。
日本は事実上、軍人をボスとする封建組織の奴隷国であった。

一般の人は一方のボスのもとから他方のボスすなわち現在の占領軍の下に切り代わっただけである」
時の支配者をそのまま受け入れる
おかしいことがあってもそのまま受け入れる。


今一つは、今の安倍政権、それに追随するマスコミの動きも酷かった。

非自治解放までは一致してあたらなければならないという声を出して批判を一切しなかったその実、日本政府は「犯人側と交渉するつもりはない」という立場であった。

そして殺害されるや、政府擁護の御用コメントで埋め尽くした
若干声を上げる者は潰した。批判の声を「イスラム国寄り」とリストアップした産経が典型である。

私はこの国の未来は本当に暗いと思う

自国民の殺害を誘発した首相を是認する国民に明るい未来なんぞあろうはずがない。

・ 自衛隊による海外人質救出が到底不可能な理由

2015-02-07 18:08:25 | 政治


イスラム国による日本人殺害事件が発生してから、アベシは「テロは絶対許さない」とか「日本人救出のため、法律を変えてでも、自衛隊を海外で救出活動に着かせる」などと喚いています・・・・・しかし、日本の法律を変えた所で救出活動が簡単にできるとアベシは思っているんですかね?????

経済も分からなければ、組織も分からず、世界の外交もわからないアベシが、何を吠えてもどうにもならないでしょう。もしするとすれば、莫大な税金を使って情報網を作り、いつでも出動できるための軍隊を作らなければならないようです。そうなるとアメリカのように国民の貧困層は拡大し、中央集権体制となり政府のみが拡大し、その政府を金で動かす奴らが好き放題を始める・・・・・

海外の日本人を救出するより、福島原発事故で被害を受けている人たちを助けたり、内部被ばくによる人たちを助けたりする方が先でしょう。それもできないのに、海外に行って何をするんでしょう?
ダイアモンドオンラインより転載します。



 ************************************


自衛隊による海外人質救出が到底不可能な理由
ダイヤモンド・オンライン 2月5日(木)8時0分配信
abesi

「後藤さん殺害」映像公開後、安倍総理は「テロに屈することは決してない」と表明(代表撮影/AP/アフロ)


 テロ組織「イスラム国」による日本人人質殺害事件を受けて、自衛隊による海外人質救出を行えるようにすべきとの議論が起こっている。だが現実には人質救出作戦は極めて難しく、特殊部隊の強化や「法の壁」を撤廃するだけでは済まない困難が立ちはだかる。


 安倍総理は1月25日の、NHKの「日曜討論」で「イスラム国」による日本人人質殺害事件に関し、「このように海外で邦人が危害にあったとき、自衛隊は持てる能力を十分生かせない。救出できるための法整備をしっかりする」と述べた。

 現在進められている安全保障関係の法整備では、昨年7月の閣議決定にもとづき「邦人救出」がテーマの1つとなっているが、これは海外での戦乱、災害などの際、多数の在外邦人を避難させる話で、今回のような人質事件での救出とは全く異なるのだが、安倍氏は混同していたようだ。

 2月2日の参議院予算委員会の答弁では「今度の法制(整備)には邦人救出も入っているが(人質)事案と直接関わることではない」と修正したが、軍事問題をよく知らないタカ派の間では「自衛隊が海外で人質救出をできるようにすべきだ」との論が高まっている。現実的には人質救出作戦は極めて困難、危険な作戦なのだ。


● 米国ですら、人質救出に ことごとく失敗してきた

 米軍は昨年シリアとイエメンで3回の人質救出作戦を行ったが全て失敗に終った。7月3日には「イスラム国」の本部があるシリア北部ラッカの南東郊外にある石油貯蔵施設に、米国人フリージャーナリスト2人が拘束されているとの情報により、精鋭の特殊部隊「デルタ・フォース」をヘリコプターで潜入させたが、人質はそこにはいず、後に2人は斬首された。

 11月25日にはイエメン南部の村で「アラビア半島のアルカイダ」に囚われていた米国人フォト・ジャーナリストを救出しようとしたが、人質は別の場所に移されており、作戦は失敗した。このため12月6日に再度別の場所に海軍特殊部隊「ネイビー・シールズ」を潜入させようとしたが警備兵に発見されて銃撃戦となり、米国人の人質とともに、すでに解放が決まっていた南アフリカ人1人も死亡した。

 米国は1980年4月25日、イラン革命派の学生によりテヘランの米大使館に閉じ込められていた大使館員ら52人を救出するため、アラビア海の空母ニミッツから8機の大型ヘリRH53Dを発進させ、イラン領内の砂漠にあった使われていない飛行場にC130輸送機を夜間着陸させてヘリに給油し、デルタ・フォースの隊員をヘリに乗せてテヘランの大使館に突入させようとしたが、駐機中の輸送機にヘリが衝突、火災が起き8人が死亡するなどして失敗に終った。


 ベトナム戦争中の1970年11月20日には、北ベトナムに撃墜された米軍パイロットなど多数の捕虜が収容されていると見られたハノイ西方37キロのソンタイ収容所を米陸軍の精鋭レインジャー約100人がヘリ6機で急襲したが、捕虜はそこにはいず大空振りに終わった。

 米国が人質救出に成功したのは、私が思いつく限りでは、2009年4月12日、ソマリア沖で海賊に捕えられた米国コンテナ船の船長を海上で奪還した例と、2012年1月15日、ネイビー・シールズが落下傘で降下してソマリア海賊の拠点を襲い、囚われていた米国人女性(地雷処理のボランティア)を救出した例だけではないか。

 1975年5月12日に米コンテナ船マヤゲスがカンボジアの警備艇に拿捕された際には米海兵隊60人がヘリからロープでマヤゲスに降着したが同船は無人だった。米軍は付近のコータン島に乗組員が拘束されていると見て(実は別の島に収容されていた)、艦載機による攻撃と上陸作戦を行い、カンボジアの警備兵と激しい戦闘になった。

 それ以前にカンボジア政府は乗組員の釈放を決めており、攻撃開始当時、乗組員は漁船でマヤゲスに戻りつつあった。この戦闘では米兵15人が戦死、3人が行方不明となった。全く無駄な犠牲だったが、アメリカでは当初「人質解放」に成功したように報道された。


● 法整備や部隊強化だけで済まない 現実的に困難な課題が山積

 アメリカは偵察衛星、有人、無人の偵察機を多数持ち、数百万回線の電話や無線交信を同時に傍受できるNSA(国家保全庁・職員3万人)はハッキングの達人や世界各地の言語の専門家(移民が多い)を揃えている。紛争地域にはCIA等の工作員が入り、地元の協力者も確保しているはずだが、それでも人質や捕虜の所在を正確に突きとめるのは至難の業なのだ。

 米情報機関は9.11テロ事件後10年もかけてパキスタンでオサマ・ビン・ラディンが潜伏する邸宅を突きとめ、2011年5月2日ネイビー・シールズがヘリで急襲し射殺したが、これは本人と護衛を一緒に殺せば任務を果たせるから人質救出より相当容易だ。人質救出では見張りや周辺の警備兵を制圧しつつ、人質は無事に連れ帰らなければならないから、その困難と危険は数倍だろう。


日本で「人質救出」を論じる人は、特殊部隊の強化や自衛隊の海外での活動についての「法の壁」を撤廃するだけでやれる、と思っているようだ。だが、まず人質の所在を知るためには解像力の高い偵察衛星や有人・無人の偵察機、世界的な盗聴網を備える必要があるし、各地の言語に熟達した人々を多数揃えておかなければならない。

 例えば同じアラビア語でも方言は20以上もあるそうだ。テロリストがなまりのある言葉で、隠語を使って電話で話すのを盗聴するには世界各地から優秀な移民数百人を募るしか手はあるまい。

 また潜入する特殊部隊は槍の穂先にすぎず、他国領内でヘリコプターなどが行動するには航空優勢(制空権)が必要な場合も多い。そのために常時空母1隻を出動できるようにするには、修理中、訓練中の空母を含め、3隻が必要だ。特殊部隊が潜入に失敗して戦闘になった場合に備え、バックアップに空挺部隊やヘリコプターで機動する部隊、さらに対地攻撃機も待機させておかねばならない。

 それほど大掛かりではなくても、人質救出に成功した例としては、

 (1)イスラエル特殊部隊が1976年7月3日に行ったウガンダのエンテベ空港での人質救出(エールフランス機を乗っ取り、ユダヤ人乗客106人と交換にイスラエルで服役中の40人の釈放を要求)

 (2)西ドイツの内務省特殊部隊GSG9が1977年10月13日に行ったソマリアのモガディシュ空港での人質救出(ルフトハンザ機を乗っ取り、乗員・乗客91人を人質)

 (3)フランスの憲兵隊介入部隊(GIGN)が1994年12月24日に行ったマルセイユ空港での人質救出(エールフランス機をアルジェ空港で乗っ取り、乗員・乗客232人を人質に、アルジェリアの「救国戦線」幹部2人の釈放を要求)などがあるが、旅客機のハイジャックの場合は、はじめから人質の所在が明確だから成功したのだ。

 この他にも英、仏による海外での人質救出の成功例はいくつかあるが、それらはアフリカの旧植民地で発生し、元の宗主国は地元の事情に詳しく、独立後も軍人の教育・訓練や装備の供与で軍同士の関係が密接だったことが成功の主因だったようだ。

 日本で従来論じられてきた「邦人救出」は在留邦人の避難だから、昨年7月の閣議決定では「領域国政府の同意に基づき」その政府の「権力が維持されている範囲で活動する」としている。もし自衛隊が他国政府の権力が及ぶ支配地域で「人質救出をしたい」と申し込んでも、相手の軍や警察には面子もあるから「それはこちらが責任を持って行う」と回答する公算が大きい。

 仮に日本で外国人が人質になった場合、外国軍が「日本で人質救出作戦を行いたい」と言ってきても、日本の警察庁や防衛省は「情報交換だけにしたい」と答えるだろう。


● 在留邦人避難においても 軍事力での保護は現実的でない

 在留邦人の避難に関しては、すでに自衛隊法で航空機、艦艇の派遣だけでなく、陸上での輸送も可能となっていて武器も携行できる。ただ武器使用は警察権に準じ、正当防衛、緊急避難の場合に限定されている。何とか邦人を無事に港や空港に運ぶのが目的だから、こちらから先に射撃をしないのは妥当だろう。

 在留邦人の避難には人質救出とは別の難しさがある。救出の対象人員が多すぎるのだ。例えば韓国には約3万人の居住者の他に旅行者も約3万人と見られ、中国には14万人、うち上海に6万人近くが居住している。その輸送のための空港や港湾の使用の協定はなく、戦乱や暴動、災害の場合、大混乱のさなかに相手国の同意を得られるか否かは定かでない。

 1997年に合意された「日米防衛協力のための指針」(ガイドラインズ)では「日米両国政府は、自国の国民の退避及び現地当局との関係について各々責任を有する」と定めており、米国の助力も期待できない

 安倍首相は2月2日参議院予算委員会で「国民の命、安全を守ることは政府の責任であり、その最高責任者は私だ」と述べた。だが、政府の責任は一義的には自国の主権の及ぶ範囲内で、自国民、外国人を問わず、その安全を守ることにあり、他国の主権下の地域での邦人保護には自ずと限界がある。政府があまり「責任」を強調すれば、権利はないのに責任だけを負い、国民に過大な期待を抱かせる結果となるだろう。

 もし海外での戦乱、暴動などの際、自衛隊を出動させて邦人救出に一度成功すれば、次に、内陸であるとか、暴徒の勢力が強すぎるなど、はるかに状況が悪い場合でも、留守家族や同僚、経済団体、マスメディアなどが自衛隊の出動を求め、「前回とちがい危険が高すぎる」と言えば「危険だからこそ助けに行ってくれと言っているのだ」「前は助けたのに見殺しにする気か」などと政府、自衛隊が非難され、やむなく派遣した部隊が孤立でもすれば、大部隊を送って本格的戦闘をする必要も起こりかねない。

 日本の旅券には「日本国民である本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、かつ同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する。日本国外務大臣」と書かれ、保護は相手国の官憲にお願いしている。海外への渡航は本来他国の主権に身を委ねる行為なのだ。

 日本政府が海外各地の危険度などの情報提供や、相手国政府との交渉などで邦人保護に努めるのは当然だが、軍事力による保護はいかに法律を変えても現実的に困難であることを周知させることが重要と考える。
.
田岡俊次





・ エリート層が秘密の隠れ家を買い漁っている理由

2015-02-07 17:45:44 | 政治


世界の金持ちが、将来起こりうる経済危機に対して逃げ場所を用意しているそうです。「これを読むと政治に騙されていることが解消するには、暴動が起きなければ変わらないのでしょうかね? 
世界の裏側ニュース」から転載します。




  ***************************************


エリート層が秘密の隠れ家を買っている理由
「現在、力とお金のある人間の多くが非常に恐れている」

Why The Elite Are Buying Secret Hideaways: “A Lot of Wealthy and Powerful People Are Quite Afraid Right Now”
隠れ家


1月29日【SHTF plan】http://www.shtfplan.com/headline-news/why-the-elite-are-buying-secret-hideaways-a-lot-of-wealthy-and-powerful-people-are-quite-afraid-right-now_01292015

今週、富裕層が社会の大混乱や起こる可能性のある暴動から逃れるために僻地に秘密の潜伏場所を購入していることが暴露された。

これは、世界的な「政治的目覚め」により、世界的な権力の中央集権化がさらに前進する動きを狂わせている、というズビグネフ・ブレジンスキー(ポーランド出身のユダヤ人で政治学者、元米大統領補佐官)による警告が頂点に達したものといえるだろう。


最近のダボスでの世界経済フォーラムで、経済学者のロバート・ジョンソン氏が次のように話して、大きく取り上げられている。「世界中のヘッジ・ファンドの管理職は・・・ニュージーランドのような場所に小空港や農園を購入していますが、それは彼らが逃走する場所が必要だと考えているからです


ジョンソン氏は、不均衡な収入や、潜在的な市民による暴動、社会不安が彼らのパニックの原因であると言及している。「富も力もある多く人間は今、非常に恐れています。私たちが不安定な軌道上にあると考えているようです」

「このシステムは一般市民を代表しているものではないため、適切なリソースがなく、状況は、たとえばミズーリ州のファーガソンで圧力がかかったように、時間とともに危険さを増しています」 しかし、ジョンソン氏の警告は何も目新しいものではない。スーパーリッチらは、次の金融崩壊に備えて少なくとも5年前から安全な場所の不動産を手に入れていたのである。


2010年、リバティメディアの会長で億万長者のジョン・マローンは安全対策として、ケベックとの国境付近にある静養地を購入したことを発表。「ここで何かが起こった場合に逃げる場所を持っておく」ためであり、アメリカドルが生き残るかどうか、つまり経済恐慌を通して「アメリカが持ちこたえることがどうかできるか」を懸念していると付け加えている。

2012年、ハリウッドの映画監督であるジェームス・キャメロンもまた、アメリカを離れて、ニュージーランドにある1,067ヘクターの農園に家族全員を連れて移住する決意を表明している。2006年まで遡れば、ブッシュの家族もまた、パラグアイにある10万エーカーの土地を購入している。


富裕層が逃亡の準備をしているのにはいくつかの理由があるが、所得の不均衡の拡大が主な要因である。ズビグネフ・ブレジンスキーが非難している「一般市民の)世界的な政治的目覚め」が、エリート層のさらなる権力の中央集権化への企てに直接的な脅威をつきつけているのである。


人類の全歴史の中で始めて、人間が始めて政治的に目覚めており、これは人類の歴史のほとんどで起こったことのない完全に新しいリアリティとなっている」

モントリオールでの2010年の外交問題評議会(CFR、1921年に作られた、アメリカの対外政策に最も強い影響力を持つとされる非営利のシンク・タンク)において、ブレジンスキーは上記のように話した後、この展開は「世界的な不平等、不均衡、尊敬の念の欠如、搾取から」発生したと付け加えている。


2012年11月のポーランドでの演説でも、ブレジンスキーは同様のコメントを行っており、その中で彼は世界的な「外的統制」に向けた、「大衆主義者的な現状改革主義」による「レジスタンス」運動が、ニューワールドオーダーへの動きを狂わせる脅威になっていると話している。


ブレジンスキー元国家安全保障担当補佐官はまた、「政治的に目覚めた者と歴史的に憤慨している者たちによる、外的統制への根強くて意欲の高い大衆主義者によるレジスタンスを抑圧するのは時間とともに困難になってきていることが証明された」と指摘している。


この展開をブレジンスキーは擁護しているわけではないというところが重要である。
オバマ大統領の元顧問でもある彼は、1970年に出版した著書「テクネトロニック・エージ――21世紀の国際政治」の中で、テクネトロニック・エージにおいては、一般市民は厳重にコントロールされ、操られ、「エリート層により支配され、伝統的な価値観によって拘束されない」時代とし、その到来を告げている。

市民の暴動の原因となっている。幅広く起こっている公民権の剥奪や経済の混乱状態はまた、経済学者のマーティン・アームストロング氏によって繰り返し引き合いに出されている。アームストロング氏は、1987年のブラック・マンデーや1998年のロシアの財政危機を正確に予想した人物でもある。

アームストロング氏の記述:「2016年までに経済がダウンすれば、深刻な政治的反乱が起こる可能性はより一層強くなっているように思われます。経済の崩壊が重要な要素なのです。経済を崩壊させれば市民の暴動が起きて革命が起こる

アメリカや他の西側諸国での政府や政治的リーダーへ対する信頼感は記録的な低さで停滞し続け、そこに腐敗の増加、社会的疎外感、そしてコミュニティーの欠如(2011年のロンドンでの暴動を生んだすべての要素)という有害な要素のミクスチャーにより、国内での混乱が起こるリスクがより高くなるだろう。

また、実質賃金が低下することにより、若い世代が消費者文化により欲求を満たすことが、より困難になってきている。

宗教や家庭、社会的流動性のすべての影響力が弱まる中、経済的状況が悪化し、貧富の差が拡大することによって、製品を求めることを中心に成り立っているライフスタイルを維持することがより一層、難しくなるであろう。

昨年、ミズーリ州のファーガソンで発展した状況のように、経済的弱者の多い地域では、警察官の残虐性や幅広く認識されている不正行為もまた、さらなる社会的不安定を導くことになる。

富裕層による安全な場所での不動産購入の動きは、決して彼らが権力を断念したことを意味するわけではなく、スーパーリッチが、大規模な政情不安が国内の動乱を長引かせる場合に備えて、秘密の隠れ家という形で安全策を立てているということを示唆している。




この記事の著者をフォローしたい方は:

Facebook @ https://www.facebook.com/paul.j.watson.71

ツイッター @ https://twitter.com/PrisonPlanet


*********************

ポール・ジョセフ・ワトソンはInfowars.com と Prison Planet.comの編集者です。

(翻訳終了)

・ 古賀茂明氏が直言「改革せず戦争する安倍政権止める勢力必要」

2015-02-07 00:07:11 | 政治


日刊ゲンダイに古賀氏の記事があります。ごく当たり前のことですが、真実ですね。自民との時代が長く続き、政治も制度も古びたままで20年が過ぎた。誰もが改革を望みながらも、そのことを推進できる政治家が出てきていない。利権に絡んだ政治屋と官僚が好き放題・・・・早く何とかしなければ・・・・




  ************************************


古賀茂明氏が直言「改革せず戦争する安倍政権止める勢力必要」
2015年1月2日

 2015年はどんな年になるのか。元経産官僚の古賀茂明氏に聞いた。

 90年代以降、失われた二十数年、日本は正しい道筋を見いだせないできました。国民の誰もが変わらなきゃダメだというのは分かっていて、だからほぼ全ての政党が「改革」を旗印にしたが、民主党政権は官僚主導にのみ込まれ、第三極もコケた。「改革」できないままズルズルきたんですね。

 そこに安倍首相が戻ってきて「アベノミクス」を打ち出した。今、国民は大いなる錯覚に陥っています。「何か新しいことが始まった」とみんな思い込んでいる。だけど、安倍首相がやっていることは伝統的な自民党政治です。第1の矢は「円のバラマキ」。日銀総裁を交代させて、思い切りやらせた。第2の矢は「公共事業のバラマキ」。「改革」の柱は第3の矢の成長戦略ですが、成果はほぼゼロ失われた二十数年と何も変わっていないのです

円安で日本の輸出品が安くなり、逆に外から買う物は高くなる。賃金は国際的に安くなっていますから、日本人の生活は苦しくなって当然です。株高で金持ちは浮かれているけれど、ドル換算ではマイナス成長。このままでは、日本の国力はどんどん低下していきます


■日本の“平和ブランド”をなくす安倍首相

 外交安全保障でも今年は分岐点です。安倍首相は、軍事力によって、日本の利益を守るという考え方です。しかし、俯瞰して世界を見てみると、中国に対する抑止力は軍事力よりもビジネスなんです。中国は国際世論によって非難され、ビジネスができなくなることをむしろ恐れている。

 欧米は中国が世界中を侵略していると言いますが、それはビジネスや契約による進出であり、かつて欧米が軍事力で植民地にしたのとは次元が違う。例えばアフリカの人たちは、中国を親友とは思っていないけれど、ビジネスではパートナー。植民地時代の方が許せない、と思っています。


そんな中で、安倍首相は日本の“平和ブランド”をなくそうとしている集団的自衛権の行使を容認するための安全保障法制の見直しなど、15年春以降、そうした方向性を決定的にしていく。その先には憲法改正です。

「改革はしないけど戦争はする」安倍政権の暴走を止めるためには、「改革はするけど戦争はしない」新たな政治勢力が必要だと思います。









・ 外務省が「報ステ」に異例抗議

2015-02-06 23:08:40 | 政治
国民を騙すには、マスメディアを自分の都合の良いようにするのが常套手段。ほとんどのマスゴミがアベシにたなびく中、報道ステーションの古舘さんが噛みついています。古舘さんは、福島原発事故の報道でも政府からの圧力があるにもかかわらず、真実を報道しようと頑張っています。一部の噂では4月からは降板させられ、司会者が変わるとも言われています。先日も報道ステーションで、元経産省官僚の古賀さんが「I am not Abe!」と発言し大騒ぎに・・・・・肝っ玉が小さいので、些細な事でキチガイのように騒ぎまくっているアベシ・・・・・完全に狂ってるね・・・・・以下日刊ゲンダイの記事を転載します。


  ***************************************


外務省が「報ステ」に異例抗議 安倍官邸が強める“言論封殺
2015年2月6日

ヨルダン首相

ヨルダン外遊中の安倍首相/(C)AP



 外務省は4日、イスラム国による日本人人質事件を巡り、「報道ステーション」の放送内容が事実と異なるとテレビ朝日に抗議。訂正を申し入れたと文書の形でホームページに掲載した。

 問題になったのは2日の放送内容。報ステは安倍首相の1月の中東訪問について、「外務省は官邸に訪問自体を見直すように進言していた」とし、安倍首相がイスラム国対策の支援を表明した演説に関しては、「官邸主導で作成された」と放送した。
 これに外務省が「事実と全く異なる」とカンカンで、「テロリストを支援することにもつながりかねず、極めて遺憾」とまで言っている。

 テレ朝サイドは「放送内容は取材に基づくものだ」と反論し、両者の言い分は平行線だ。確かに、最終的に中東訪問がGOになったとしても、途中でさまざまな議論があったとしてもおかしくない。


 実際、自民党関係者もこう言う。
「フランスでのテロの直後ということもあり、首相の中東訪問に『今は時期が悪い』との声が外務省内で出ていたという話は、自民党内にも伝わってきました。外務官僚が“オフレコ”レベルで愚痴ったとしたら、そんなの調査できませんよ。それでも“異例”の抗議となったのは、外務省に安倍官邸のカミナリが落ちたからでしょう」

■まるで“狙い撃ち”

「報ステ」に対しては、先月23日、コメンテーターの元経産官僚の古賀茂明氏が人質事件の対応で安倍首相を批判した際、官邸の秘書官筋がテレ朝上層部に抗議したという騒動もあった。まるで“狙い撃ち”の様相だ。

「安倍政権は政府にとって都合の悪いことを報じるメディアを選別し、圧力をかけているのではないか。こんな報道規制がまかり通れば、多くのメディアは萎縮し、御用機関になり下がってしまうでしょう。メディアが正常に機能しなければ、安倍首相はやりたい放題。まるで独裁者です。そもそも、外務省が首相に進言しなかったのなら、そちらの方が大問題。緊迫した中東情勢を全く把握していなかったということなのでしょうか」(元NHK政治部記者で評論家の川崎泰資氏)

 都合の悪いメディアへの言論封殺が、ますます強まってきている。