反省するなら姫にして

直近で言うと、昨年の4月に丸坊主にした。
その後に俺と知り合った人々には想像しにくい姿だったかもしれない。
別に反省の意、ってことではなかった。
いつもの「注目を浴びたい・突っ込まれたい病」が発動したというだけ。
大体、反省して丸坊主などという所作の80％は
実は自己顕示欲の意識または無意識の発露であると俺は信じている。

あ、いや、別に某アイドルグループの醜聞（笑）をネタにするつもりはない。
なので、以下の文章はその某グループとは関係ない。
アイドル界における無用かつ不毛な対立構造に興味はない。

	仮契約のシンデレラ(初回生産限定盤A)
	クリエーター情報なし
	DefSTAR RECORDS

王子様の姫になりたい少女。
契約してください、と願う中学生。

リアル中学生にとっての「王子様」と言えば、
少なくとも不惑のおっさんが含まれないのは明白だ。
自分の厨房時代を考えても、
同級生の女子が40男を恋愛対象と見ているとしたら、
かなり複雑な（嫌悪感交じりの）感情を抱くであろう。

なので、本来的に言えば
私立恵比寿中学「仮契約のシンデレラ」で歌われている彼女たちの王子様は
少なくとも自分(42)のことではないのだ。
あくまでもリアルな感覚に法れば。

しかし、生憎俺は何時の間にか
アイドルとしての少女たちを愛でる世界観のまっただ中に生きている。

この世界では、全ての荒唐無稽がファンタジーとして肯定される。

おっさんでも肯定。
加齢臭でも肯定。
ハゲでもデブでもキモくても肯定。
犯罪行為や迷惑行為を働かぬ限り、
ファミリーはその存在をメンバーから半永久的に肯定される。
確信犯的に言い換えれば、
40男が女子中学生から承認してもらえる場所なのだ。

そして多くの場合それは無償ではなく、
事によってはCD複数買いなどという代償行為を伴う（俺はしないけど）。
そういう意味では、冷徹な経済合理性に支配された世界とも言える。

別に、リアルな生活で自分を否定されているわけでもないし、
言うほど挫折感を味わってるつもりもないけど、
少なくとも彼女たちは裏切ったり立ち去ったりすることはない。はず。
…という、まさに一種のファンタジーがある程度保障されている。

だからこそ、たぶん俺は今日も朝から晩まで動画を漁りイヤホンを手繰り寄せる。


そのファンタジーが打ち破られる時、
もしかしたらそこに丸坊主という別のファンタジーが（略