クック補筆 第10番

2009年05月02日 11時42分35秒 | 巻九 マーラーが私に語ること
連休であり、夜勤明けである。
長期休暇には何の幻想も抱かない。
実のある過ごし方など、端から求めん。
いわんや、大渋滞に自ら突入(笑)、をや。
無為自然。なるたけ老荘思想な生き方を所望する。
実存など要らぬ。曖昧模糊で宜しい。胡蝶の夢。

Mahler 10

交響曲第10番(クック版)全曲
ハーディング&ウィーン・フィル

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恥ずかしながら、
クックによる全曲版は初めて聴く。
第9番あたりから感じられた浮遊感が、
ここでも主となって響く。
調性的な安定感は、もうほとんど聴こえない(気がする)。
作曲は1910年より。未完。

5楽章の到達点を聴くと、
第1番など初期の作風が嘘のようだ。
得体の知れない不安感と
実体を伴わない安心感と
音響的壁画に彩られし無重力感。

そうだ、9番といい、この10番といい、
このころのマーラーには
地に足をつけることを頑なに拒む感覚があるのだな。
胡蝶の夢。

つんざく喇叭と打撃する太鼓、
そして沈みゆく。

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