映像の世紀 第4集・第5集

2009年05月03日 14時38分42秒 | 巻六 世界史
穏やかなゴールデンウィークの昼間に立て続けに観させていただいた。
最も興味深い年代から。

何度観ても、鬱だす。重いであります。。

NHKスペシャル 映像の世紀 第4集 ヒトラーの野望 [DVD]

NHKエンタープライズ

このアイテムの詳細を見る


NHKスペシャル 映像の世紀 第5集 世界は地獄を見た [DVD]

NHKエンタープライズ

このアイテムの詳細を見る


しかし、ほんとよくこんな映像「とって」いたものだ。
「撮って」、そして「とって(保管して)」。
過去の膨大な映像をピックアップして編集したものだから、
製作者(NHK)の主観が支配するものであることは当たり前である。
そのうえで、
NHKもいい仕事するときゃするんだということか。

もっとも、これは10年以上前の放送だから、
今このレベルの番組を世に問えるのか、
いろんな意味で不安ではある。
放送当時と今とでは、
明らかに「右傾化」した状況があるからな。

ちなみに、この第4集・第5集において、
ヒトラーやスタリンやムッソリーニ・チャーチルといった主役級がどんどん出てくるのに
不思議とヒロヒトのシーンはない。
 おおきみのみたて(大君の御盾でいいのかな?)とか、
 学徒出陣式のテンノウヘイカバンジャーイとか、
 彼の存在自体は示唆されておるが。

---------- キリトリ -----------

ふと思うのだが、
21世紀をテーマにした「映像の世紀」が80年後に作られるとして、
いや、別に半世紀でも四半世紀でもいいのだが、
恐らくその作品はまったく本家「映像の世紀」とは趣の異なるものとなろう。
誤解を恐れずに言えば、完全につまらない「ニュース総集編」とか。
さらに、どの立場で編集するかによって、
まったく別のモノが出来上がるのではないか。
どちらにせよ、収拾つけることは至難と言えよう。

その意味で、20世紀は比較的単純であった。
解り易い悪モノが解り易い悪事を働いていた。
実相は決してそうでないのだが、
しかし世間世界がその様に認識してしまい、
それが何の疑問もなく定説となってしまう、
それほどに、非「情報化社会」であったと思う。

イラクを見よ。パレスチナを見よ。チベットを見よ。
そして、ついでに日本も見よ。

現代はあまりに情報が過多で、
あまりに多様な観点が横溢してしまった。
そして最悪なことに、
異論ある他者と解り合うことを拒むことで
自身の存在を確かめ、内輪で完結してしまう。
多様にして、モノトーン。

そんな世界を、コンパクトな映像の編集で提示することなど、
まして「不偏不党」(ホントはそんなもの幻想なのだが)など、
もはや不可能ではないのか?


視覚メディア関係者よ。
悔しかったら作ってみ。

---------- キリトリ -----------

この全集入手に尽力されたまるせいゆ曹長には
柏葉付スターリン大賞を授与します。

---------- キリトリ -----------

こちらもオヌヌメ。

パリは燃えているか ― NHKスペシャル「映像の世紀」オリジナル・サウンドトラック完全版
加古隆
ソニーレコード

このアイテムの詳細を見る

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« クック補筆 第10番 | トップ | 映画「ワルキューレ」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿