プレートル&ウィーン響の第6番

2011年05月21日 19時40分25秒 | 巻九 マーラーが私に語ること
ここのところ、第6番「悲劇的」をヘビーローテーションだ。
元来非常に重たく濃い楽曲であり、
正直連日聴くようなものではないと思う。
だが、まあ、好きになったら歯止めは利かず。アヘンだね。

マーラー:交響曲第6番「悲劇的」
ジョルジュ・プレートル指揮ウィーン交響楽団
WEITBLICK


プレートルのマーラー。初めて接する。
あくまでも第一印象であることを前提に、感想。

第一楽章、非常にマイルドな響き。
強いて言えば「温かさ」や「優しさ」さえ感じる。
おそらく、ホルンをはじめとした中低音の金管楽器の
いい意味での自己主張の故ではないか。

第二楽章、テンポは速い。
しかし決してそっけない訳でも軽い訳でもなく。
シロフォンが物足りないと思うのは、
例のテンシュテットのライブ盤がトチ狂っているせいだろう。

第三楽章、とても素晴らしい。
何が素晴らしいって、ホルンの朗々たる響きがやはりここで活きてくる。
終結付近のクライマックスはもうとてつもない陶酔感。
ここを聴くだけでも十分お釣りがくる。

第四楽章、さらに金管楽器はパワーアップ。
第一楽章の「優しさ」がそのまま厚みを増し、
決して凶暴ではない強く明るくフィナーレを飾る。
まるで、輝かしい勝利の凱歌だ。
あれ、この曲って副題「悲劇的」だったよな、と思う間もなく。

こういう方向性の演奏もいいなあ。
確かにテンシュテット的なネチネチした質感とか、
押し寄せてくるような情念はさほど感じないけど。

何はともあれ、ホルン隊に特に拍手。

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