11月30日(水)、庭に初雪がうっすらと積もった。
遅れて出てきたシイタケに粉砂糖のように降りかかっている。
育つのは難しそうだ。
コスタリカに『プラ・ビダ(Pra vida)』という言葉がある。
直訳は「純粋な人生」「素朴な生活」で、「最高」「楽しい」「ありがとう」「大丈夫」といったポジティブな意味もあっていろいろな場面で使われるらしい。
サッカーワールカップの日本戦が終わって、コスタリカはどんな国なのだろうと調べていて知った。
中米の四国と九州を合わせたほどの美しい小さな国の主食はコメ(長粒のインディカ米)。
親近感を覚えるが日本と全く異なることがある。
国会議員の連続再選を禁じている。所謂「コスタリカ方式」だ。
4年の任期を終えると次の選挙には出れない。選挙民との癒着による政治腐敗を防ぐためだ。
とかく物議を醸している〝老害〟森喜朗が、かって強弁して日本に持ち込んだ〝コスタリカ方式〟は政党内で選挙区と比例区を使い分けて長いこと議員でいられるようにしたもので、「本家」とは真逆の何の関係も無いシロモノで迷惑なことだっただろう。
そして、コスタリカには軍隊が無い。
1948年の内戦が終わって、『兵士よりも多くの教師を』のスローガンの下に廃止した。
アメリカの基地も断っている。
軍事費を教育と医療・福祉に回した方が皆が幸せに暮らせることを学び、識字率は97パーセント、平均寿命は80才を達成しているという。
国内電力も98パーセント以上が水力・風力・地熱といった再生可能エネルギーで賄われ、国土の1/4を国立公園と自然保護区に指定するなど、自然環境の保全に力を入れている。
国民は周辺国の戦争負傷者の手当や難民のケアなど様々な平和を守る努力を積み重ね、コスタリカを「平和の国」として認めて貰うことにより、侵略されたり戦争を仕掛けられたりするはずも無いのだと自信を持って暮らしているという。
1980年代には当時のアリアス大統領が周辺の内戦を対話によって終わらせ、後にノーベル賞を受賞している。
まさにPura vida, Costa Rica!だ。
戦後、専守防衛を国是としてきた日本。
安倍政権で自衛隊の海外派遣を含む集団的自衛権の行使が出来るように強引に法律が改正され、今、岸田首相は突如「専守防衛を変えずに敵基地攻撃」という矛盾することを言おうとしている。
常識的でハト派の宏池会の継承者というのなら少しはコスタリカを見習ったらどうか。