楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
気の向くままに日常と趣味の自転車旅を綴ります。

「緊急事態」を避けるために

2020年03月31日 | 日記

大阪で動物病院を開業している大学時代の友人から先日メールが来た。

政府の「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」でクラスター対策の分析等を担当している、北大大学院医学研究院教授の西浦博氏が保健医療従事者へ送ったメールの転送だった。

気の緩みが大規模流行に繋がる危険性があること、全国の医療関係者が「知識の伝道者」となって市民に行動を変えることを啓蒙して欲しいと訴えている。

「助けてください。」という言葉から状況が切迫していることが伝わってきた。当ブログでも転載します。

注)アンダーラインは筆者。転載のため書式が原文と異なるところがあります。

 

保健医療従事者向けのメッセージ (2020.03.25現在) 

今は2月よりも厳しく、今からこそイベント自粛とハイリスク空間を避ける声を保健医療の皆さんから届けていただけるよう、助けてください。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行対策のメインストリームは「屋内の接触を断つこと」です。これまで、安倍首相から大規模イベントの自粛が要請され、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議からは3条件(密閉空間、密集場所、密接場面)が揃う場所での屋内接触を自粛するように求めてきました。 大規模イベントの中止は当初、科学的エビデンスや専門家会議の提言に基づくものではありませんでしたが、海外での宗教法人での伝播が知られており、また、日本では「さっぽろ雪まつり」での2次感染が疑われています。ある時、突然に2次感染者数が一気に増えたメガクラスターの形成、ひいては大規模流行の原因となることが危惧されます。フィットネスジム、ライブハウス、大人数での接待飲食など、屋内で3条件を満たすような場所での2次感染は実例として知見が蓄積されています。中国の都市封鎖と外出禁止令が湖北省を中心に著効したことが知られています。
また、私も分析に協力させていただいている(座長指定の者である)3 月19 日の厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策専門家会議で方針を示しましたが、日本における国内感染は上記の大規模イベント自粛と行動自粛の実施中に、新規感染者の発生が減少に転じたことが知られています。この感染症は行動変容を伴う努力をもってすれば「制御できる」のです。

「解禁ムード」の広がりを大変危惧している
しかし、3 月19 日に少しでも良いニュースが伝わり、小中学校などの休校が解除される方針が伝わったことで、市民の間で「解禁ムード」が広がってしまっていることを大変危惧しています。行動がいつも通りに戻ってしまうと、アメリカや欧州各国で見られるような爆発的な感染者数の増大が懸念されるためです。特に大規模イベントを流行地域で再開してひとたび大規模流行が発生すると、流行が制御不能になります。
大きな流行が起こると、都市の封鎖を伴うことに加えて、皆さまの近しい方々も感染や命の危険にさらされてしまうのです。加えて、COVID-19 は感染から発症まで平均5 日程度、発症から診断されるまで平均7 日程度とされており、無症候性の感染者も少なくないことから、感染者数の急激な増大にリアルタイムで気づくことができないのがこの感染症の難しさです。

空から次々と焼夷弾が降ってきているような状態

今、海外で流行が増大しているため、状況は1 月以降、これまでの2 カ月半よりも厳しい状態にあります。ヨーロッパ、米国、東南アジア、中東などから、続々と感染者が訪れています。上記のように国内伝播を一旦制御に近くできたために、最近報告される感染者数の結構な割合を輸入感染者が占めるようになってきました。外国籍の方の入国は一部止まりつつありますが、米国は続いていますし、邦人の帰国には備えなければなりません。
報告された輸入感染者は氷山の一角であり、今後、診断されていない輸入感染者が続々と次の流行を生み出すものと思われます。
それは1 月から2 月上旬に中国および中国帰りの渡航者を端緒として始まった流行の比ではありません。非常識を承知で分かりやすいようにミサイルで例えると、1 月から2 月上旬は短距離ミサイルが5~10 発命中した程度ですが、この3 月のパンデミックの状況というのは空から次々と焼夷弾が降ってきているような状態です。そこで「火事を一つ一つ止めないといけない」というようなのが今の状態です。
このことを少なくとも全国の保健医療関係者にご理解いただけないままでは、今後、大規模流行が起こるリスクが高いことを、私は危惧しています。現状では、市民の皆さまがそこまでの危機意識をもってこの流行に対峙したり、一人一人の行動を考えていないものと思います。過度の行動制限や都市封鎖などで見込まれる経済的ダメージが起こらないように、50 人以上の大規模イベントへの参加をやめ、2 次感染が何度か発生した3 条件の重なる場所(例えばスポーツジム、ライブハウス、展示商談会、接待飲食など)およびその他の機会(懇親会など)の接触を控えることができないといけません。

全国の保健医療従事者へ

「助けてください」ぜひとも全国の保健医療従事者の皆さまにまずこのことを知っていただき、皆さんが知識の伝道者となっていただかなければなりません。
今、頑張って皆で行動を変えることができれば切り抜けられる可能性が高いです。皆さんの力が必要です。お願いします、助けてください。


               北海道大学大学院医学研究院 教授 西浦 博

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


- 第三者委員会立上げキャンペーン - 公正中立な調査を!

2020年03月29日 | 日記

「私の夫、赤木俊夫がなぜ自死に追い込まれたのか。有識者によって第三者委員会を立ち上げ、公正中立な調査を実施してください。」

赤木さんの奥さんが3月27日午後、インターネット上の賛同者募集サイトChange.org(チェンジ・オーグ;米国法人)で呼びかけを始めた。

僅か二日で15万人の賛同者が殺到した。その一人になつた。事務局によると日本で過去最も多く最も速いという。

奇しくも3月28日は赤木さんの誕生日だった。大阪日日新聞の相澤冬樹記者(元NHK大阪)がyahooニュース(3月29日9:23)で伝えている。

赤木さんの『手記』報道に続いて、3月26日に発売された『週間文春』をネットで買って読んだ。

信頼する直属の上司だった池田靖氏(当時、統括国有財産管理官)が一周忌の時に奥さんに告白した内容を報じている。

地下埋設物の程度と撤去費用、どれだけ売却額から引かなければならないのか、「自分たちは最期まで調べようとしたが大阪航空局(国有地管理者)は動かなかった。撤去費用が8億円になるという確信、確証が取れていないんです。」

「赤木さんが文書改竄の詳細なファイルを残していて、大阪地方検察庁に提出している。どのような課程で改竄したかが全部わかる。」

この2点も新たに出てきた事実と思われる。最近の世論調査も8割が再調査を求めている。

安倍首相と麻生財務大臣、佐川理財局長(当時)は新たな事実と新たな調査を求める声に真摯に応えなくてはならない。

この件に限らず政権と国民との信頼感がどんどん乖離してきている。

 

 


私の自転車旅 -防寒睡眠-

2020年03月28日 | 円 -bicycle-

 

恵庭岳が白くて風は冷たい。九州自転車旅で知り合ったFさんから葉書が届いた。「コロナが収まったら今年も北海道に行きます。」とあった。一時、体調を崩したので心配していたがひと安心だ。

九州と福岡で何度かお会いしているが、80才を超えてかくしゃくとし、全国を輪行の自転車旅で回っている。見習うべき師匠だ。

今日(3/28)は天気も良いので冬の間部屋に保管していたMTBを組み立てた。ギアとチェーンは秋に綺麗に掃除をしておいたので気持ちが良い。

冬の間は朝食前に室内でロードレーサーを軽く回してきたが、これで4月からMTBで朝の河川敷ポタリングを始める準備が整った。

ここ数年、4月に対馬・釜山、台湾一州、トカラ列島・南九州を旅してきたが、今年はコロナウイルスの様子見をしながらゆっくり始動だ。夏は道外からの知り合いとツーリングするのが楽しみだ。

「自転車旅の野宿はどうやってするの?」と聞かれることがある。北海道では5月いっぱいと9~10月は夜の防寒対策は大切だ。

私はスリーシーズンの羽毛の寝袋に古くなった冬の防寒着を着て潜り込む。下着は洗濯して直ぐに乾く化繊のスポーツパンツに普通のタイツ、やや厚めの長袖シャツで十分暖かい。

パンツにTシャツ1枚だけの夏が待ち遠しい。コロナが早く収まって欲しいものだ。

 

《防寒着は畳んでチューブでぐるぐる巻きにするとコンパクトになる。(右端)》

 

 


東京オリンピックの延期

2020年03月27日 | 日記

24日に2020東京オリンピックの概ね1年の延期が決まった。IOCのバッハ会長が、4週間検討して結論を出すと述べた僅か2日後の安倍首相との電話会談でのことだった。

いつの間にか4週間後は開催日程の発表に変わっていたが、ではいつ延期そのものが決まったのだろう。日本は蚊帳の外だった?

参院予算委員会で1年の根拠を問われた橋本五輪担当大臣は要領を得ず、委員長から「根拠を質問されています。」と注意を受けたが、腰だめ答弁に終わった。

コロナウイルス・パンデミックの中で、今年開催に拘る日本の姿勢が世界のアスリート、競技団体の理解を得るはずもない。慌てて安倍首相が主導権をアピールしたのだろう。いつものパターンだ。

山積する問題は先送りし、取り敢えず延期したという曖昧さが残る。2020東京大会は“アスリートファースト”と言われているが、商業主義オリンピックに群がる人々の“経済ファ-スト”であることは誰の目にも明らかだ。選手は何も言えない。気の毒だ。

エコノミストによると、2020東京大会の開催経費は当初の7千億円を遙かに超えて3兆円が見込まれるが、GDPの押し上げ効果は開催年を含めた3年間で約17兆円、開催年が約3兆2千億円のプラス効果が見込まれていたと言う。

しかし、タイムラグはあるし、過去の経験則によれば既に2年間分の経済効果である13兆8千億円程度が出現しており、特需のピークは過ぎているらしい。その結果が今のGDPマインス6%台の伸び率予測である。

コロナウイルスの汚染拡大でさらに深刻な不況に陥るのは間違いない。先送りされた“捕らぬ狸”の3兆円を期待して、“来年の2020東京オリンピック”を損失を出さずに終わらせるのは素人目にも不可能と思える。

何より、「完全なる形」かどうかはその時又判断しなければならない。選手にとっては辛いが「中止」にして、まだキズの浅いうちに経済的な影響の処理をすべきではなかったかと思う。

選手や関係者に一人でも感染者が出ただけで練習がストップする。世界的な視点で代表選手と代表を目指す選手に果たしてベストの練習環境が提供されるのだろうか。必ずしもアスリートトファーストではないように思う。

オリンピックそのものを考え直し、誘致の時と同じく“同調圧力”が強い日本社会を考える良い機会と思っていたが、ずるずると延期に進んでしまった。


赤木さんの『手記』を巡って - 『文春』が3/26に続報 -

2020年03月25日 | 日記

ウイルス感染とオリンピック延期報道で元近畿財務局の赤木俊夫さんの命をかけた『手記』が押し流されそうだ。

そう感じていたら明日(3/26)発売の『文春』が、赤木さんが信頼していた当時の直属の上司の池田統括官が、1周忌の昨年の3月に赤木さんの奥様に打ち明けた国有地売却の詳細を報じるとのこと。

8億円の値引きの根拠になったゴミの埋蔵量ついては資料が乏しく、会計検査院報告書では試算を示して終わっていたと記憶している。

赤木さんの『手記』でも「内部検討資料は一切出さないこと、文書として保存していないと説明するよう事前に本省から指示があった。」と記されている。

安倍首相の「新事実は無いので再調査はしない。」という役人のテンプレート答弁をひっくり返すには新たな事実をひとつひとつ積み重ねることしかない。

かつての関係者が勇気を持って真実を証言することが赤木さんの霊に報いることではないか。

 

  《庭の福寿草 2020.3.25 9:00》 


芸術活動に対する対策が疎かではないか -コロナウイルス-

2020年03月24日 | 日記

コロナウイルスの世界的な感染拡大が収まらない。日本も実際の感染者数はケタが違うのではないかという見方もある。首都圏の感染爆発が心配だ。

各地のオーケストラの公演中止・延期が続いているが、厳しい運営環境の中で音楽史上、おそらく誰も経験したことのない「無観客演奏会」等ファンのためのサービスが様々な形で行われている。

普段あまり聴く機会の無い地方オーケストラの演奏を聴いてみた。既に公開が終わった動画配信もあったが、音楽ホールでは考えられない万単位の視聴者が楽しんだようだ。

クラッシック音楽事業協会によると、3月の第二週末現在で全国で740公演が中止・延期となり、その損害額は中止だけで24億円を超えるという。

所謂プロオケの団体である日本オーケストラ連盟の会員は35(正25準10)。単純に考えると現時点で1団体当たり1億円近い損害が出ていることになり、ウイルス感染が長期に亘ると日本の音楽芸術活動に大きな影響を及ぼすことが懸念される。フリーランスの演奏家も多い。

ヨーロッパではオーケストラに対する休業補償対策が組まれていると聞く。音楽ばかりでなく、演劇、美術等の芸術活動を守るための政府の本格的な対策と一日も早いウイルス感染の収束が望まれる。

 

政府のイベント中止要請に伴うオーケストラ演奏活動;チェックしたもの】

*東京交響楽団 無観客 定期演奏会 2020.3.8  川崎(ニコニコ動画)     

*群馬交響楽団 無観客 定期演奏会 2020.3.21  高崎(FM GUNMA)        

*山形交響楽団 無観客 定期演奏会 2020.3.14  山形 (アーカイブ動画)

*九州交響楽団 定期演奏会無料動画配信

九州交響楽団定期演奏会(2019.7.27)の無料配信

(楽団HPより)

九州交響楽団は、この度の新型コロナウイルス感染拡大防止のため、3月に予定しておりましたすベての主催演奏会をやむをえず中止し、2月の「名曲・午後のオーケストラ」公演以降、演奏活動ができておりません。このため、ご来場を楽しみにしてくださっていたお客様のために九州交響楽団が出来ることはないかと考えました結果、今年度7月の定期演奏会で録画しておりました「マーラー交響曲第3番」の動画の一部を配信することにいたしました。動画配信にあたっては、出演者の皆さんのご理解とご協力、また(株)カウテレビジョン他たくさんのご協力をいただいております。心よりお礼申し上げるとともに、16年ぶりの東京公演は叶いませんでしたが、福岡だけでなく、全国の皆さんに今の九州交響楽団の演奏を届けられたらと思います。下記の「九州交響楽団TV」のページでどなたでも無料視聴が可能です。多くの皆様のご視聴をお待ちしております。

 

 《九州交響楽団》


 《東京交響楽団 無観客公演》

 

 


歳を重ねる姿

2020年03月22日 | 日記

向かいの爺さんは95才。背中が曲がってきたが、今でも冬は雪が降っていようが晴れていようが、少なくとも日に三度は外に出て雪と共にいる。我が家の2階の窓からその姿が目に入ってくる。

道路、通路の雪を撥ねるか庭箒で掃いている。声を掛けると「いゃ~まいったぁ。」と言いながら顔は笑っている。

隣のおばちゃんは80才は過ぎている。この時期になると「氷割りが大好き。」と家の前でツルハシを振るう。秋田生まれの小柄で“働き者”という言葉がぴったりの人だ。

先日は「やっていいかい。ゴメンネ。」と言いながら我が家の前をひと足早く春にしてくれた。リズムがあって休まない。ついて行くのが大変だった。

二人からは科学的に鍛えたスポーツのパワーとは違った、人間が自然に備えている素朴な力を感じる。生活の中で培ったしぶとさだ。

ある時聴いてみた。爺さんもおばちゃんも偶然にも若い頃は鉄道の「保線」の仕事をしていたという。父親が国鉄のSL機関士だったのでまさに奇遇だ。

小さい頃、「保線は力仕事で特に冬は大変なんだ。保線の人がいなければ汽車は動かない。」とよく言っていたことを想い出す。

雪が融けて春の訪れと共に二人の姿を見かける回数が減った。時々、家の前で元気な姿を見るとホッとする。

いや、実はこちらがまだ寝ている夜も明けやらぬ時間に家の周りの片付けをしているのかもしれない。若かりし頃の鉄路の見回りのように。

爺さんは家の前を通学する子ども達によく声をかけている。おばちゃんは犬の散歩と花壇づくりに井戸端会議だ。

老人の一人暮らしの見守りのことが言われる。二人から歳の重ね方を教わっている幸せを感じることがある。

 

《春分の日》


赤木俊夫さんの手記を読んで

2020年03月20日 | 日記

1918年3月17日、近畿財務局の赤木俊夫氏が自死した。朝日新聞が不明朗な国有地売却のスクープ記事を出して1年後のことだった。

それから2年が経って生前に書き残していた「手記」が週刊文春によって公開された。

NHK大阪放送局の記者としてこの森友事件を追っていた相澤冬樹記者(現・大阪日日新聞)の執念のスクープだ。

「手記」を読んでみて真っ先に思ったのは、どうして赤木さんは生きてこの告発をしなかったのだろうということだった。

末尾にある「事実を、公的な場所でしっかりと説明することができません。」という一文が胸に刺さる。

2018年2月から書き始めた「手記」は〝はじめに”で始まる。普通、研究論文か役所の文書以外にこのような書き出しはしないと思う。

死の間際に書いたものではなく、落ち着いた中で書き始めていたような気がする。4項目に分けて実名を上げて経緯を詳述した役所の文書だ。人柄が偲ばれる。

全くの推測だが、問題の国有地の払下げ事務には元々はタッチしていなかったのに、その後始末を担当することになった赤木さんは機会をみて不正事実を告発、告白するために「手記」を書き進めていたのではないか。

しかし、人事異動で一人残され、国有地売却の書類までが全て無くなっていることに気づいた時にその意欲も削がれ、最期は「遺書」に変わっていったとしたらこんな残酷で無念なことはない。残された問いかけの遺志は重い。

自己の責任を突き詰め、悩んで悩んで最期に向かった日々が読んでいて苦しい。手記の公開に踏み切った奥様の苦悩も想像を絶する。

赤木さんは国鉄に就職したが分割民営化で中国財務局に転職していることを文春記事で知った。

そのような仲間を迎えた経験があった。赤木さんと同年代だ。優秀で、仕事に熱心。選ばれて来たことへの責任感が強い人だった。人柄が重なった。

安倍首相は「徹底した財務省調査と検察捜査で事実は解明され、“終わっている”」との役所が書いたテンプレートを繰り返し、世間の“疲れ”を待つだろうが、財務省調査は〝新たな事実が明らかとなるような場合は〟再調査の道を残している。会計検査院も隠された資料を見ていない。国会はこの点を追求すべきだ。

そして、何より「手記」が問うているのは「主導した当時の財務省佐川理財局長に指示を出したのは誰か。」という一点と財務省に限らない世の不条理だ。

この先、国会に佐川氏が証人出廷するかどうかははっきり言って可能性は低い。しかし、刑事訴追の恐れがあるという理由で国会証言をことごとく拒否したことと黒川検事総長の就任は世論の力で変えられる。

- 思っていることが言えない、知っていて知らないふりをする、平気で嘘をつく、信頼する人に裏切られる。 -

そんな今の世の中に赤木さんは遂には死の抗議をするに至ったのではないかと思われてならない。

「手記」は国有地の不正取引ばかりでなく役所組織のガバナンスの糾弾もあり、単に森友事件の真実ばかりでない。

この裁判を忘れないでいたい。奥様には頑張って欲しい。

 

 

 

 

 

 


空々しい“ワンチーム”

2020年03月17日 | 日記

2年前に台湾を自転車で一周したことがあった。台湾人が親日的であることは聞いていたけれど、いろいろな場面で助けて貰って無事に旅を終えることが出来た。

交差点で隣のバイクの女性が銀行への道を先導してくれたり、夕闇の山中で宿が見つからず途方に暮れていたら通りかかった二人の若いツーリストが教えてくれたり、喫茶店で一緒になっただけの食堂の店主が夕食をご馳走してくれたり・・・。良い想い出ばかりで感謝している。

そんなやさしい台湾の迅速できめ細かいコロナウイルス対策が世界の注目を集めている。冒険者の集まりである『地平線会議』の通信の記事で知った。

副総統が感染症の専門家であったり、政府スタッフに優秀な若い女性がいたり、中国寄りでない民進党政権であったり、いろいろな要因があるようだが、政府が毎日会見を開いて国民との意思疎通を図っていることが対策を活性化させているようだ。

WTOに加盟出来ていないがレントゲン写真を世界に提供している医師もいるという。

片や日本はどうだろう。日頃“危機管理”を声高に叫ぶリーダーが記者会見から逃げ回っている。政府発表は額面通りに受け取られず、対策内容にも政治家としての迫力が無い。readerとの揶揄もある。

国家の危機に直面した時、リーダーに一番求められるのは「国家が国民を確実に守ってくれる。」という信頼感を醸成出来るかどうかではないか。

コロナウイルス感染の発生はその実験場だ。数々の疑惑から国民の目を遠ざけてきて今更“ワンチーム”など空々しい。

 

 《台湾南部の墾丁の山中で先住民族の人が季節営業していた別荘風の立派な宿。4月だったが、地元サイクリストが主人に電話連絡を取ってくれて泊まることが出来た。これで今夜は眠る事が出来ると心底、安心した。1918.4.》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


北海道「緊急事態宣言」は必要だったのか。

2020年03月15日 | 日記

道の鈴木知事が新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、北海道「緊急事態宣言」を全国に先駆けて早々に出したことが未だに理解出来ないでいる。

インバウンドに頼る日本経済が大打撃を受けることが予見されていたのに、敢えて北海道に風評被害を呼び込む必要があったのだろうか。

知事要請だけで道民は整然と行動し、PCR検査も最大限行われたのではないか。

国の支援を引き出す意図があったとすればこれまでのところマスクの優先配布くらいであり不発に終わったことになる。

何より理解できないのは法的な根拠だ。3月13日に一部改正された「新型インフルエンザ等対策特別措置法」は民主党政権時代の2024年に出来た法律であり、元々「緊急事態宣言」が条文にあった。

それは内閣総理大臣が「緊急事態宣言」をすれば、知事、市町村長が必要な措置を執るということであって、鈴木知事の「宣言」はこの法律に拠るものでもなかった。

新型コロナウイルス拡散の終息は見えないが国は今を緊急事態とは見ていない。北海道の宣言が宙を彷徨うことがないようするにはどうすれば良いのだろうか。

緊急事態について、私権の制限、2年という長い期間、国会承認不要という問題点が残ったままで特措法が成立した。

善し悪しはあるにせよ、以後は法律に基づいて対処することにして、北海道「緊急事態宣言」は一定の評価をした上で降ろす時期ではないか。

ずるずるとアドバルーンを掲げていると安倍政権が目論む「憲法の非常事態条項」の導線に利用されないとも限らない。理解そのものを超えてしまう。