2022.6.24
知人のAさんが朝の自転車散歩の時に、「小樽に〝角(すみ)打ち〟がある。」と言うので、先日、行ってみた。
Aさんは昔の職場の先輩で、月に1回、「例会」と称して近くの焼き鳥屋と居酒屋で呑む。
居酒屋の主人のKさんと札幌在住のTさんを誘い4名になった。
あいにくの風と雨だったが、誰からも「どうする?」との電話は来ない。笑
久し振りに張碓の海をJRの車窓から眺め、2,500円だったか、今は無き〝JR一日散歩切符〟で滝川、長万部、新得方面へとこの4人で温泉と酒を満喫した想い出が蘇る。
鈍行列車でゴットン、ゴットン揺れながら夏の稲穂、秋の紅葉、冬のエゾマツを眺めながら飲んでいると、小さい頃に大人達が駅弁でチビチビやっていた姿がいつも話題になった。
我々もそんなトシになったか・・・。
小樽駅からバスで手宮の日帰り温泉に向かった。
ゆっくり浸かって、昼の宴会だ。話題は〝一日散歩切符〟の想い出。
ひと眠りしてから小樽市街地までバスに乗り、ちよっと寂しいアーケード街を歩いて夕方5時に目指す「小樽酒商たかの」の2階にある「角打ち」に着いた。
「角打ち」
聞いたことはあったが・・・。
調べてみると、始まりは北九州北工業地帯らしい。
炭坑や製鉄所の深夜労働者が仕事を終えて一杯やる場所に選んだのが、朝から営業している酒屋だった。
酒屋の小さなカウンターで、枡の「角」に口を付け一杯飲む姿が「角打ち」になったとのことだ。
飲むことを「打つ」と言ったのは、〝博打打ち〟から来ているのではないか。
炭坑で育った人間の勝手な想像である。
その後千葉に新たな製鉄所が出来て、労働者が北九州から関東に移り住むことで、角打ちの文化も徐々に広がった。
酒屋の店頭で酒を飲む風習は古くからあり、関西地方では、酒屋で立ったまま飲むことを「立ち呑み」、東北地方では「もっきり」、山陰地方では「たちきゅう」と呼ばれるという。
北海道は「モッキリ」か。
今では洒落た「立ち飲み屋」にサラリーマンや若い女性が立ち寄る時代になった。
「小樽酒商たかの」の主人から良い話しを聞かせてもらった。
「高齢者のグループがちょくちよく来るが、大抵、中に我の強い人がいて自説を曲げずにケンカごしになったりする。貴方たちにはそれが無い。お互いに相手の話を良く聴いて会話を楽しんでいるのが素晴らしい。」と。
九州から始めた全国各地の銘酒漫遊の旅が止めども無く続いた。笑
【初心者のための利用方法 -ブログ記事より-】
・主人の居るカウンターで1枚100円のチケットを適宜、購入
・冷蔵庫の中の日本酒をチョイスして主人に注いで貰いチケットで支払う(殆どの酒が1杯500円)
・肴を適宜注文(300円~600円、その日の通しはセットで300円;写真)
・水も一緒に飲んで悪酔い防止!
この日のチケット代は3,000円/ひとり でした。
終わり。