「開催国の管首相が中止を言ってきてもやる」と言うIOCバッハ会長。
「私には中止の権限は無い」と言う管首相。
「政府に忖度し過ぎた」尾身新型コロナウイルス感染症対策分科会会長。
揃いも揃ったりの無責任体制の東京オリンピックが無観客どころか〝無国民〟で開幕されようとしている。
残り50日を切って、流石に尾身会長が声を上げた。
「専門家の意見を聴いて総合的に判断する」と繰り返し言ってきた菅首相は、尾身会長が最近になって衆・参の国会で発言していることをいつ聴くのだろうか。
「パンデミックの中でのオリンピック開催は普通では無い」ことは少なくとも昨年の暮れから年初にかけての感染拡大の時に分かり切っていたこと。
ずるずると事態を悪化させた責任は〝尾身分科会〟にもあると思うが、WHOの責任者も務めた専門家としてこのまま科学者を終わりにしたくないという思いがあったのだろうと勝手に推し量る。
この重い決意に応えなくては管首相は独裁者、卑怯者と言われても仕方が無い。
専門家による分科会のパンデミックへの影響評価に基づいて、バッハ会長と「中止」についてストレートに協議するのが一国のリーダーの姿ではないか。
片務条約と言われる「開催都市契約」はそのようなことまで否定していない。
尾身会長は官邸筋の猛烈な圧力に晒されているだろう。「もし開催するのであれば」などという〝安全弁〟は外して「中止」で臨んで欲しい。
でなければ発言は手練手管の官邸官僚にいいように利用されて大変失礼ながら線香花火として終わる。多くの国民は支持して後押しすると思う。