北海道にやっと夏らしい暑い日がやってきた。
今週はJA農作業支援で初期のカボチャの生育管理を体験した。
今日(7/7)は休息。明日で自分の計画は一応終了する。
成長した畑では「ツル直し」という大切な作業があることを初めて知った。
畝の株からあちこちに伸びた実を付ける親ヅルと子ヅルを畝の列方向にほぼ直角に真っ直ぐ地面に這わせる作業だ。同時にほんの小さな雑草も取り除く。
こうすることで後々の除草作業が少なくなり、カボチャがなる場所に規則性が出て、収獲の重労働も少しは楽になるのだという。
E農園のオバァ(と本人は言う。トシはあまり変わらない。)の手取り足取りの理論的な指導にナルホドと感心する。
昨年、ジャングルの様なカボチャ畑で絡み合ったツルを足で掻き分け掻き分け汗だくになりながら収獲したことが蘇る。
カボチャはツルからも根が出るので地面から浮かせないことが鉄則。
ツルの重なり具合を見ながら作業の手順を考えるのはパズルを解くようで、硬くなったアタマを解し、ツルを解す。
オバァは「今年は作業時期が遅くなってしまった。」と嘆きながら流石にテキパキと早い。
吉本隆明が「自然に力を加えると、それがどこかで形を変えて必ず跳ね返る。」という趣旨のことを言っていた。
彼はもともとは理系なので反作用の原理が自然界全体に存在することを分かりやすく言っていると思う。
オパァによると、雑草は摘まみ残しがあったり、刃物で切り損ねたりすると逆に元気になり種を付けるのも早くなるという。
シカの保護をすれば増えすぎ農作物が食い荒らされ、熊も餌を求めて里に下りてくる。
〝自然との調和〟は響きは良いが、農業は自然との駆け引き、戦いのようである。
ウクライナ戦争でアフリカの慢性的な飢餓が更に進行し、食糧輸入国は食品価格の高騰に苦しめられ、所と形を変えて食糧戦争が起きなければよいが。
参院選で食糧・食品の生産、供給の危機到来に対する農業政策の備えはどの政党からも聞かれないのが気になる。
目先の補助では持たなくなる。