昨夜400人弱入るホールで講座をしてみた。普段は聴講者の顔や反応が見える規模のホールで開いているのだが、今回はガラガラに空いたホールで開いてみた。
およそいつもの講座に出席してくださる方達がいらしたように思う。この人たちには空間が広くなれば、そしてその空間が音楽に適しているならば、エネルギーを傾注した音はよりいっそう柔らかく響くものであるということが実感できたのではないかと思う。
残念ながら僕自身は僕の音を遠くで聞くことばかりは一生叶わないのであるが。
ことピアノの音に関しては、もう混乱の極まるところまで行き着いた。真横で聴き、より広いところで聴き、ホールで聴く。こうして何度も自分の耳を「翻訳」させる作業だけが、もし響きが蘇るとするならば、唯一残された道だろう。
吉田秀和氏のように「基本的に私は実演を信じている」などの言は、僕には寝言にしか聞こえない。彼は録音と実演の比較について語るのだが、実演は存在しているという立派な信念を疑いはしなかった。その点では遠山一行氏の方が正直に耳を傾けていた。
まあ、もう少し頑張ってみようと思う。
およそいつもの講座に出席してくださる方達がいらしたように思う。この人たちには空間が広くなれば、そしてその空間が音楽に適しているならば、エネルギーを傾注した音はよりいっそう柔らかく響くものであるということが実感できたのではないかと思う。
残念ながら僕自身は僕の音を遠くで聞くことばかりは一生叶わないのであるが。
ことピアノの音に関しては、もう混乱の極まるところまで行き着いた。真横で聴き、より広いところで聴き、ホールで聴く。こうして何度も自分の耳を「翻訳」させる作業だけが、もし響きが蘇るとするならば、唯一残された道だろう。
吉田秀和氏のように「基本的に私は実演を信じている」などの言は、僕には寝言にしか聞こえない。彼は録音と実演の比較について語るのだが、実演は存在しているという立派な信念を疑いはしなかった。その点では遠山一行氏の方が正直に耳を傾けていた。
まあ、もう少し頑張ってみようと思う。