季節はずれのインテルメッツォ(続)

音楽、文学、絵画、スポーツ、シェパード等々についての雑記帖。

新技術

2013年12月06日 | その他
パソコンに限らず、歳を重ねてから新たに覚えようとするのは中々難しい。

僕の祖母が九州から出てくると、電車のキップを券売機で買うのに一苦労だった。僕は中学生くらいだったが、なぜこんなに簡単なことができないのだ、とイライラしたものである。

機械の類は一度手から離れると、操作方法が全く分からなくなってしまう。

ゲーム機がはじめてできた頃、物好きな僕は早速遊んでみた。他の人よりもずっとうまかった。得点がほぼ上限に達すると機械の方が動かなくなってしまう、そんな時代である。

すぐに飽きて何年も経ち、やれプレステだ、任天堂だ、と騒がれる時代になり、どれ、おじさんが手本を見せてやろうと手にしてみたが、もう全くついていけないのだ。

で、これは後で苦労するぞと思い、パソコンを買う決心をした。

以来、しんがりをゼイゼイ言いながらよろめきつつ追走している。

ハンブルグに住んで間も無く、FAXが普及し始めた。

ハンゼン先生、この技術を信用しない。

「紙で送れるというが、紙がどうやって電線を伝わると言うのだ」彼の言い分であった。

陰で腹を抱えて笑ったものだが、まあ自身が歳をとってみると、同じような反応をしているようである。

ハンゼン先生の思い出をもうひとつ。

リューベックへ同じ列車で行くことが多かったが、先生、道中バナナを食べるのが常だった。

得意げに「世界で一番清潔な果物だ」と僕に示すのである。農薬散布などの知識は皆無とみえた。

何やら偉そうなパソコン用語にヘドモドしている時にふと思い出す。