皆さんこんにちは!
東埼玉病院リハビリテーション科です。
この度「アンガーマネジメント(Anger management)」について、独立行政法人国立病院機構神奈川病院、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会、アンガーマネジメントシニアファシリテーターの光前先生を招いての研修会がありましたので報告させていただきます。
今回は「アンガーマネジメントについて」と「アンガーマネジメント実践編」と二部作となりますので併せて読んでいただけると光栄です。
特に「最近イライラしている」「なんとなく余裕が無い」「今の環境にモヤモヤしている」などに当てはまる方へオススメの記事です
早速ですが、皆様は「アンガーマネジメント(Anger management)」という言葉を聞いたことはありますか?
簡単に英訳すると
アンガー(Anger)=怒り
マネジメント(Management)=管理
となり、アンガーマネジメント(Anger management)とは「怒りを制御する」と訳され、本意は「怒りを予防し制御するための心理療法プログラムであり、怒りを上手く分散させる」とのことです。ちょっと難しいですね。笑
ちなみに今回の講演では「マネジメント(Management)=後悔しないこと」と教えていただきました。
続いてアンガーマネジメントの「Anger=怒り」について考えたいと思います。
ちなみに皆さんは最近「怒った」事がありますか?
激しく怒鳴って怒った事でも良いですし、ちょっとイライラしたことでも構いません。
そもそも「怒り」とは・・・?
怒りとは「感情表現」であり「機能・役割」でもあります。
喜怒哀楽の一つとして人間にとっては自然な感情の1つです。
怒りのない人は居ませんし、無くすことも不可能と言われています。
なぜなら「怒り」とは身を守るための防衛感情でもあるからです。
上記に挙げたとおりに、アンガーマネジメントとは「怒りを我慢すること」ではなく、「怒りを分散させること」です。つまり、アンガーマネジメントとは「怒らないこと」ではなく「怒っている事を適切に表現し、相手を傷つけず、自分を傷つけず、物を壊さないこと」となります。
アンガーマネジメント
=怒る必要のあることは上手に怒り、怒る必要のないことは怒らないようにすること。
ではなぜ私達は「怒り」を感じるのでしょうか。
つい最近の「怒った」事に対して少し考えて見ましょう。
その怒りは「誰か」に向けたものですか?それとも「出来事」に対して向けたものですか?
例えば「Aさんが全然仕事をしてくれないのよ」といった「怒り」があったとします。
それは「Aさん」という人への怒りなのか、「仕事をしてくれない」という出来事に対しての怒りなのか、といったものです。
Aさんの態度が気に食わなかったのか、それとも仕事が遅いことに関してなのか、、。原因ははっきりとは分からないですよね。はっきりする場合もありますが、、。
実は「怒り」の正体とは、誰かが何かをした訳でなく、自分自身の「理想と現実のギャップ」に対して起こります。
「会社」は、「子供」は、「上司」は、「男性」は、「女性」は、「親」は、「ルール」は、「時間」は、、、などなど
私たちには必ず「○○は、こうあるべき!」と考える理想があります。
この「理想と現実とのギャップ」に私たちは怒りを感じる訳です。

そもそも怒りが生まれるメカニズムは
「ある出来事」があり、それに「意味づけ」を行い、「怒り」として現れます。
しかし、同じ出来事でも人によっては怒りが生まれたり、生まれなかったりします。
つまり、「怒り」とは自身で生まれ、怒るかどうかを自分自身で決めてよいという事になります。
この怒りに対する「怒るべきか怒らないべきか」の選択が「アンガーマネジメント」となります。

「なぜアンガーマネージメントが大切なのか」ということですが、医療の現場に限らず、社会全体で「ストレス」という言葉を当たり前のように聞き、それにまつわるトラブルが多発していますよね。
「頭にきた」「腹が立った」「イライラする」など全て「怒りの感情」となります。
「怒り」とは、自分へ向けたり、人に向けたりするものですが、先ほど述べたとおり、無くてはならない防衛感情です。
しかし、「怒り」はトラブルの元となりやすく、医療現場ではしばしばクレームなどによって見受けられます。そのクレームに対し、受け手も反感していては収集が付かなくなります。
そこで「アンガーマネジメント」が大切になります。
自身の感情を制す術があれば、相手の意見に対して火に油を注ぐことなく、事態を解決する場合もあります。
相手がただクレームを言いたいだけであれば、解決が難しいこともありますが、大抵そのようなクレーム・不平不満を持つ方は何かしら「心配事」があったり「不安」を抱えている場合が多いです。
あくまで「怒り」とは二次的な感情であり、その背景には一時的な感情として「不安」であったり「心配」であったり、他にも「つらさ」「虚しさ」「悲しみ」「罪悪感」「苦しさ」「嫌悪」「後悔」などがあることを知ることが大切です。
その時その時で相手の怒りに対し正面から答えるだけでなく、相手がなぜ「怒っている」のかを察することで事態が円満に解決されやすくなりますよね。
アンガーマネジメントでは「怒らないこと」ではなく「怒っている事を適切に表現し、相手を傷つけず、自分を傷つけず、物を壊さないこと」が大切になります。
つまり、アンガーマネジメントとは「怒る必要のあることは上手に怒り、怒る必要のないことは怒らないようにすること」ということになります。
次の記事では「アンガーマネジメントの実践編」について報告したいと思います。
G6(PT)
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