5月2日(160km)
昨夜は我々が寝てから激しい雨が降ったらしく道路にはまだ水が溜まっています。酔って熟睡していた私は雨に気がつきませんでしたが気がついていたお客様は今日、どうなるのかかなり不安だった様子。それでも朝には雨は止んで日がさしています。雨のおかげか昨日までの暑さもかなり和らいだ様子。
バンブーハウスはその名の通り、竹でできている....のではなく、建物全体を竹で覆ったデザインになっています。道路に面した部屋の大きな窓に日が当たりすぎるのを避けるためか、廊下側がほぼ竹の壁にふさがれたようになっていて、部屋がいつも暗いのです。朝、目覚ましをかけたりしないこのツアーでは、寝坊しやすい環境。案の定、今日はいつもより1時間ほど寝過ごしてしまったのでした。
今日のルートはこの旅のハイライトとなる区間で、距離はそれほど長くはないのですがアップダウンが激しくて、シフトダウンとシフトアップを繰り返しながら走るルートは”走ったなぁ”と実感できる1日となるはずです。朝食を終え、荷造りを済ませた皆さんへの恒例の朝のルート説明も今日は少し違った話。国境沿いを走るので写真撮影の注意点や、国境を警備する軍隊の検問で出しやすいようにパスポートコピーを用意してもらう事、それから、行先を聞かれた場合に発音の難しいファーン(今日の最終目的地)ではなくて、メーサロン(中間地点)を告げる事など、少し真面目な打ち合わせを行います。
メーサイの町はずれのガソリンスタンドへ引き返して給油を済ませたらお楽しみの1149号線へ。メーサイの町を外れて山道に入ったところですぐに検問があります。ここには今回、少し英語のわかる若い兵士がいて、昨日の雨で道路が荒れているから注意して行くようにとか、ここから先にまだ2か所検問があるという情報をくれました。
今回、自分だけ125ccに乗っている私はひそかにこの山道で25ccの差は大きいと期待していたのでした。実際、昨年までの100ccと比べればパワーは雲泥の差です。しかし、それでもこのルートは難物。やはり1速でないと上っていかない坂が何か所もあり、なかなか移動ははかどりません。道路の右側はすぐにミャンマーとの国境。道路脇の草むらには映画”大脱走”でスティーブマックインが飛び越えたようなスプリング状になった有刺鉄線が時々見受けられます。メファルアンの公園からは私もあまり良く道を知っているわけではないのですが、基本的に分岐を右にとって行きます。右側はミャンマーなので、間違ったとしても簡単に国境を越えてしまうようにはなっていないはずですし、地図を見る限りミャンマーへつながっている道はないからです。
道路は最初の検問で言われた通り雨で土砂が道路上に流出していて場所によっては未舗装路かと思わせるような状態。道路脇の竹が倒れて道路を塞いでいて撤去作業中の場所もあったりしてなかなか進行がはかどりません。

ようやく道が下り主体となり始め、いくつかの村を通過するころにはそろそろ昼食の時間です。立ち寄れそうな食堂を探しながら走りますが2つほど”アッ”と思いながらも通過してしまい、トンムアン村のメーサロンへの分岐に来てしまいました。この分岐にある草ぶき屋根の屋台で麺の昼食をとります。

ここからメーサロンへの道もそれなりにアップダウンが激しいのですがここまでの道の状態に慣れてしまってとても良い道に感じます。周囲の風景も美しい山並み。おまけに涼しいので気持ち良いツーリングです。
メーサロンに立ち寄ってお茶の試飲。淹れ方がいいのか、お茶がいいのかさすがに名産地のお茶はおいしいのです。昨年はお茶を買ったのですが、今年はハチミツを買おうかとしばらく悩んだのですが、今回はパスしました。
バイクに戻って出発の準備をしていたら欧米人の旅行者に”チェンライはどっちへ行けばいいの?”声をかけられました。やはりスーパーカブに”3人乗り"でやってきたこの人達、観光用の無料の地図の郊外図だけでここまで来たようで、彼らの地図上で道を教えてあげようにも載っていません。どちらへ行ってもチェンライへは行ける事を告げ、なおかつ親切な私はアップダウンの激しい道の方を”あっちの方が楽しいよ”と薦めてあげました。3人乗りなら3倍は楽しかったことだと思います。
山道が荒れていて手こずったおかげで自分のイメージよりは1時間ほどスケジュールが押しています。メーサロンを出ると最終目的地までの間には特に立ち寄るところもないのでひたひたと走り続けます。1089号線を後続車にどしどし抜かれながら走り続けてふと感じたのです。サングラスをしたままだと暗いと。
確かにスケジュールは押していますが時計を確認してもまだ暗くなる時間ではありません。しばらくすると前方の空に稲光が何度も走るようになりました。スコールが来るようです。ちょうどガソリンを補給しなければならない事もあるので、ガソリンスタンドまで走ろうと先を急ぎます。風も強くなりはじめ、地面から砂塵を巻き上げて吹き付けます。メーアイ郊外の村の出口で、”この先まで行って降られると雨宿りできなくなる”と判断して屋台のそばにバイクを止めました。
屋台の人たちも大慌てで片づけを始めています。空はあっという間に真っ黒になり、大粒の雨が降り出しました。屋台の屋根の下に逃れた我々に”家に入って”と身振り手振りで屋台の人たちが誘ってくれます。屋台の裏の家の軒先を借りて雨宿りです。振り出した雨はあっという間に滝のように土砂降りに。

先を急いでいるこのタイミングでのスコールとの遭遇に少し気持ちも焦ります。
一時は滝のようだった雨。20分ほどで光が差し始めて30分も経てばほとんど上がりました。雨宿りをさせてくれたお家の人達と記念撮影をして、先へ進みます。スコールで気温が一気に下がって”寒い”と服をもう一枚羽織るお客様が多い中、先を急いで気持ちの焦っている私は寒いと感じる余裕もありません。
日が暮れる前に何とかファーンには到着。宿には人数分のベッド数しか残っておらず、何とも幸運。めいめいシャワーを浴びておられる間にホテルのボーイにお願いしてビールを買ってきてもらって、一息です。
夕食は昨年、おいしいお店を見つけてあります。今年も同じところを尋ねていくと、身振り手振りで”去年も来たね”と歓迎してくれました。ここでめいめいにいろいろな料理を身振り手振りや”旅の指さし会話”を活用して注文したり、目の前に来た料理の名前を教えてもらったりしながら、そしてもちろん更にビールを飲みながらファーンの夜は更けていったのでした。

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昨夜は我々が寝てから激しい雨が降ったらしく道路にはまだ水が溜まっています。酔って熟睡していた私は雨に気がつきませんでしたが気がついていたお客様は今日、どうなるのかかなり不安だった様子。それでも朝には雨は止んで日がさしています。雨のおかげか昨日までの暑さもかなり和らいだ様子。
バンブーハウスはその名の通り、竹でできている....のではなく、建物全体を竹で覆ったデザインになっています。道路に面した部屋の大きな窓に日が当たりすぎるのを避けるためか、廊下側がほぼ竹の壁にふさがれたようになっていて、部屋がいつも暗いのです。朝、目覚ましをかけたりしないこのツアーでは、寝坊しやすい環境。案の定、今日はいつもより1時間ほど寝過ごしてしまったのでした。
今日のルートはこの旅のハイライトとなる区間で、距離はそれほど長くはないのですがアップダウンが激しくて、シフトダウンとシフトアップを繰り返しながら走るルートは”走ったなぁ”と実感できる1日となるはずです。朝食を終え、荷造りを済ませた皆さんへの恒例の朝のルート説明も今日は少し違った話。国境沿いを走るので写真撮影の注意点や、国境を警備する軍隊の検問で出しやすいようにパスポートコピーを用意してもらう事、それから、行先を聞かれた場合に発音の難しいファーン(今日の最終目的地)ではなくて、メーサロン(中間地点)を告げる事など、少し真面目な打ち合わせを行います。
メーサイの町はずれのガソリンスタンドへ引き返して給油を済ませたらお楽しみの1149号線へ。メーサイの町を外れて山道に入ったところですぐに検問があります。ここには今回、少し英語のわかる若い兵士がいて、昨日の雨で道路が荒れているから注意して行くようにとか、ここから先にまだ2か所検問があるという情報をくれました。
今回、自分だけ125ccに乗っている私はひそかにこの山道で25ccの差は大きいと期待していたのでした。実際、昨年までの100ccと比べればパワーは雲泥の差です。しかし、それでもこのルートは難物。やはり1速でないと上っていかない坂が何か所もあり、なかなか移動ははかどりません。道路の右側はすぐにミャンマーとの国境。道路脇の草むらには映画”大脱走”でスティーブマックインが飛び越えたようなスプリング状になった有刺鉄線が時々見受けられます。メファルアンの公園からは私もあまり良く道を知っているわけではないのですが、基本的に分岐を右にとって行きます。右側はミャンマーなので、間違ったとしても簡単に国境を越えてしまうようにはなっていないはずですし、地図を見る限りミャンマーへつながっている道はないからです。
道路は最初の検問で言われた通り雨で土砂が道路上に流出していて場所によっては未舗装路かと思わせるような状態。道路脇の竹が倒れて道路を塞いでいて撤去作業中の場所もあったりしてなかなか進行がはかどりません。

ようやく道が下り主体となり始め、いくつかの村を通過するころにはそろそろ昼食の時間です。立ち寄れそうな食堂を探しながら走りますが2つほど”アッ”と思いながらも通過してしまい、トンムアン村のメーサロンへの分岐に来てしまいました。この分岐にある草ぶき屋根の屋台で麺の昼食をとります。

ここからメーサロンへの道もそれなりにアップダウンが激しいのですがここまでの道の状態に慣れてしまってとても良い道に感じます。周囲の風景も美しい山並み。おまけに涼しいので気持ち良いツーリングです。
メーサロンに立ち寄ってお茶の試飲。淹れ方がいいのか、お茶がいいのかさすがに名産地のお茶はおいしいのです。昨年はお茶を買ったのですが、今年はハチミツを買おうかとしばらく悩んだのですが、今回はパスしました。
バイクに戻って出発の準備をしていたら欧米人の旅行者に”チェンライはどっちへ行けばいいの?”声をかけられました。やはりスーパーカブに”3人乗り"でやってきたこの人達、観光用の無料の地図の郊外図だけでここまで来たようで、彼らの地図上で道を教えてあげようにも載っていません。どちらへ行ってもチェンライへは行ける事を告げ、なおかつ親切な私はアップダウンの激しい道の方を”あっちの方が楽しいよ”と薦めてあげました。3人乗りなら3倍は楽しかったことだと思います。
山道が荒れていて手こずったおかげで自分のイメージよりは1時間ほどスケジュールが押しています。メーサロンを出ると最終目的地までの間には特に立ち寄るところもないのでひたひたと走り続けます。1089号線を後続車にどしどし抜かれながら走り続けてふと感じたのです。サングラスをしたままだと暗いと。
確かにスケジュールは押していますが時計を確認してもまだ暗くなる時間ではありません。しばらくすると前方の空に稲光が何度も走るようになりました。スコールが来るようです。ちょうどガソリンを補給しなければならない事もあるので、ガソリンスタンドまで走ろうと先を急ぎます。風も強くなりはじめ、地面から砂塵を巻き上げて吹き付けます。メーアイ郊外の村の出口で、”この先まで行って降られると雨宿りできなくなる”と判断して屋台のそばにバイクを止めました。
屋台の人たちも大慌てで片づけを始めています。空はあっという間に真っ黒になり、大粒の雨が降り出しました。屋台の屋根の下に逃れた我々に”家に入って”と身振り手振りで屋台の人たちが誘ってくれます。屋台の裏の家の軒先を借りて雨宿りです。振り出した雨はあっという間に滝のように土砂降りに。

先を急いでいるこのタイミングでのスコールとの遭遇に少し気持ちも焦ります。
一時は滝のようだった雨。20分ほどで光が差し始めて30分も経てばほとんど上がりました。雨宿りをさせてくれたお家の人達と記念撮影をして、先へ進みます。スコールで気温が一気に下がって”寒い”と服をもう一枚羽織るお客様が多い中、先を急いで気持ちの焦っている私は寒いと感じる余裕もありません。
日が暮れる前に何とかファーンには到着。宿には人数分のベッド数しか残っておらず、何とも幸運。めいめいシャワーを浴びておられる間にホテルのボーイにお願いしてビールを買ってきてもらって、一息です。
夕食は昨年、おいしいお店を見つけてあります。今年も同じところを尋ねていくと、身振り手振りで”去年も来たね”と歓迎してくれました。ここでめいめいにいろいろな料理を身振り手振りや”旅の指さし会話”を活用して注文したり、目の前に来た料理の名前を教えてもらったりしながら、そしてもちろん更にビールを飲みながらファーンの夜は更けていったのでした。

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