旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

スーパーカブでタイ'08-1

2008年11月19日 | 旅の風景
11月1日
朝、成田空港に集合したのは今回ご参加のお客様7名と私を含めた同行者2名。昨年と比べると格段に増加した人数に、”その場手配”をポリシーとするこの旅では、果たして人数分のバイクを揃えることができるのか、全員泊まれるだけの部屋を確保できるのかなど、新たなる不安を感じながらの出発となりました。でも、考えてみればこういう不安をいつも抱えているのがこのツアーの持ち味。明日の事は明日になってみないと分かりませんし、少なくとも昨年のおぼろげな記憶がある分、昨年よりは情報を持っているという安心感もあります。

さて、近年導入された液体類の検査。あろうことか私自身が”歯磨き粉”で検査の網にかかりました。私の歯磨きセットはファーストエイドキットのジップロックに同封することで通過を許されましたが、完全な液体だけでなく、ゼリー状の物質についても検査対象となっている事には注意が必要です。

バンコクに到着してみると、空港の警戒態勢が強化中。順路通り進むと、随所に警備員が配置されていて逆戻りできないようになっています。しかし、大丈夫。昨年の記憶があるので迷わず皆さんを市バスのバス停へ誘導します。

バス停でバスを待つのですが、昨年は何台もやってきた市バスが全く通りません。しばらく様子を伺ってみましたが、やはり来ないので、空港ターミナルへ戻って確認することに。

ところがここで空港の警備強化がネックに。一旦ターミナルの外へ出てしまうと、ツーリストインフォメーションにすら戻れません。空港の警備員に頼んでも戻してくれませんでした。そこで、警備員にバスの乗り方を聞いてみると、どうやらシャトルバスでバスターミナルへ。そこから市バスという手順に変わった様子です。時間もだいぶロスしたので方針変更。エアポートエキスプレス(バス)で直接中央駅を目指す事にしました。

中央駅横でバスを降りて、駅の入り口へ向かって歩いていると1人のオバちゃん客引きが近づいてきました。駅の入り口すぐ横で鉄道の時刻表を見せる客引きに少し不思議な印象を感じながら話を聞いてみると、駅のすぐ横の旅行会社の人間のようです。”日本語ができる”という売り文句はあまり当てにはなりませんが、英語はできるだろうと、ここでまた方針変更。駅行きを中止して旅行会社へ。

”日本語ができる”スタッフは案の定、私のタイ語程度の日本語力でありました。一瞬、彼が日本語で話して私がタイ語で答える、妙な会話を展開しましたが、複雑な内容はお互いはなせないので、結局、英語で話すようになりました。

まず、9人分の夜行寝台が確保可能かどうかを確認してもらいます。残念ながら不可能。”明日の列車なら”と言う話になりますが、明日の移動になる場合は飛行機で移動しなければ間に合いません。”バスは?”と聞くと、調べてくれました。バスは確保可能。

バスの手配が一段楽したところで

“チェンマイではどこに泊まる?ゲストハウスを予約してあげようか?”
と言う話になりました。

料金を聞いてみると1部屋420バーツ。私の狙っているのは1人100バーツ前後のところなので、

”もっと安いところを探すよ。”
と断りました。

一旦、引き下がっていたその旅行会社のスタッフはこれから、バスに乗るまでの移動の説明を終えたところで、

”300バーツにしておくから予約しない?”
と。

300バーツで5部屋と言う話に対して1部屋を3名1室にして4部屋にするよう主張して半ば呆れられながら、ここでチェンマイの宿泊も確保。これで一応、明日の夜まで私の気苦労はほぼ消える事となりました。(バイクの確保がのこりますが。)

このことが明朝、神の存在を感じさせるほどの幸運を呼び込むのですが、それは明日。

駅の横からハイエースでラマ4世通り沿いのバスとの待ち合わせ場所へ送ってもらい、そこで各々簡単に腹ごしらえ。私も一安心して、バス停で缶ビールを購入、チェンマイまでのバスの旅に備えます。

チェンマイへ向かうバスは昔通り激しくエアコンを効かせて我々を歓迎してくれます。飛行機を含めて長い移動を続けている我々。私は酔いも手伝ってしばらくぐっすり眠っていたのですが、一度、車体を激しく叩く雨音に目を覚ましました。チェンマイは降っていない事を祈りながら眠ろうとすると、今度は車内で結露した雫がしたたってきます。雫がたれない一に体を捻って再び眠りについたのでした。


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