旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

旅先で何かを学ぶために

2019年09月21日 | 旅行一般
 昨日触れたように、旅先ではいろいろな事を学んだり考えたりする機会と出会う事ができます。

 ところがそういう機会をうまく活かす事ができるかどうかは旅人自身の気持ちの持ちように関わってきます。

 旅先で誰もが陥りがちなのは訪問先の国を分析することに終始してしまう事。その国が進んでいるとか遅れているとか、そういう判断は結局自分の今までの日常生活で身に着けた価値観から判断しているにすぎず、どうしても日常のしがらみから抜け出せずにいる事の表れに過ぎません。

 日本とは違った習慣の中にいて、その違いを日本の基準で分析するわけですから、”違い”は当然”間違い”という分析結果になります。これでは何かを学ぶ事には結び付きません。

 それでも我々には今までの人生で培ってきた...ある意味沁みついてしまっている物の見方や考え方があって、その支配から完全に抜け出すことはおそらく不可能ではあります。

 たとえば、定刻になってもバスや列車が出発しない時など、到着時刻が遅れる事への不安もあって、その国のシステムや習慣が”劣っている”と苛立ちを覚える事があります。冷静になって考えてみれば日本にいても事故などで鉄道が遅れる事は思いのほか頻繁にあるのではないでしょうか。その時にもちろん苛立ちは覚える事もありますが、システムや習慣が”日本は劣っている”という判断にはあまりなりません。

 むしろ、少し見方を変えれば、少しくらい電車が遅れたくらいでいろいろな影響が出たり、いちいち遅延証明を提出しなければならないような日本の社会は我々にとって快適な社会なのかどうかという疑問が生じてもよいところ。

 訪れた国でできる限り自由な考え方を維持するためには訪れた先を観察はしても批評はしない事を意識することが第一歩。これは旅している時に無意味な苛立ちを感じる事を避けるうえでも有益な事となります。この点を極力意識するだけでも今までよりずっと広い視点で自分たちの社会や日々の生活を見つめなおす材料となります。

 更に一歩突っ込んで、その国の人達の視点にたって、私たちの日々の生活を見直してみる事ができればかなり上級者。自分たちの社会の良い点や悪い点、課題などを見つめなおす良い材料となるに違いありません。
 
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