旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

タイ、ラオス 路線バスの旅 第6日

2014年10月17日 | 旅の風景
9月26日
早朝のメコン河散歩
 ここチェンコンではスーパーカブで旅するタイ北部にご参加の方の多くが朝早起きしてラオス側からメコン河越しに昇る朝日を見に散歩に出かけておられ、美しい写真を何度も見せていただきました。私はというといつも前日飲みすぎて、そこまで早起きできたことはありませんでした。

 今回はずっと早起きしてきたので、まだ薄暗いうちに自然と目が覚めました。ゲストハウスの周囲では鶏が元気に朝を告げています。

 あまり音を立てないようにそっと宿を抜け出してメコン河畔へ。雨期なので雲も出ていますが朝日の射す美しい風景を見ることが出来ました。時々雲に隠れながら昇って行く太陽をしばらく眺めながら、河一つ挟んで国が変わる事や、昨日まで違う国にいた事を考えて不思議な気持ちになります。

 早朝のチェンコンの町をぶらぶら歩きながら時々写真を撮ったり、いつも行かないエリアを歩いてみてもっと昔、20年前の風景と重ね合わせて比較してみたりした後、一度宿に帰ってシャワーを浴びます。ラオスにいた時のように今日の移動について調べる必要はありません。ここは勝手知ったる国の勝手知ったる町。

 早くから店を開けている店を見つけてカオマンカイの朝食の後、宿へ戻ってゆったり荷造り。当初はチェンマイへ向かって2泊するつもりだったのですが昨日フェサイに泊まらなかった事から少し気持ちが変わり、チェンライで1泊する事にしました。チェンコンからチェンライは遠くないのでそれほど速く出かける事もありません。

バス停
 ゆったりと荷造りして部屋の鍵を返したあとはぶらぶらと町を歩いてバスターミナルへ向かいます。バスターミナル周辺は大きな露店になっていて様々な物が売られています。中には肉をつるして売っている屋台まであります。バスターミナルの標識の前にも露店が出ていて標識が見えず、一瞬人ごみに飲まれて通り過ぎそうになりましたが、記憶をたどって無事バスを発見。ドライバーに確認すると出発は11時との事。まだ20分ほどあります。

揚げバナナ
 バスターミナルの横の市場に入って売られている物を眺めたり写真を撮らせてもらっているうちに揚げバナナのお店を見つけました。私の好物の一つです。バナナの他にサツマイモやドーナッツも揚げています。丁度バナナとサツマイモは売り切れていて、これから新たに揚げるので揚げたてが食べられます。

 お店の女性はこちらが外国人である事など気にも留めず"何にする?"と。"バナナ"と答えると深く頷いて"今揚げているから少し待って”..と言っている様子。

 しばらく待っていると大きな金網で揚がったものを鍋から出し始めました。皆に"何でしたっけ?"(多分)と尋ねながら袋に入れて手渡していきます。私も"バナナ"と言うと、"そうだったね"というように大きく頷いて袋に入れてくれました。


 揚げたてのバナナを持って店から離れると乗車予定のバスがホーンを鳴らし始めました。私を見つけると先ほど時刻を教えてくれたドライバーが”乗れ”と身振りで知らせます。バスは既にゆっくり動き始めており私は急いで乗り込みました。

ローカルバスの車内
 バスに乗り込むと乗客は5人ほど。天井に扇風機がついた昔懐かしいバスでそれほど大きな車両ではありません。ドライバーを含めて皆仲良く話しています。バスは歩くより遅い速度でゆっくりバス停の前を行ったり来たり。そのうちバス停を離れてそれでも素晴らしくゆっくり走りながら最後の乗客を募ります。努力むなしくチェンライから乗る乗客はこれで全員のようです。

スーパーカブで旅するタイ北部の逆回し
 このバスのルートはスーパーカブで旅するタイ北部で走るルートの逆回し。正確にはチェンライからパヤメンライまでは第1回の時しか使ったことが無いルートです。バイクで走り慣れた道も、自分が運転せずに逆ルートで走るとまた違った景色に見えるのが不思議です。いつも立ち寄るパヤメンライの露店が無くなっていたのが少し心配。

揚げバナナVS揚げサツマイモ
 バスに乗った時は熱すぎて食べられなかった揚げバナナ。バスがしばらく走って冷めた頃、少し食べてみました。最初の1切れはバナナ、次もバナナ、でも結果、半分位がサツマイモでした。一緒に揚げていたのをそのまま袋へ入れたので混ざってしまっているのでしょう。おばちゃん、”バナナ”って言ったのに...。でも揚げサツマイモも美味しかったので良しとしましょう。

ゲストハウス
 チェンライのバスターミナル。ここは20代前半の頃旅先でお金を使い果たした私がゲストハウスの客引きを手伝っていたところ。その頃よりバスの台数がものすごく増え、そして客引きはいなくなりました。ぶらぶらと歩いていつものゲストハウスへ顔を出してみたのですが、これもいつものように誰もいません。
 
 そのうち帰ってくる事も知っているので一度近くの商店へ出かけてビールを三本買って帰ります。ビールを飲みながら、明日会う予定のタイ旅行中のお客様にスカイプを使ってメッセージを送ろうと、勝手にゲストハウスのWi-FIを使わせてもらって接続した途端、日本にいる友人から着信。昔ながらのゲストハウスにWi-Fiやスカイプなどのハイテク機器は似合いませんが、それだけに不思議な感覚。今回の旅の様子等を報告している所に人が帰ってきましたが、この人は宿泊客。なんと日本人。そして後で判ったのですが、今日ここに泊まるのはこの人と私の二人だけ。日本人の専用宿になりました。

 ようやく宿のオーナーが帰ってきたので再会を喜び合い、部屋を開けてもらってシャワーを浴びたり洗濯などの雑用を済ませて残りのビールを飲んでいる所へ先ほどの同宿の日本人が部屋から出てこられました。少し雑談したあと、一緒に夕食でもという話になり、ナイトバザールへ。

 いろいろな旅の話をしながら聞きながら飲むビールは格別で、ナイトバザールで随分沢山ビールを飲みました。完全に千鳥足でチェンライでいつも立ち寄るバー街へ向かいます。雨期で客足はとても少なく、今日はこの店に私たち二人だけしかいませんでした。

 ここでもすっかり飲みすぎて店じまいする2時過ぎにようやく重い腰を上げて宿へ帰って眠りについたのでした。


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