旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

第3回スーパーカブでタイ-Day1-スタート

2009年03月25日 | 旅の風景
実は2008年11月の”スーパーカブで旅するタイ北部”を終えた時、このツアーはしばらく封印しようかとも考えていました。というのは、何度か続けていると、私の中に情報が形成されてしまい、”行き当たりばったり”であったスピリットがどんどんワンパターン化していっているようにも感じたからです。ガイドする私がほとんどストレスなく過ごしている状況で、このツアーの本来目指したものが参加する人に伝わるのかという疑問が頭をよぎるのです。

でも結局、少し考え方を微調整。世の旅人達の間で蔓延している、過剰な安全確保意識に対するひとつのアンチテーゼにでもなれば良いかということで。

 普通の添乗員なら生水や氷などを含めて食べ物、飲み物の衛生状態に対する注意を促したりするわけですが、この旅では、

”下痢する程度でしょうから、別に良いのでは?もし、赤痢やコレラに感染したとしても、潜伏期間の間に帰国日になるでしょうから、帰国してからどうなろうが、私は知りませんなぁ。”

 貴重品の扱いなども注意を促す所ですが。

”適当でいいんじゃないですか。だいたい、盗まれて大騒ぎするほどの金額を誰も持って来てないでしょう?”

という雰囲気で現地での生活を進行していきます。

今回の旅の参加者はたったの2人。そして、第3回の今回が過去2回と圧倒的に違うのは平均年齢の若さ、そして今回は勇敢にも初の女性参加者がいることです。これはある意味、私にとっては大いなる未知の旅となり得ます。

予備知識が年々増えているとはいえ、ガイドブックも何も持っていない点、そして事前に手配をしていない点は全て過去と同じなので、以前より効率よく立ち回っているという点を除けば、現地でやらねばならない事は過去の2回と何ら変りません。そして、シビアな現地手配はバイクに乗り始めるまでの前半2日間に集中的に存在します。

特にバンコクからチェンマイの陸路移動は2等寝台列車を計画していながら、過去2回とも確保できませんでした。

ところが、今回は順調。チェンマイ行きの2等寝台は上段で我慢すれば全員分余裕で確保できました。1日目の不安材料はあっさりクリア。これはおそらくDay0、成田へ行く途中で今回の全ての不運を清算しておいたおかげであると思われます。後はゆっくり食事でもして列車に乗り込むだけです。

列車の発車時刻まではまだ小一時間あります。一旦駅舎の外に出てみると、駅前に広がるチャイナタウンは大昔の薄汚さを思い起こせば今は随分清潔になったと思えます。英語版のメニューを持って、”うちで食事していけ”と迫力満点の客引きに釣られて駅前のオープンレストランでタイ最初の食事です。

 メニューを読むのが面倒な私は、タイ屋台料理の一つの定番、”カオパット(焼き飯)”を注文。

 英語版のメニューというのはたいてい曲者で、たとえば”カオパット”も、Thai style fried rice等と書かれています。フライドライスで程度の事はわかりますが、Thai Styleとは何か、激辛なのか等、考え始めると迷います。私が注文しているのを見て、参加のお二人は迷わず"SAME(同じ)"と注文。
 
 いつもは最初の注文の前に発令している”SAME禁止令”の発令を忘れていたようです。ここで思い出したので、ここで即座に"SAME禁止令"を発令しました。ちなみにカナダのオフロードファンライドでも、他のどのツアーでも、私が同行するツアーでは"same"は禁止されていますので、今後参加の皆さんは予めご了承ください。

 暮れていくバンコクを眺めながら最初の食事をゆっくり満喫したあとは、駅へ。そして売店で缶ビールやおつまみを購入して列車に乗車。今回、私は"カッパえびせん"と思われるスナック菓子を買ってみました。よく見ると"カッパえびせん"ではなくて、"はなみ"とひらがなの商品名が入っておりました。

 "はなみ"は"カッパえびせん"と同じような姿をしていますが、食感は少し硬い感じでありました。

 タイに限らず熱帯地域のエアコンは非常に強力に効いています。我々が移動に利用するエアコン2等寝台も同様です。寝台には掛け布団として毛布(といっても、タオルケットのようなもの)がついていますが、そんなものは役に立たない破壊力です。
 
 私は持っているものをありったけ着込んで眠りましたが、それでも寒くて何度か目が覚めたほど。後でよく考えたら、3月の日本国内での移動の際に着ていて、寒いとは感じなかった服装なのですから、それで寒いと感じるエアコンの強力さには脱帽といったところですね。


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