前回は旅先で出会う問題と取り組む際に消極的な手段、問題から逃亡するという手を紹介しましたが、いよいよ今回は本当に問題と戦う事になった場合の話です。
前回も書いたように、旅先では問題に直面した途端に日常よりもずっと難しい状況に追い込まれる事がほとんどです。気を回して対応してくれる存在もいなければ、押し付ける相手もいません。日本伝統の会議のように、問題の理由を述べ立てて哀れみを乞うのもなんの解決にもなりません。SNSに泣き言を書き込めば慰めの言葉くらいは手に入りますが、解決にはなりません。
異国の地では、多くの場合、あなたが問題に巻き込まれている事自体、誰も気が付いてくれない事がほとんどだと思います。
一人で問題と取り組まなければならないとなると、気が重くなりますね。だから、できれば一人で問題と取り組まなくてよいように工夫するのが一番です。
これは問題に巻き込まれる以前の取り組みがカギになってくるのですが、旅先であなたに関わる人達をいかに常に”味方”に着けておくかという事がとても大切です。スーパーカブで旅するタイ北部にご参加いただいた方なら気がついている方もおられると思いますが、この企画で現地で関わる人達がとても快く我々を迎えてくれています。これは私だけでなく、過去ご参加頂いた方々が敬意をもって現地の方々と接して頂いたことから導き出されている安心感だと言えます。
旅先で一番接点を持つ相手は大抵の場合、宿の関係者だと思います。熱心に宿代の交渉をするのも大切かもしれませんが、顔を合わすたびに挨拶の声をかけることとなど、人との”付き合い”として当たり前なことを積み重ねることは自分を守る上で大切な心がけです。
たとえば、「今日、”〇〇の滝”を訪れたい」という計画だった場合、今時の情報収集手段としてはインターネットで検索するのだとは思います。それで、一応の情報を入手していたとしても、宿の人に”〇〇の滝へ行きたいんですが”と聞いてみるのは良いコミュニケーションを保つ上で効果的。場合によっては”それじゃあ車をチャーターしてあげる”と自分の予算を超える提案をされる場合もあるのですが、その場合は”ちょっと予算オーバー”と言って断っても良いですし、”とりあえず食事しながら考えてみます。必要なら後でお願いします。”とかわしても良いと思います。場合によってはインターネットで自分が見つけた手段よりずっと良い方法を提案してくれる場合も多々あります。
そして何より、こうやってコミュニケーションを取っておけば、相手を自分は頼りにしているということを伝えることもできますから、なにか重大な問題と取り組むときに一緒になって取り組んでくれる存在としやすくなります。自分の抱えている問題に巻き込むことができる人を一人でも多く確保しておくことが旅先での問題解決力を左右します。
旅先で自分一人でできる問題解決などたかが知れています。
私は仕事柄、旅先での問題に対処する場面が多々ありますが、問題に直面するたびに考えるのは問題解決に巻き込んまれてくれそうな職業の人、自分との関係がある人を思い浮かべる事を問題への取り組みのスタートラインにしています。ある意味、その時自分の周囲にいる人は迷惑な話ではありますが、それは運が悪かったと思っていただくしか....。
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