旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

Super Tramp

2017年09月28日 | 旅行一般
 短期間、飛行機で効率よく移動するような旅行とは違い、亀が地を這うような旅をしていると、異なった手段で同じような旅をしている人達に出会います。四輪で世界を回っている人や、自転車で旅する人、ヒッチハイカー達やバックパッカーなどなど。

 安宿で同宿となったそういう人達からいろいろな話を聞くのが私は大好きでした。いろいろな国から、考えれば奇跡のような偶然で同じ宿に泊まった各国のTramps(放浪者)と気軽に会話を楽しめるのは安宿に泊まる特権。エクスペディアで”お得”にホテルに泊まっていてはこういう交流は楽しめません。

 スーパーカブで旅するタイ北部をはじめとする企画で、宿泊に安宿を設定しているのは決して費用を安くするためではなくて、こういう雰囲気を体験してもらいたいと考えているからなのです。

 数年前、アラスカで生涯を閉じたクリストファー・マッカンドレスの足跡を綴った"Into the Wild"の映画版を見た際、その中で”あなたはレザートランプ(革の放浪者)なのね”とマッカンドレス改め”アレックス・スーパートランプ”が他の旅人に語りかけられるシーンがあって、"Leather Tramps(革の放浪者/ヒッチハイカー)""Rubber Tramps(ゴムの放浪者/車で旅する人)"という呼び方を面白いなと思うと同時に、異なった手段で旅する人が集って語り合うシーンを懐かしく思い出しました。

 私はこの概念でいくと"Rubber Tramps"の一員だったわけですが、何と言っても20代前半の私にとっては出会う旅人は皆が大先輩。皆さんが面白おかしく語ってくれる失敗談や苦労話などに毎度感化されたものです。

 本当に戦って旅してきた人達は武勇談を披露したりもしません。ただ淡々と自分”うまく行かなかった事”を面白おかしく語って聞かせてくれるのです。

 それぞれの語る旅物語が全てキラキラ輝いていて、日本を出る時には勇んで出かけたはずの自分の旅など取るに足らないものに感じられたものでした。

 旅に出た頃は怪しかった私の英語力もこういう人達との会話を理解したくて自然と向上していきましたし、人と接することが苦手だった私でしたが、そんな苦手意識を超越して、旅の大先輩達の話を聞くことに魅了されていったものでした。そして、私にとて人生の一時期はこういう毎日を送ることが他の何にも変えられないほどきらめいて感じられたのでした。

 そんなわけで日本に帰国して学校へ復学してからもそんな思いを捨てきれない私の事を知る両親や友人は誰一人として私が就職するとは思っていなかったほどです。

 周囲の目を裏切って就職した私。この歳になればその時の考えや気持ちを素直に批判もできるわけですが、この歳になってしまえば逆に、その時の気持ちを実現してみたいとも思うわけなのです。

□□□第5回旅行好きの夕べ開催□□□
10月6日(金)19時~21:30
四谷三丁目
参加費:
3,500円
詳しくは
http://www.bekkoame.ne.jp/i/eandg/event/yube.html


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