「世直し太郎」の政局斜め読み

偏向マスメディア報道の本質を直観力で読み解き、内外の話題を大胆に斬っていきます。とりわけ大中華帝国主義許すまじ!です。

橋下市長発言に観る「典型的なロジック破たんの構図」

2013年05月31日 | 歴史捏造による日本包囲網の闇
ぜひ、日本維新の会関係者や、直接橋下大阪市長ご本人にこのブログでも読んでいただければ幸いです。

実は、いわゆる従軍慰安婦問題を語る時に、はじめから「負ける論戦」というのは存在していると思います。

橋下大阪市長に至っては、まったく熟慮なく、自らのロジックだけで論破しようとして、見事に玉砕しているようにしか思えません。「誰を仮想敵と想定して論戦を仕掛けているのか」がさっぱりわかりません。

解説します。

まず典型的なディペートで言えば、「論の立て方そのものが始めから破たん」しています。始めから負け試合に打って出ています。

橋下大阪市長は、「戦場という異様な緊張状態の中で、兵士の性的欲求を処理する風俗業利用は必要だ」と切り出しました。その趣旨で沖縄米軍にも言ったと言いました。

まずこれがアウト!です。

第一に、一般論として肯定する自らの意見以外に、それ自体を否定する勢力が世界中にある事を想定していません。なぜメディアを通じて「こういうことを米軍関係者に言いました」と公表したのでしょうか?なんのための告知効果を狙ったんでしょうか?

そのおかげで、歴史上の「戦場売春の是非論」から始まり、「そもそも現代の風俗業利用の是非論」というまったく違う複数の「戦場」を自ら創りだしてしまいました。もう戦場は一つではないのです。その自覚はあるのでしょうか?

いくら、「沖縄県の米軍駐留兵による性犯罪を抑止したかった」などとまことしやかに発言しても、現時点で「沖縄米軍基地周辺は戦場ではない」という明白な事実があることも無視しています。これでは「平時の軍事演習中も、性衝動でムラムラしている米兵がいる」と言っているようなものです。

それこそ中国の人民解放軍と熾烈な戦闘を尖閣諸島周辺海域で行っているわけでもないのに、これでは、米軍関係者が「はいそうですね。」と言うわけがありません。米軍にとってみれば大きなお世話です。日本の地方自治体の首長に言われる筋合いはありませんとなります。(案の定、米国本土ではそういう見解でしょ?)

さらに「沖縄県の風俗業」という、およそ公の場で話題に出すような場所でないものをクローズアップしてしまった事も決定的に失敗です。どの分野の世界にもありますが、公に話題にしない暗黙の了解をぶち壊しました。

この時点で、「風俗業利用を公然と宣言する日本の政治家」というレッテルが国際社会で出来上がりました。橋下市長のご家族には申し訳ありませんがもうこの評価は消せません。

そして、

「風俗業利用を公然と宣言する日本の政治家」が今度は、あろうことか「旧日本軍による従軍慰安婦」問題に言及したのですから、これでは収まる話も収まりません。それこそオオスズメバチの巣を思いっきり突ついたようなものです。

本来は、「戦場の慰安所の是非論」や「現状の風俗業利用の是非論」とは全く関係なく、歴史上の事実としての「従軍慰安婦問題の有無」を、それこそ学術研究者の調査実績を交えながら、一つひとつ論拠となる証拠を基に論ずべきで、日本の国益に直結する外交問題を、前述の文脈の延長線上で同時に取り上げた事が2度目のアウトです。

ましてや橋下市長が、以前から『河野談話』に対して懐疑的な見解を持っていると言うのであるなら、なおのこと、最も切りだしてはいけないテーマからこの話題に結びつけた事になります。

最も否定すべき問題を指摘する時に、部分否定(一部価値論として肯定)しかできない論拠から入って、全否定を導き出そうとして失敗しているのです!

論点の的を絞って言論戦で戦うべきです!勝てる戦場を選んでませんよ!

できれば「いわゆる従軍慰安婦問題」に関しては、次のような方法が取れると思います。

本来は、

「当時の戦場に慰安婦はいたのか」→「いた」

「慰安所は設置されていたのか」→「あった」

「慰安所は誰が運営していたのか」→「民間業者」

「慰安婦はどうやって集められたのか」→「民間業者の公募」

を裏付ける資料を提示すればよいのです。
(実際に当時の新聞広告等しっかりとあります。)

その上で、問題の核心です。

「従軍慰安婦はいたのか」→「旧日本軍における従軍の慰安婦など存在しない。そもそも従軍慰安婦という呼び方自体も1973年に元新聞記者の文化人によって創られた造語でしかない。」

「軍による強制連行はあったのか」→「なかった」

「それはウソだ!証拠を見せろ!」→「それは逆だろう!なかった証拠は、なかった以上見せられないのは当たり前だ。むしろ強制連行したというならその確たる証拠を見せろ!」(実は、物的証拠はゼロです。一切なし!です。)

「写真があるぞ!」→「その写真は本当に強制連行されたことを証明する場面の写真ですか?」

「慰安婦が集まって映っているぞ!」→「うん?何やら慰安所で理路整然と並んで取った記念写真のようですね。民間業者の集めた慰安所で複数の慰安婦がいるのは当たり前で、さらに写真の背景には英文が写っているものもある。これ敵国語なんだから旧日本軍ではありえないでしょ?もしかすると朝鮮戦争時代の慰安所の写真ではないですか?」→「・・・」

「誰がなんと言おうと、元慰安婦たちの証言があるぞ!」→「うん?聞くたびに内容が変わる証言の事ですか?証言によると慰安婦になったのは少女の時というが、現代の実年齢と合わないのでは?」→「・・・」

「うーん、誰がなんと言おうと、本人たちの意思に反して強制的に慰安婦にさせられたのではないか!」→「あくまでも公募に応じて集まった慰安婦たちが中心です。慰安婦たちが現代の一部上場企業の部長クラスと同程度の給与を当時得ていたことは、給与明細書が残っているので判明していますよ!」→「・・・」

「だから現地視察の学術調査においても旧日本軍による慰安婦の強制連行など歴史上存在していないのです。それよりも、その後の朝鮮戦争時の在韓米軍や韓国軍による慰安婦の強制連行があったと証言する内容が韓国の大学関係者の調査で公表されていますよね?それはどうですか?その証人も複数いますよね?」→「・・・」

その上で、「強制連行が悪であると言うなら、本当にその当時、強制連行したものが罰せられるべきだし、賠償責任を負うべきですよね。どうでしょうか?事後法で過去の歴史を裁くのはやめませんか?それこそが大人の外交ですよね?」

という展開にすべきだったのです。

とにかく「いらない敵をどんどん増やす橋下暴論作戦」は大失敗ということです。日本の国益を著しく棄損しますので、橋下大阪市長には、二度と同じ過ちを犯さないでもらいたいと重ねてお願いしたいと思います。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。