goo blog サービス終了のお知らせ 

「世直し太郎」の政局斜め読み

偏向マスメディア報道の本質を直観力で読み解き、内外の話題を大胆に斬っていきます。とりわけ大中華帝国主義許すまじ!です。

「10年以内の全原発完全廃炉」が無理な理由を説明致します。

2012年12月03日 | 衆参ねじれ国会問題
まさかこれから述べるような事を国政選挙に臨む政党が検証していないわけがないとは思いますが、一日本国民の老婆心ながら、過去何回も言及している事をあらためて触れます。

首都圏に限っても、夏のピーク時に東京電力が供給していた電力供給量は、1日に5千万キロワットにもなります。

これから劇的な省エネ技術が開発されたとして(これとて単なる想定の域内)、さらに大手企業や大規模工場の自家発電が進み、全体の2割の電力消費を削減できたとしても、4千万キロワットの
電力が必要になります。

良く出て来る「送受電分離」が政策として可能となったとしても、調達しなければならない電力量が減らせるわけではありません。供給先が分散出来て首都圏の大停電リスクが削減できるというだけの話です。

さらには、現実的な代替エネルギーは当面は火力発電ということになると思いますが、これとて火力発電の稼働には液化天然ガスが(LNG)必要で、すでに現状でも、アジアのLNG価格が、福島第一原発被災以降、上昇して、近隣諸国との間で国際問題化しそうな気配です。

では、高効率で最新鋭の火力発電を日本全国に続々と誕生させるのかと言うと、そんなことも日本未来の党は政策には掲げていないばかりか、10年以内に再生エネルギーに代替化をさせると言っ
ていて、それこそまったく達成根拠がなく非現実的です。

たとえば現状でも東京電力管轄内の千葉県には大規模な火力発電が5箇所あり、総電力供給量で1,770万キロワットが可能ですが、常にすべての火力発電所が稼働出来るわけではなく、原子力発電所より、定期点検に時間を要するのが火力発電なのです。当然火力発電所も負荷をかけて長時間運転すれば、それだけ故障します。

「現時点で原発稼働させなくても出来ているのだから原発はいらない」などと平気で言うのは、現状の火力発電の必死の自転車操業の危うさを何も分かっていない人の発言なのです。

だからしばらくの間、火力発電に頼ると言っても、それだけの液化天然ガス輸入を長期的に確保できるエネルギー安全保障を担保できる強い外交力と、シーレーン防衛の強い国防力が必要になりますが、そんな保障を日本未来の党がするとは一言も言っていません。

それに、LNG換算で100年分あるとも言われる日本海も含めて周辺海域の海底にあるメタンハイドレートにしても、実用的な開発にはまだ目途が立っておらず、それこそこの海洋資源を物色する他国との資源戦争に巻き込まれる可能性もあり、先ほどの外交力と国防力のさらなる強化が求められるわけです。国防とエエネルギー安全保障は直結してます。

日本が第二次世界大戦に突入した最大の理由が、この「エネルギー資源の安定供給を断たれたから(ABCD包囲網)」くらいの歴史は、さすがに日本未来の党の皆様は知っていますよね?またエネルギー資源確保のために戦争しますか?

最後にだめ押しですが、実際に原発を廃炉するにしても、現在の廃炉技術では、完全に更地に戻すまでは50年はかかると言われています。50年ですよ!じゃあ、日本未来の党は、少なくとも10年後の最初の廃炉開始から全原発の完全廃炉までの今後60年間はしっかりとそのプロセスの安全を保障します。と言っていますか?言っていないでしょ
う?

と言う事で、どう検討しても10年以内の全原発完全廃炉は、非現実的ですね。

このような市井の日本国民が出来る分析さえ出来ないような政党にとてもではないですが、国政は任せられませんよ。

政策を撤回する気がないのなら、目も当てられない結果に甘んじていただく以外にありません。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
何も答えない (nami)
2012-12-03 20:02:28
10年で廃炉は物理的に無理だと、10年で卒原発出来る根拠とリスクを示せと嘉田事務所と小沢事務所に連絡したけど、事務所は何も分からないと言いました。

こんな無責任でいいのでしょうか?
政治家は大筋を決めるだけで、実行するのは官僚だと言う事ですか?
それでも、無理な事は無理です。

返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。