いきなり獲れた！

お昼を食べに行った食堂で、たまたまお客さんが皆はけてしまい、私ひとりになってしまいました。
今日は同伴出勤のにゃんこ達もおらず、お姉さんについ言ってしまった言葉。
「なんか怖い話とかある？」

作劇塾では、取材して人から話を聞くためには、まず自分が話して相手を楽しませないといけない、と何度も教えて貰っていたにもかかわらず、まったくその反対の、まるで「今日カレーある？」みたいなノリで訊いてしまったのでした。
単刀直入にも程がある。
何でそんな訊き方をするんだよ、私のバカばか馬鹿！
と思った瞬間。

「えー怖い話？ ……あるよ」
まるで「今日カレーあるよ」みたいに、スラスラ出てくるお姉さんの話。
ものの10分もかからないうちに、プライベート怪談会でも充分語れそうなお話が3話。
クーラーの壊れた蒸し暑い店内の空気が、なんとなくひんや～りしてくるような気がして、ありがとう、ありがとうと店を後にしました。

走るように会社に戻って、今獲れたてのホヤホヤの話を忘れないうちに文字に起こしました。
なんか今日、すごくラッキーじゃない？
高揚する気持ちを抑えつつ、スマホに文字を打ち込みながらも激しく興奮している私がいました。
帰りの電車の中で、もみくちゃになりながら起こした文章を何度も読んでいたら、あっという間に最寄り駅に着いてしまいました。

もっと早く訊けば良かったと思いつつ、なんでそんなに変な体験を？
と思わずにはいられないお姉さんの話。
母が眠ったら、本格的に推敲します。