『DQXエンドレス・ラブ』①
前回
「エンドレス・ラブ」ジェイドの家②
<暖炉③>
「私の本はどこ?ジェイド、何してるの?」
「片づけよ」
「そう、でもそんなの明日でいいわよ」
「アン、まだ起きてるのか?そろそろ寝るぞー」
「誰が暖炉を?」
「僕らが…」
「寒かったのよ」
「暖炉の管理は私の仕事だぞ!この家では主人以外、暖炉の火をおこしてはならん!」
「それが我が家の掟だと忘れんでもらいたいねー」
「みんなおやすみ。私はクタクタ、早く寝ましょう」
「未成年はもう帰ったほうがいい」
「もうすぐひきあげます」
「この場合、おいとましますだ!」
「おいとまします」
「あなた、もういいから」
「よし、いいだろう。さっさと帰れよ」
「階段がキツイな…」
「パパのフルート、素敵だったわ」
「おお、ありがとう。練習不足だったけどな」
ジェイドの両親は二階の部屋へといきました。
「ああー疲れちゃった。いいパーティーだったわね」
「ああーほんとに」
「もう遅いから帰るよ」
「そうね、わたしも明日の学校は大変だわ。朝から生物学のテストよ」
「僕もフランス語のテストだ」
「じゃーまた明日ね」
「おやすみ…」
「おやすみ ふーんふーん」
「ラララー ラーラララー」
デヴィッドは帰ったふりをして、ふたたび暖炉のところへもどり、上衣を脱ぎ始めました。
そして、そおっとジェイドを待ちました。
ジェイドの両親の部屋では…
「やれやれ、若いつもりでいてもダメだな。パーティーは疲れる。もうくたくただ…何読んでるんだ?」
「彼に借りたの」
「彼って?」
「デヴィッドよ。このまえ、ゴーゴリについて話してたら、持ってきてくれたの。すごくいい子だわ」
「気にいってるんだろー。あいつのほおに、キスでもしたんだろー。俺はお見通しだぞ…」
「寝てちょうだい」
「ハッハハハ…」
二階の部屋にもどったはずのジェイドは、そおっと階段を下りて、デヴィッドのところへむかいました。
ジェイドとデヴィッドは見つめ合い…
そして…ジェイドも服を脱いで…
ふたりは、愛をたしかめ合いました。
ジェイドのお母さんのアンはふと、暖炉が気になりました。
そおっと階段から見た瞬間、驚きました。
「あらまー!」
「ジェイドとデヴィッドが、暖炉のそばで愛し合ってるだっちゃ!」
シー・・・・
シー・・・・だっちゃ
気づかずに、お互いの愛をたしか合っているジェイドとデヴィッド…
アンはふたりの姿を階段のかげからそおっと見ているうちに、思いふけり、ふたりを許してあげようと思いました。
アンはしばらくふたりを眺め…
やがてアンは部屋にもどり…
寝付けぬ夜が過ぎ、朝になっていました。
次回
『エンドレス・ラブ』コウモリ④