『DQXエンドレス・ラブ』①
前回
『エンドレス・ラブ』暖炉③
<コウモリ④>
「やあ、父さん」
「こんにちはー」
ある日、デヴィッドのお父さんは、ジェイドとふたり仲良く砂浜で歩いていたところを見ました。
その夜…
「デビッド帰るの?」
「帰ります。明日は朝5時に起きて、ヒューと狩りに行くんだ」
「そうだったわね」
「そうだ、あなたの小説読みましたよ。雑誌に載ってたでしょ、今度ゆっくり感想を」
「今度ね」
「べつに気を使わなくてもいいのよ。明日もヒューに気をつかって行くことにしたんじゃないか?って思ったから」
「キースの話しを聞いて、楽しそうだと思って」
「きっとヒューはごきげんね。だったら、キースともうまくつき合ってほしいの…」
「だってほら、あの子があなたを友達としてあたしたちの前にあらわれた。けど今はそうじゃないでしょ?…」
「…そろそろ帰らないとじゃーまた。おやすみなさい」
デヴィッドはアンの頬にキスをして、その後、帰ってゆきました。
「・・・・」
翌日、ヒューとキースとデヴィッドたちは狩りに出かけました。
「お見事!すごいな、どこで習ったのかな、陸軍?それとも空軍だったっけ?」
「僕の祖父にならった。我が家では代々父親が息子に狩りを教える」
「あの小屋も祖父が建てたけど、親父(おやじ)は放ったらかし。だからいつか僕が建て直す…」
「それはいい考えだ。大工仕事は得意だろ?僕にもぜひ、週末に手伝わせてよ?ジェイドも喜ぶ」
「ここで朝をむかえたいな…もちろん家族全員でね」
「なんだ!妹と寝たからって家族ずらするな!」
キースは不機嫌な顔つきで、デヴィッドと距離をとりました。
あくる日の夜…
「映画のあとって、かき氷がほしくなるわ…あなたも一緒にどう?」
「あーすぐ行くよ」
ヒューは二階のジェイドの部屋にデヴィッドが裸でいたのを見てしまいました。
「!!…」
次にジェイドがあらわれ…
「映画はどうだった?パパ」
「よ!よかったよ…」
「おやすみ」
「おやすみ!」
ジェイドは部屋に入りドワを閉めました。
「まずい!お父さんにバレたよ!」
「べつにどうってことないじゃない。パパは自分で理解があるって言ってるもの、ここはわたしの部屋なんだから文句は言わせないわ」
「つ、強気だな」
「どうするの?窓から飛び降りる?」
「僕、殺されるかもしれない!」
「死ぬときは一緒よ。ね?気にしないで」
そう言われたデヴィッドは、ジェイドの部屋で飛びかかるようにジェイドに抱きつきました。
「どうしたの?真っ青な顔して」
「デヴィッドがいた!ジェイドもだ!二人とも素っ裸でだ!」
「なんだ、もっと大事件かと思ったわ。大騒ぎすることじゃないわ…」
「完全にひらきなおってた!平然とね」
「でも、ウソをつかれるよりいいわ」
「それに、ずうっと前からなのよ。知らなかった?彼ったら私たちが寝るまで隠れていて、明け方になるとそおっと急いで帰るの。かわいいじゃない、まるでコウモリ」
「いったい、どうすればいい」
「あなたの子供たちにこう言ってたじゃないの…”セックスはちっとも悪いことじゃないって”」
「ふたりは愛を自由に表現しているのよ。今は見守ってあげるのが一番。今度ゆっくりと話し合いましょう…」
「部屋に忍び込むなんて!あの子がジェイドにふさわしいとはおもえん!」
「自由に愛し合うことでなにがいけないの」
「あんなガキにくれてやることはない!と、言ってるんだ!」
「ほかに誰かいい青年でもいるの?」
「…どんな?」
「どんな人?お金持ち?」
「くだらない御託(ごたく)をならべるな!ジェイドはまだ15歳なんだぞ!勉強時間も寝る時間も必要だ!」
「ちょっとまって、ジェイドは眠り過ぎだと言っていたのは誰?」
「娘が一人前になるのをあなたは喜んでやることができないの?眠れる美女を起こす王子が現れたって…」
「ふう…」
「誰でも通る道なのよ…」
「それでは歴史の授業を始めます。戦時下における軍の編成について」
「議会は、軍の編成という難題に直面しました」
「ジェイド?ジェイド!ちょっとなにしてるの…」
「!ねむーい…」
次回
『エンドレス・ラブ』禁じ⑤